(観る人を選ぶけど) おすすめの映画3選
『何かおすすめの映画教えて』って言われた時に、自分は好きだけどなかなか人に紹介できないなと思う映画があります。
難解のもの、バッドエンドのもの、刺激が強いもの、とってもスローペースで進むものとか。
改めて考えてみると、自分の好みの映画ってチャートで分類したら端っこにあるようなものが多いのかもしれない。
今回はそんな私の、観る人を選ぶけれど個人的にお気に入りの映画を3本紹介します。
1. シリアル・ママ
公開:1994年
監督:ジョン・ウォーターズ
イライラが溜まった時、笑いたい時の『シリアル・ママ』。
これは高校生の時に出会ってからずっとお気に入りのブラックコメディ。一見すると良妻賢母な主婦ベヴァリー(キャスリーン・ターナー)が日常でイラッとする人々を次々と成敗していく姿は、道徳的にNGだからこそ、観ていて最高にすっきりする。
ブラックジョーク満載で、刺激強め。ストレスの発散にはうってつけ。
決してお上品とは言えない映画なので、一人でこっそり、ハイカロリーなジャンクフードとシェイクなんかを片手に観てください。
2. アナとオットー
公開:2000年
監督:フリオ・メデム
予告編が見つからず…
アナとオットー。8歳で出会ってから思春期を経て、大人になった2人がそれぞれの視点で描かれる。括りとしては恋愛映画なのだけど、それだけでなく、運命や宿命、この世で起こることの偶然性、必然性なんかを考えさせられる、ちょっと哲学的な映画。
今まで生きてきた中で何かのタイミングが少しでも、数秒でもずれていれば、今の自分の人生とは全く違うものになっていた可能性は大いにあるわけで。そんなことを鑑賞後ぼーっと考えてしまう。
途中舞台がスペインから北欧フィンランドに移るのですが、その幻想的な風景がまた美しい。森の木々、しんしんと降り積もる雪、白夜、そして青。キンとしたその冷たい空気がこちらまで感じられるよう。スペイン映画だけどその派手さはなく、どちらかと言えば北欧映画のような、ゆったりと静謐な印象。
儚く、美しく、残酷なまでにリアルな映画。
傑作。
3. クライマックス
公開:2018年
監督:ギャスパー・ノエ
最後は『シリアル・ママ』に続き、また刺激強めの1本。オープニングにダンスシーンがあるのだけど、ダンスに疎い私でも分かるくらい本当にかっこいい。音楽も素晴らしい。調べてみると、キャストはプロのダンサーとのこと。なるほど。
誤ってドラッグを摂取してしまった彼らがどんどん堕ちていく過程の生々しさと恐ろしさ。そして徐々に鑑賞者もそれを擬似体験をしてるような感覚にさせる、その実験的な構成。
一つのエンターテイメントとして、とても興味深く楽しめる1本。
ただ、あろうことか私は寝る前にこれを観てしまい、終わった後は脳が覚醒してしばらく眠れず。
明るいうちに観ることをおすすめします。
他にもいろいろあるけど、今回はこの3本。
興味のある方はぜひ。