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産後に副業をはじめて、起業した薬剤師ママの体験記~大切なのはキャリアの棚卸と時間の捻出~

結婚・出産で思うようにキャリアが築けていない・・・そんな悩みをもつ女性は少なくないと思います。
私もメーカーで3年研究員をした後に、結婚を機に退職して薬局薬剤師に転職しましたが、管理職に魅力を感じず、派遣薬剤師として様々な薬局を転々としていました。そんな中で分かった妊娠。子どもが生まれることを嬉しいと思う反面、「まだ自分のキャリアがきちんと築けていない」と強い不安を感じたことを今でもよく覚えています。

私は子どもが0歳の時に副業をはじめ、2歳の時に独立、その後「会社を作ってみたい」という強い思いから法人化しました。「会社を作る」というとなんだかとてもすごい事のように聞こえますが、実際は作ることは誰でも簡単にできて、その後事業を安定的に成長させることが難しいのだと感じる今日この頃です。

そんな私ですが、自分のちょっと変わった今までの経験がもしかすると誰かの背中を押すことに繋がるかもしれない…そんな想い(希望)をもってnoteを書いてみることにしました。

赤ちゃんは可愛い、でも育児だけの生活は辛い

子どもは五体満足で健康に生まれてきてくれ、その後も大きな病気をすることはなくすくすくと育ってくれました。
ハイハイができるようになったり、つかまり立ちができるようになったり、離乳食を食べられるようになったり…とできる事が1つ1つ増えていき、ママとして嬉しさを感じる反面、自分の成長は止まっている…どころか何だか退化していっているような気がしていました。

夫は仕事で忙しく日中は赤ちゃんと二人きり。一方通行の会話なので、だんだん日本語が出てこなくなってきたり、思考がうまく働かなくなってきたり…社会と切り離されたような感覚になって孤独を感じたりすることもしばしばありました。
「大人と会話がしたい」と児童館や地域イベントなどに行ってみましたが、そこでの話題もほとんど子どものこと。

「なんだかこのままでは、自分=子どもになってしまう気がする」
子どもはとても可愛かったですが、育児だけの生活は私は半年くらいしかもちませんでした。


子どもが0歳6ヶ月の頃に副業をスタート

「社会との繋がりをもちたい」「働きたい」という気持ちから、私は子どもが0歳6ヶ月になった頃から副業をはじめることにしました。
薬局薬剤師に復帰するという選択肢もありましたが、子どもがよく風邪をひいたり、予防接種・検診が定期的にあったりしたことからシフト制の薬局では迷惑がかかると考えたためオンラインで好きな時間に働ける副業という形をとりました。

副業の見つけ方と、自信が持てなかった自分のキャリアの棚卸

副業はクラウドワークスに登録し、募集されているお仕事の中から医療・化粧品分野ライティングやオンライン医療機関のサポートするお仕事を見つけては積極的に応募していきました。
「自分のキャリアに強みはない」と思っていた私でしたが、このときに
・文章を書くことが好きであること
・薬局薬剤師の前職でスキンケア関係の研究開発員をしていたこと
が他の薬剤師さんとの差別化になると考え、そこを重点的にアピールしていきました。
1つ1つのキャリアに自信が持てなくても、それらを繋げることでキャリアの掛け合わせができ、クライアントさんにとって魅力的な提案・仕事ができる場合があるということをこのとき初めて知ったように思います。

結果的に、精神科オンラインクリニックの立ち上げサポートや化粧品成分の解説記事執筆のライターなどのお仕事を獲得することができ、子どもが1歳になるまでの半年で副業の実績をある程度作ることができました。

子どもが1歳で薬局復帰!副業は続けることに

子どもが1歳になり、いよいよ子どもを保育園に預け、産休に入る前に働いていた薬局で派遣薬剤師として再び働くことになりました。
ただ、シフトは9~15時、週4日の勤務にしてもらい、帰宅後~15時までと、朝方の午前3時頃~7時頃までは副業の時間にあてていました。
子どもが午前3時頃に毎日夜泣きをするので、その対応をしてからそのまま副業をするというサイクルで、体力的なつらさは特に無かったような気がします。(子どもと一緒に20時に寝ていたので睡眠時間は充分にとっていました)

