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「君たちはどう生きるか」🎞️戦争の描写が殆どない戦時中の物語(邦画が認められて嬉しいですね🏆)
(約900字)
同じ映画を観て記事を書く方がいたので、
感想を書くことにしました。
テレビでニュースを拝見すると、ネタバレ的なことがタブーのように、インタビュー映像で感想をはっきりと話さない人が多かったのが、観る前の私の印象です。
映画の中に出てくる人間は、戦争を背景にして少しずつその時代特有の悲しみを感じます。
主人公の眞人(まひと)は、疎開のために東京から田舎へ一時的に住まいが変わる。
病院で療養中の母は、戦下にて 病院ごと火事に遭っているが、家族はご遺体を見ていない。
父親は新しい母親を迎え入れる。
新しい母親は美しい人で、眞人の母親と似た人。
そのお腹には子どもがいる。
父親は軍需工場を営み、羽振がいい。
疎開先の田舎町に建った家と、その敷地内にある建物の中で不思議な物語が起きる。
映画には、鳥が登場する。
・青鷺 ・ペリカン ・セキセイインコ
いずれも重要な役割を担う。
あまり詳しく書いてはこれから映画をご覧になる方の邪魔になるので、私が物語の中で
涙が出てきた場面だけを記すと、
物語の途中、キリコという女性が出てくる。
人間の世界に新しい命を送るために、海の魚を釣り上げて、捌き、それ(食事)を必要としている者たちに分け与える。
そのあたりで泣いた。
世の中には日が当たる素晴らしい場所で、美しいモノだけを愛でている人と、やらなければ人類の命を継続していけないために進んではやりたくない辛い仕事を請け負っている人がいる。
軍需工場の社長をしている主人公の父親は、
戦争があったから成り立つ仕事をしており、
それで家族を養い、その工場で働く人の雇用を作っている。
実際、モノが無い時代にも、あるところにはあったのが事実。
戦争に参加した一市民は、そういう時代だから戦地にいた。その人たちに落ち度はない。
世界は不平等だ。
主人公がつけた傷と同じく、私たちがかつて子供だった時間に同じような気持ちで、やり場のない葛藤を形にした傷を持っているかもしれない。
私の場合は、或るひとが大切にしていた置物だった。
実体のあるモノは、いつか消えてなくなる。
戦争で消えてゆく命は儚くも、
新しい命によって新しい時代に続いていく。
米津玄師さんの歌う『地球儀』の球体が、
朝⇨昼⇨夜の連続性を思い起こし、世界に終わりが来ないような気持ちにさせた。
そこには平和が込められていることをのぞむ。