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(観る人を選ぶけど) おすすめの映画3選

『何かおすすめの映画教えて』って言われた時に、自分は好きだけどなかなか人に紹介できないなと思う映画があります。

難解のもの、バッドエンドのもの、刺激が強いもの、とってもスローペースで進むものとか。

改めて考えてみると、自分の好みの映画ってチャートで分類したら端っこにあるようなものが多いのかもしれない。

今回はそんな私の、観る人を選ぶけれど個人的にお気に入りの映画を3本紹介します。

1. シリアル・ママ

公開:1994年 
監督:ジョン・ウォーターズ

―――覚悟はいいわね!? 全米震撼!! 善良な主婦はシリアル・キラー。

肉切り包丁ぶん回し、今日も世直し、正義の殺戮!!甘えた現代人にトドメをさし、メディア社会を痛烈に皮肉った超カゲキなストレス解消ムーヴィーが、時代の閉そく感を打ち破る!!

ゴミを分別しない奴、駐車場で横入りする奴、レンタルビデオ(VHS)の返却時に巻き戻さない奴、そして何より愛する家族の平和を乱す奴。
ママのご機嫌を損ねた奴には、恐怖のお仕置きが待っている。肉切り包丁をぶん回し、正義の世直し活動を繰り広げる必殺ママは、いつしか全米マスコミの人気者になっていた…。

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イライラが溜まった時、笑いたい時の『シリアル・ママ』。

これは高校生の時に出会ってからずっとお気に入りのブラックコメディ。一見すると良妻賢母な主婦ベヴァリー(キャスリーン・ターナー)が日常でイラッとする人々を次々と成敗していく姿は、道徳的にNGだからこそ、観ていて最高にすっきりする。

ブラックジョーク満載で、刺激強め。ストレスの発散にはうってつけ。

決してお上品とは言えない映画なので、一人でこっそり、ハイカロリーなジャンクフードとシェイクなんかを片手に観てください。


2. アナとオットー

公開:2000年
監督:フリオ・メデム

予告編が見つからず…

両親の離婚を知ったオットーは自分を見つめる少女アナと出会った。アナは父が死んだ日にオットーと出会い、彼を父の生まれ変わりだと信じた。その時二人は8歳。ある日、オットーが飛ばした紙飛行機をきっかけにしてアナの母とオットーの父は結びつき、二人は義兄妹になった。

「ANA」と「OTTO」、前から読んでも後ろから読んでも綴りは一緒。そんなたわいない話をし合った幼い日は過ぎ、同じ屋根の下に暮らすようになった二人。思春期を迎え、自然と恋し、愛し合うようになった。しかし、この秘密の愛は思わぬ形で終息する。

オットーが産みの母親の腐乱死体を目撃したその日から。オットーはアナの家族として暮らしていた自分を責め、そして、姿を消してしまう……。

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アナとオットー。8歳で出会ってから思春期を経て、大人になった2人がそれぞれの視点で描かれる。括りとしては恋愛映画なのだけど、それだけでなく、運命や宿命、この世で起こることの偶然性、必然性なんかを考えさせられる、ちょっと哲学的な映画。

今まで生きてきた中で何かのタイミングが少しでも、数秒でもずれていれば、今の自分の人生とは全く違うものになっていた可能性は大いにあるわけで。そんなことを鑑賞後ぼーっと考えてしまう。

途中舞台がスペインから北欧フィンランドに移るのですが、その幻想的な風景がまた美しい。森の木々、しんしんと降り積もる雪、白夜、そして青。キンとしたその冷たい空気がこちらまで感じられるよう。スペイン映画だけどその派手さはなく、どちらかと言えば北欧映画のような、ゆったりと静謐な印象。

儚く、美しく、残酷なまでにリアルな映画。
傑作。


3. クライマックス

公開:2018年
監督:ギャスパー・ノエ

雪が降る山奥の廃墟に集まった22人のダンサー。彼らは、知らず知らずにLSD入りのサングリアを飲み、集団ドラッグ中毒に陥る。抜け出すことも逃げ出すこともできない――その狂乱とカオスの一晩を、視覚&聴覚を刺激する圧巻の熱量と興奮で描き切った97分間。

http://climax-movie.jp/about.php

最後は『シリアル・ママ』に続き、また刺激強めの1本。オープニングにダンスシーンがあるのだけど、ダンスに疎い私でも分かるくらい本当にかっこいい。音楽も素晴らしい。調べてみると、キャストはプロのダンサーとのこと。なるほど。

誤ってドラッグを摂取してしまった彼らがどんどん堕ちていく過程の生々しさと恐ろしさ。そして徐々に鑑賞者もそれを擬似体験をしてるような感覚にさせる、その実験的な構成。

一つのエンターテイメントとして、とても興味深く楽しめる1本。

ただ、あろうことか私は寝る前にこれを観てしまい、終わった後は脳が覚醒してしばらく眠れず。

明るいうちに観ることをおすすめします。


他にもいろいろあるけど、今回はこの3本。
興味のある方はぜひ。



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