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超短編小説

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基本一話完結。超短編小説。
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BBキングと味噌汁

BBキングと味噌汁

そう、
まさしく都会の喧騒にのまれて、というかんじ。

働き詰めでプレッシャーに押し潰される毎日に疲れて、思い切った休職。私は今、祖母の家の縁側にいる。

「人里離れた」というワードがよく似合う。
むしろこんなに似合うところがまだ、今の時代にもあったのか。まぁ、結構な長い時間を電車に揺られてきたわけで、物理的に「離れた」わけなんだけど。と、

ぐるぐると終わりの見えない問答を頭の中で繰り返

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「住む」ことの代償

「住む」ことの代償

「住む」ということにこだわりを持つようになったのは最近のことだ。社会人になるまで、そして社会人になってからも、いくつかの街を転々としてきたが、どの街も離れるときに寂しいだとか、恋しいだとか、そんな感情を抱いたことはなかった。そこで関わった人には、生きている限り会おうと思えば会える。お気に入りのお店があればまた来ればいい。変わることは、そこにもう「住まない」ということだけ。私にとって土地とは無機質な

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