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世界をつなぐ多文化共生イベント〜チャンゴ教室レポート〜

世界をつなぐ多文化共生イベント「わ~るど・にじいろ・まつり2020」のご案内と、西宮民族子どもの会『コッキリの会』のチャンゴ教室の様子をご紹介致します。(例年、聖和大学キャンパスで行われていましたが、今年はコロナ禍のためオンライン開催となります。)

 このイベントは、韓国・朝鮮にルーツを持つ人々が多く住む西宮の特徴を踏まえ、「外国ルーツ」を主な軸としています。また、これに加え、「多様な性」にも目を向けていきます。「自分らしさ」とは何か、自分と他者を大切にできる社会の実現に向けて、大学生と共催・協力・後援・助成団体が一体となって開催します。

主催:「わ~るど・にじいろ・まつり」実行委員会
共催 : 関西学院大学教育学部、(公財)西宮市国際交流協会、西宮市在日外国人教育研究協議会
協力 : JICA関西(予定)
後援 : 兵庫県教育委員会、西宮市教育委員会(予定)

わ~るど・にじいろ・まつり2020

チャンゴ教室レポート!!

●日時 2020.12.13(日)
    10:00-12:00
●場所 西宮市立瓦木小学校体育館

西宮民族子ども会『コッキリの会』が主催する
チャンゴ教室。韓国、朝鮮にルーツをもつ子ども達や、活動に携わる教職員、また先生達の呼びかけによって繋がれた地域の子ども達や保護者が集います。チャンゴを指導してくださるのは、
具 実 (ク・シル)先生です。

【チャンゴ指導者 具 実(ク・シル)先生】

【ひとりひとり自己紹介タイムです♪】

体育館には、ちびっ子チャンゴから大きなチャンゴが並びます。今日集った人のほとんどがチャンゴ初心者です。具先生が口ずさんだリズムを真似て叩いてみます。なかなか良い音が鳴りません。音楽室にある小太鼓を思い出してください。上から垂直にバチを落とすと、とりあえず音は鳴ってくれますが、チャンゴはそう簡単ではありません。右と左でバチの形状や握り心地も全く違うため、手に馴染むまでの時間が必要となります。さらにチャンゴはとても大きい上、小太鼓のように固定するスタンドはありません。あぐらをかく姿勢で、チャンゴが転がっていかないように左足で踏んで固定します。

【自分の身体にあうチャンゴを選ぶ子ども達】

最後は衣装を来てチャンゴを身体に巻き付け、ステップを踏みながら演奏します。とても高度なスキルと体力が必要な打楽器だと分かりました。けれども流石は具先生。チャンゴとの出会いから1時間が経過した頃、皆がだんだんと音をあわせられるようになっていきました。小さな子ども達のそばには具先生のご家族や経験者が寄り添って下さいます。

あっという間の2時間。最後は伝統的な衣装を身につけていざ演奏です!色鮮やかな衣装で身をまとえば立派なチャンゴ奏者に見えます!
スピリットが合えば今日の演奏は成功!
それがチャンゴの魅力!ということで、
この日の様子は〝わ~るど・にじいろ・まつり〟オンラインで見ることが出来ます。どうぞお楽しみに!


筆者とコッキリの会の出会い

 筆者自身は日本国籍ですが、幼い頃から韓国の友人の教会に通い、民族の文化や音楽に触れてきました。また、通っていた西宮市立平木小学校(1992年当時)は近隣の朝鮮初級学校との交わりを持ち続けてきました。

阪神朝鮮初級学校(はんしんちょうせんしょきゅうがっこう)は、かつて学校法人兵庫朝鮮学園が運営していた兵庫県西宮市にあった朝鮮学校である。
                 (Wikipedia)

道徳教育の一貫として組まれていた行事でしたが、その学習内容は教室の机上ではなく、実際に朝鮮初級学校のお友だちとの交わりが主となりました。
韓国・朝鮮の民族音楽や舞踊を鑑賞し、遊びの中で自然と互いの文化を分かち合える温かな場となっていました。

【イラスト:画 米光智恵(2018年『心の痛み分け合って』人権研修会より)】

当時7歳だった筆者には見るもの全てが美しく、お友だちが奏でる音楽や舞踊に憧れました。その後、美術の道を志すこととなりました。あれから随分と時が経ってしまいましたが、現在は母になり、我が子を連れてコッキリの会に集うことができます。とても幸せな瞬間です。
 幼子の心に還ると『多文化共生』とは、決して難しいことではありません。手をつなぐだけで世界を旅することが出来るのですから、やらない手はありません。お友だちが放つ輝きや自分が見たことのない色や形、イメージを見せてもらえる時間と捉えれば、交わりのひとときがより尊いものになっていくことでしょう。子ども達の教室の席の両隣りに多国籍のお友だちが座る日はそう遠くはありません。50万人の外国人労働者を受け入れる日がやってきます。私たちが見るべき点はその数字の裏側にある彼らのアンデンティです。価値観や文化、宗教を受け入れられる人をダブルアイデンティティ、トリプルアイデンティティをもった人と言えるのかもしれません。このような人達が増えていくことで、社会はもっと生きやすくなっていく。そう信じています。

        大人の図工塾管理人 米光智恵

【アルバム:西宮市立平木小学校と阪神朝鮮初級学校の歩み(1997年の記録)】

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