20代が50代に学ぶべき感情
看護師時代の回想
『お弁当事件』の発端
私が看護師として働いているとき、職場では昼食が提供されていました。
その日はDr.Aが「今日のお昼ご飯はいらないよ」と言ってきたにも関わらず、仕事がひと段落すると「早く終わったからご飯食べようかな」と言い出したのです。前言撤回には遅すぎて、すでに人数分からマイナス1個のお弁当の数しか用意がありません。
それに対して、1970年代生まれの事務の方(Bさんとします)が「いいですよ。召し上がってください」と言いました。Dr.Aは食事をして上機嫌で戻っていきました。当たり前ですがそのDr.Aが1個お弁当を食べたことで、1人分のお弁当が足りません。
私が仕事が終わり、その話を当のBさんから聞いた時に
(「どうぞ、召し上がってください」なんて!誰かが割を食ってその1個足りない分は買いに行かなきゃならないじゃないか!)と思いました。しかし、私も社会人として「そうなんですか!困りますねぇ、それじゃあ私がお弁当買ってきますよ。」と伝えました。
Bさんは「ほんとう、なんでこっちが良いって言ったからって普通食べるかしらね〜。大丈夫よ、ちょうど出る予定もあったし、買いに行くから!」と買い物に向かいました。
もちろん、その翌日には「Drがお昼ご飯を食べてしまった話」に持ちきりになりました。「ほんと困るよね〜」というやりとりに、「ね〜」と場と感情を共有したいだけなのでは?と思いました。
「召し上がってください」 と 「ねぇ〜」 の作用
私がいいたいことの1つは、『お弁当事件』での「召し上がってください」は、誰かが困った時に支え合えますよという表現方法だということです。私たち(1990年代生まれ)や、私たちより若い世代(Z世代まで)は、ソリューション(解決)をベースで考えていることが多いかと思います。
面倒事は避けて、自分の言ったことに責任を持ち、私が思ったような身体を使うような具体的行動がすぐに思い当たります。これは、Bさんとは異なる点です。
2つ目には、愚痴をいったり「ね〜」と言うことは、感情の相互性を必要としていたということです。ですが、これはTime is moneyの資本主義には則さないし、効率は悪いことでしょう。ビジネスにおいては必要のないものとも言えます。
しかし、それは社会の尺度であって人間にはそもそも効率などありません。ビジネスをおおよその人が終える老年期に入ってから必要になってくることが、人間としての相互性と思います。ニンゲン対ニンゲンの、相互性があり感情の伴うコミュニケーションは、すこし上の世代の自明であることで、我々は学びとっていく必要があると感じました。曲がりなりにも20代後半を生きる世代として、Bさんのような熱い感情と気配りを受け取って、自分でも行っていこうと思います。
人間に残るものは最後は感情だと思う今日この頃です。
感情の「火」
共にコーチングをしている友人と話をしていると、上記のような世代間のギャップは多く見受けられると話していました。
その方は、火の強さで表現されていて、
今(2023年)の60〜80歳代の方はまるで火炎放射のような、他の人に影響が強い、言葉や身体表現を含む感情表現をされ、
今の40〜50歳代の方はキャンプファイヤーや焚き木のような強さで、この世代の親の熱量を受け継ぎつつ、親世代の火が強すぎて(強い感情表現で)大変だった経験もあり、個人や身内、仲間で火で暖まれる(共感など)程度の火力。
今の10〜30歳代の方はライターぐらいの強さで、個人間でのみ暖まれるようなイメージ。親世代の暖かさを受け継ぎつつ、デジタルネイティブ世代でもあることから感情表現も変化していることも一つの理由かと思います。
隣でキャンプファイヤーをしている暖かさを背中で感じながら、たまに火炎放射のような強い火の粉が飛んできたり…そんな世代のイメージです。
もちろん、個人差はあります!
この感情表現のギャップは常に変化していきますし、今後も学んだことを書いていこうと思います。
追記
Bさんの頭の中はこのように働いていたのではないかと、一案をいただきました。
社交辞令として「召し上がってください」
→ほんとに食べた!社交辞令なのに!
→愚痴をいう(協調性ないよね〜とDr.Aに責任転嫁をしてる)
→「私から言ったからなんだけど」(あなたが言ったからじゃないかと裏で言われることも分かった上での言葉)
→買いに行く行動(あいつのせいで、という枕詞が付きつつ、めんどくささは強くない)
他にもあればお教えください!
現在、私は千葉雅也さんの「現代思想入門」を読んでいます。
書評や学んだことを書きますので少々お待ちください!
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