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本感想『気づいたら、親と同じことをしている 苦しかった「親の子育て」をくり返さない方法』成田奈緒子著

読んだきっかけとおすすめポイント

モンテッソーリ教育の幼児教室を8年運営している私。教育内容よりも接し方が大事だし、その土台には家族が整っていないと気づきました。
その家族についての本だと感じて、手に取り、書店で購入。

家族の土台があってこそ良い接し方ができ、教育ができる

職業柄、昔から書店の子育てコーナーはよくチェックしています。最近は「叱り方褒め方」「イライラしない子育て」「怒りのコントロール」「自己肯定感」など、感情や心に関する子育て本が多くなりましたが、家族の整え方の本は本当に少ないんです。

ジェンダー論や多様性の時代になり、「父親とは」「母親とは」「夫婦のあり方」という題材もウケないのかもしれませんが、自分の親世代、そのまた親世代はどうだったのかを考えたり、上の世代との付き合い方を考えることで、子世代ともうまくいくこともあるんです。

また、表紙などからは、親の子育てを踏襲しないがメインテーマですが、サブテーマとしては0~18歳の発達段階別の脳育てがあり、そちらもまた、長いスパンから考える子育てについて書かれた本は珍しいのですが、とても大事なので、こちらの本は本当におすすめです。

発達の流れが分かると、どの年齢の子どもにどう接すればいいか分かるので、子育てに悩みというのが基本的に無くなるんですよね。困りごとには都度、対処していけばいいだけになるので。


気づきとして……

日本人は世界でも不安遺伝子が多い


セロトニンを回収する「セロトニントランスポーター」が少ないことが分かっており、さらには、とくに不安を感じやすいS型遺伝子を持っているとのこと。地震や台風など自然災害が多いからではないかと書かれていました。

子育ての不安の正体は「あなたの親の子育て」

親に違和感があり、子育てに違和感があるなら、知らず知らずのうちに踏襲していて、「親の子育てという呪縛」から解放されていない、とのこと。

子育ての3大リスク

  • 過干渉

  • 溺愛

  • 矛盾

親がそうだったので、子どもにも同じようにしている可能性が高い。過干渉と溺愛は、親子での境界線と信頼が崩れていますね。矛盾はダブルスタンダードだったり気分でしゃべっていて、結局子どもがどうしていいか分からず動けなくなるリスクがあります。どれも親子関係が悪くなるパターンですね。

自分の親との関係を考え、親がどう育ってきたかまで考え、嫌なところは断ち切り、いいところだけを取り入れるべきとのこと。ほんとその通りですね。本には著者の成田奈緒子先生が持つ、母親への違和感や、そこを断ち切っていった様子が描かれていて、共感できます。私も同じような経験あるので……。

しかし、本でも書かれている通り、ここに気づける方ってなかなか少数だと思います。

「子どもにこれが当然だと思ってやったことがまったく効果を発揮しないということで愕然とする場合」などと書かれていますが。

私は里帰り出産が事情があって長くなり、自分の子どもを抱えながら、大人になってから親や祖母や叔母と対峙する期間が半年くらいあり、彼女たちの子どもへの接し方を見て、違和感を感じていきました。

この本にも書かれている通り、親や子育てに違和感があれば、いろんな本を読んで知識を深めていくことが大事ですね。私もそうしてきましたし、また一冊この本にも辿り着くことができました。


0~5才からだの脳→6~14才おこうさんの脳→10~14才こころの脳

脳の成長の順番だそうです。モンテッソーリの発達の4段階にも通じるところがあり、私は個人的にしっくりきました。詳しくは著書を読んでいただきたいです。「過干渉の親に子どもは何も言わなくなる」などドキっとすることが書いてありますが、私も同感です。

感じたこと

親の影響というのは本当に大きいのですが、子世代で新たな家庭と新たな文化を作ることができますので、そうしたことを自分でもXやSNSや子育て講座を通して発信していきたいですね。

それから、日本人はまじめすぎるので(不安も強いということだし)、時代も昭和と違うので、「意味なくきっちり」した子育てはうまくいかないこともお伝えしていきたいです。

それから発達の流れが分かった上での接し方を知ると、悩みなくなるのでそちらも大事だなと改めて感じました。私も頑張りますね。

『気づいたら、親と同じことをしている 苦しかった「親の子育て」をくり返さない方法』成田奈緒子著


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