育児&勤務しながら副業できたのは、家事の時間をなるべく減らしたから

育児&薬局勤務をする中で副業の時間を割くためには、他の仕事、とくに家事の時間をなるべく減らす必要がありました。
「子どもがいても仕事のキャリアを築きたい」という思いがある中で、子どもとの時間を確保するためには、「自分でしなくてもいいこと」を極力しないという選択をとらないといけないと考えました。
洗濯はドラム式洗濯機、洗い物は食洗機、掃除はルンバ、料理は時短料理荷電のホットクックを導入し、さらには家事代行も利用しました。
最初は自分の家に他人が入ることに抵抗がありましたが、同じ人に継続的に着て頂くことで抵抗感は減り、捻出した時間とお金を副業にあてることができました。
事業が軌道にのるまでは時間の捻出>貯金を優先し、この方針は今後もまだしばらく続きそうです。

そんな生活を1年くらいしながらTwitterで日々の発信をていると、自然とライター仲間も増えて案件を紹介してもらいやすくなったり、作った実績からまた新しい案件を自分でとれたりするようになっていきました。

子どもが2歳になるタイミングで独立を決意!

薬局での勤務を再開して1年が経とうとした頃に、あるオンライン医療機関にて長期でライターを募集するという情報をTwitterから得て、応募をしてみることにしました。そのオンライン医療機関は、1年前に精神科オンラインクリニックをサポートしていたときにクライアントさんが「ここを目標にしたい」と掲げていた医療機関だったので、馴染みがあったこともありすぐに応募しました。
結果はなんと採用!仕事内容や社員さんのお話に魅力を感じ、このときに個人事業主のライターで独立することを決意しました。
基本的に安定を強く求めるタイプの人間なのですが、このときは勢いとご縁を感じて自分の直感を信じて突き進んでみることにしました。

ただし自分のセーフティネットを確保することも忘れない

業務委託で長期ライターの仕事はとれて他の案件も持っていたものの、いつこれらの仕事が途切れるかも分からないという不安はありました。
そこで、派遣薬剤師として勤務していた薬局の社長にお願いをし、薬局でヘルプが必要な場合に不定期でシフトに入らせてもらい、薬局との繋がりを絶やさないようにしました。
ライターの仕事でどんなに忙しい時でも、薬局から相談がくればスケジュールを調整し、シフトに入るようにしました。
正社員で働いていた頃から心がげていますが、一緒に働いた方々とのご縁は大事にし、やめる時もなるべく円満退職することが後々の自分にかえってくると思います。また、セーフティネットを確保することで、メンタル的にも安定して独立することができたので、独立を考えている方はぜひ前職との繋がりを大切にすることをおすすめします。

子どもが3歳になる頃には法人化を決意、現在に至る

個人事業主として独立後、1年間仕事依頼が途切れることなくきていた私は、1年経ったタイミングで以前から強く意識していた法人化をすることにしました。
理由としては、
・有名大手企業の大型案件がこのタイミングで得られたこと
・起業仲間の紹介で良い税理士さんに巡り合えたこと
・事前に商工会議所の創業塾に参加していたことで会社設立時に必要な登録免許税が半額になったこと
・法人登記できる住所が家の住所とは別にあったこと

がありました。とくに、気持ちの問題ではあるのですが大手企業さんとお仕事をする際に自分も法人の方が良いのかなと思ったのと、何より”法人化”に強い憧れがありました。
正直、売上については法人化する必要の無い範囲でしたが、法人化のメリット・デメリットを調べる中で「やっぱり法人化したい」という気持ちが勝ったことから決意しました。

実際に法人化して良かった点・悪かった点はまた別の機会で書こうと思いますが、ここまでの3年間は自分の「やってみたい」「なんだか楽しそう」という直感を信じて突き進んできた気がします。

それまでは、「自分には自信が持てるキャリアが何一つない」「キャリアをきちんと築いている友人がうらやましい」と思っていた私でしたが、
・自分が今までの仕事を通してできるようになったことは何か
・自分が他の人よりも少しでも優れていることは無いか
・自分が何時間でもストレスなくできることは何か
を考えて、目の前の仕事に全力で取り組んでいくことで、少しずつ自分らしいキャリアが築けてきたように思います。

まだまだこれからな私ですが、「ママだけど働きたい」「起業してみたい」と考えている方の背中を少しでも押すことができたら嬉しいです。





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