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写真から思うこと
私は写真を撮られるのがとても苦手です。
でも幼少期の頃の写真は大量に残っていて、ここ数年は整理と称して見返すことがあります。殆どの写真は無邪気な笑顔で、不思議と幸せな気持ちになります。きっとそこには両親や親戚、友達との沢山の思い出があり、カメラ目線ではないけれどふとした瞬間を捉えたものからは注いで貰っていたであろう愛を感じます。
写真が減ってきた頃と、私から笑顔が減ってきた時期は重なっています。
それは10歳でSLEを発症した時から始まりました。
治療法がステロイド一択だった35年ほど前、一瞬で容姿が変わってしまいました。ステロイドが減量されても病気の影響で浮腫むことも多く、自分ですら鏡を見たくない日々でした。
多様性という言葉も意識も皆無だった時代に、悪気がなくても浴びせられる言葉や視線は、子ども心に深く傷ついたことを覚えています。
もしかしたら病気になったことで一番辛かったことが容姿の変化だったかもしれません。
卒業アルバムでさえ笑顔はなくカメラ目線は鋭い目になっています。
そのため多くの写真は処分してしまいました。
その後年月を経て、相変わらず苦手な気持ちは変わらないけれど、少しずつ撮ってもいいかなと思えるようになりました。
私は記憶の中に思い出があればいいけれど「一緒に撮りたいと言ってくれている人達は、私との思い出を写真として残しておきたいと思ってくれているんだな」と肯定的に受けとれるようになったからです。
ちょっとした誉め言葉を伝えてもらうことで、少しずつ笑顔の写真も増えてきました。
残りの人生は、少しでも笑顔が多い毎日を過ごしていこうと思います。