『大地の芸術祭』(越後妻有アートトリエンナーレ)日記 2ページ目
ゲストハウスから駅まで走る朝から始まった2日目。Google mapsが示す時間よりも早く宿を出たのに歩いている途中でこれは間に合わんと察しずーっとゆるく走った。便数が少ないから間に合わなかったら惨事である。甲斐あって1分ほどの余裕で電車に乗ることができた。
十日町に着きまずは観光案内所へ。何もわかっていない私はそこでマップをもらおうと思った。市街地マップは無料だったけれど大地の芸術祭のガイドマップは有料だった。領収書をもらった。
ガイドマップを手に入れたことにより知り合いの作品はおろかかなりの数の作品を観に行けないことが判明した。時間や金銭の問題ではなく交通手段の問題で。芸術祭のために3日時間を取ったが行けない場所が多いので実質今日と明日で観終わるだろう。
朝ごはんは道の駅クロス10で食べた。十日町で採れたはちみつをかけたソフトクリームとそばいなり。簡素だが充分に十日町色は出ている。
朝ごはんの後は越後妻有里山現代美術館 MonETへ。祭りの中にピリッとした良い作品がある。ウクライナの映像作品はそのひとつである。もちろん全て観られなかったが、私が観た時は5〜6人の人々が連詩を行っているような映像で田中功起を思い出した。クレムリンやコロホーズなどの言葉が飛び交う。詩を口ずさむ人々の目は虚ろに見えた。その他気になったのはアブラモビッチのドローイングと名和晃平の作品だ。
名和氏の作品は2021年だから前回の芸術祭の時の作品なのかもしれない(それも知らない)。学生時代に観た白いシリコンを使った泡の衝撃を思い出す。今回は黒く線状になっており、シリコンの自重によるへこみが下方にできている。素材の使い方や見せ方が相変わらずすばらしい。
200円払いある作品を体験した。テープはこれほど頑強なのかと思った。
さっき朝ごはんを食べた気がしたが、昼をまた道の駅クロス10で食べた。瀬戸内レモンパンや十日町ハーバルソーダなど私心を刺激するものを発見したら食べるしかない。サンドパンは地元の老舗パン屋が作っているパンだそうで、「今生きている作家が作った作品は全て現代アート」と主張する人もいるのだから、十日町で作られた食べ物は全て十日町のご当地料理と言って差し支えないような気がしなくもない。
(私は上記の現代アートの定義に賛成しないが)
バスに乗り津南町役場へ。十日町から行きやすく作品数も多そうだったので選んだ。思ったよりも作品数は少なかったが人々が温かく迎えてくれた。下駄屋にも作品が置いてあり、店主が色々と作品を説明してくれる中で下駄履きも体験した。帰りにまた十日町駅周辺の作品を観ようとJRの津南駅へと向かった。歩きながらなかなか駅に着かんなと思っていたら遠くで電車が走るのが見えた。
2時間近く駅で待つことを余儀なくされた私は津南駅2階にある温泉に入ることにした。着替えもスキンケア用品も持っていないので悩んだ末の結論だった。駅の待合室が暑かったのもある。大分歩いたので汗だくだったのもある。最初体だけ洗おうと思ったが体がさっぱりする中で顔が汗まみれなのは気持ち悪い。結局髪も顔も洗い全身さっぱりした。ありがたいことに洗面台にボディクリームが置いてあったので顔に薄く塗った。600円の温泉にスキンケア用品があるのは初めてかもしれない。今は電車待ちの傍らクーラーのある休憩室でのんびり文章を書いている。
温泉にあった体重計に乗ったら数字の上ではそれほど太っていないことが判明した。調子に乗った私は夕方にご飯を食べることにした。通常1日2食で夜抜き、血糖値スパイクを医者に指摘されているにもかかわらず2食にしないと体重が青天井になってしまう。しかし今日は別だ。私は顎以外そんなに太っていないらしい。ならば食べなければなるまい。フレンドのイタリアンを。