探究発表のコツは?~メキシコ人、十日町高校高校生、週末ホイスコーレから~
ニイガタコラボレーターズ2期生の松井千枝です。
十日町の初雪の日にメキシコから友達が来てくれました!メキシコ人は陽気で笑顔なイメージがありませんか?私の友人はまさにそのイメージ通りです。
久しぶりにラテンの陽気な雰囲気に触れると、感情表現の大切さを学ばせてもらえますね。そして、そんな彼を見ていると、十日町高校でマイクを片手に走り回っていた高校生の発表が頭の中で繋がりました。
11月を振り返ると、自分自身でも「頭がよさそうにプレゼンをする秘訣」の授業をしたり、デンマークのフォルケホイスコーレに関するワークショップをしたりしていました。
今回は活動を通して学んだ発表のコツと無限大の表現方法について共有していきます。
大阪出身。教育大学卒業後、大阪で高校英語教師に。海外の社会と教育を学ぶため、スペインへ渡航。日本語教育能力検定(注釈)を取得し、スペインの私立小学校に勤務。その後、デンマークに渡り、ノーフュンスホイスコーレで日本文化教師を務める。帰国後、新潟県の地域おこし協力隊・ニイガタコラボレーターズに着任し、2023年9月、十日町市に移住。
1.メキシコ流?発表はパッションが決める!
デンマークの “Peoples Future Labo”というフォルケホイスコーレの関係者が集まるイベントで出会った、メキシコの友人。
メキシコで地域に開かれた学校のような場所で働いている彼ですが、今回は教育のワークショップをするということで来日。十日町に遊びに来てくれました。
「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」や星峠、清津峡やお蕎麦屋さんを回り、アートや日本酒、美味しいお米にも感動していました。
教育関連の仕事をしているもの同士、教育の話はよくするのですが、今回話題になったのが、学校での発表や表現方法の違いです。
メキシコでもプレゼンやポスターを作って発表をする時がありますが、歌を作って内容を表現したり、物語のようにして絵本みたいに発表したりすることもあるそうです。
いつも笑顔が絶えない彼曰く、発表や表現をする時にいつも重要になってくるのは笑顔と自分が楽しんでいるという雰囲気。まじめな内容でも、笑顔でユニークに、歌や絵も使って遊び心を持つことが大切。そして、何よりパッション(情熱)が大事なんだよと教えてくれました。
「発表=まじめなもの」ではなく、遊び心とパッションを取り入れてみると、一味違った発表ができるのかもしれません。
2.マイク片手に走る十日町高校生のプレゼン
十日町高校2年生の各クラスから選ばれた代表のグループが、1年生に向けて英語でプレゼンをするという発表会を見学させて頂きました。
どのグループも選ばれた代表と言うことだけあって、クイズを入れて観客を巻き込みながら堂々と体育館の舞台で発表していました。
その中でも一番場を盛り上げていたのが、クイズを出してマイクを片手に舞台から飛び降りて体育館を走り回っていた男子高校生。
大阪出身で笑いに厳しくなってしまいがちな私ですが、彼の勇気と場の作り方には感動しました。英語だとは思えないようなテンポで質問やコメントをし、自信たっぷりに体育館を走り回っていました。
場を盛り上げることが必ずしもプレゼンの価値につながる訳ではありませんが、聞き手を引き込み魅了するスキルは発表に欠かせない点ですよね。
3.「頭がよさそうにプレゼンをする秘訣」
松代高校の1年生に向けてプレゼンの立ち振る舞いに関する特別授業をさせて頂きました。
妻有新聞の方に授業を記事にしていただき、もう少し頭がよさそうなタイトルにすれば良かったと少し後悔したのですが、、、大阪人らしくタイトルから笑いに走ろうと思います。
探究学習では調べたことを発表することも重要な要素の一つだと考えられています。探究発表を見ていて思ったのが、プレゼン時の振る舞いが上手になればもっと良い発表になるのにという点です。
そこで、ちょっと立ち振る舞いを意識するだけでプレゼンの印象が全然違うということに気づき、少しづつ立ち振る舞いも意識してもらえるような授業を考えました。
動画を視聴したり、コツを考えるチームワークをして高校生に自分が思うプレゼンのコツをまとめてもらいました。
「自分が正しい様に見せる」、「ジェスチャーを取り入れる」、「質問をたくさんする」、「適度な間」、「一番聞いてほしい所は大きく話す」など、面白いコツが出てきて私も勉強になりました。
私は「目線を∞の形に動かしながら聴衆に話す、手振りを付ける、自信がありそうな顔をする」の3つを心がけてプレゼンをしています。
どんなコツでも、態度にも気を付けて話すということを忘れなければ良い発表につながるのではないでしょうか。
4.アートで見えてくる自分:週末ホイスコーレから
デンマークのフォルケホイスコーレとは何か、雰囲気や思想や哲学などをワークを通して体験してもらう2泊3日の週末イベントを湯河原で行ってきました。
きっかけはデンマークで出会った友人で、イギリスのシューマッハ・カレッジに行っていた方やワークショップデザイナーの方も一緒に主催しました。
その中で、参加者として参加させてもらったパートでは、研修を終えて感じていることをクレヨンで描いたり、感じていることを詩にしたりしました。
誰もがアーティストで、誰もが表現者である。頭の中で考えることは大事ですが、絵で表現するからわかること、詩にするから出てくること、自由に歩くから感じることがある。
その感じたことを大切にすれば、自分の興味や関心を深める手掛かりになるのではないでしょうか。
今回のイベントは地域おこし協力隊の業務外で開催したのですが、表現の多様性や自分の探究的な要素があり、高校の探究学習につながる部分もあるので紹介しました。
デンマークではアートが教育現場でも重視されています。十日町は大地の芸術祭の発祥地でもありますし、自分を発見したり表現したりするための方法として、アートを「総合的な探究の時間」に取り入れても良いなと感じさせられました。
5.まとめ
発表のコツと無限大の可能性について、11月中の4つの出来事を元に考えてみました。
メキシコの友人からは、「発表はパッション(情熱)!」であるということを学びました。自分が楽しんでいることは相手にも伝わる。想いを届ける発表をしたいですね。
十日町高校のプレゼン発表会からは、場を盛り上げて聞き手を魅了する大切さに気づかされました。それは練習や日々の行いの積み重ねなのかもしれませんが、自信を持って何かを発表することは素晴らしいですね。
「頭がよさそうにプレゼンをする秘訣」の授業は、十日町高校松之山分校でも行う予定です。高校生が考えるプレゼンのコツを学び、私も表現力やプレゼン力を上げていきたいです。
週末ホイスコーレのイベントからは、表現方法の多様性、アートから気づく自分らしさなど、新しい視点を得ました。
発表=プレゼン!にこだわらず、歌や絵、物語など、色んな手法でパッション(情熱)を持った表現をしていきたいですね。
発表や表現の多様性も考えながら、高校生が心惹かれるような「総合的な探究の時間」にしていけるように、今後も頑張っていきます!