坂本龍一 + 高谷史郎"TIME"、田中泯@新国立劇場
今年3月28日は坂本龍一教授の1周忌でした。
新国立劇場では、この日から、2021年にオランダのフェスティバルで初演された "TIME"の東京公演が始まりました。
晩に劇場に出かけて舞台を見るのは10余年ぶりでしたが、2020年代におけるセノグラフィーの洗練は圧巻でした。
他方で、音楽+映像は音楽+映像だけで、踊りと朗読はそれぞれで、それぞれを別々の舞台で見られたならば、印象もだいぶ変わるかもしれないとも思いました。
構成が全体的に説明過多に見えたのも、それは単にわたしの鑑賞力不足故なのでしょうが、たとえばかつて見た《S/N》とか、Plan-Bでの踊りとか、映画音楽やコンサートの数多の音源とか、それぞれに、ひとつの統一した意思の流れがあり、そこにグイグイと引きずりこませるような熱量がダイナミズムとしてあった気もします。
上演作品はトンネルのような構造をもっていて、鑑賞者は上演という持続の始まりと終わりの内部をくぐりぬけていくうちに、どこを入り、どこを通り、どこに出てきたのか、など考える間も無く、トンネルの暗闇から明るい野原に放り出されて呆然とする、無我の境地になれるような舞台を見てみたいです。よくわかりませんが。
終演後に、シャボン玉石けんをおみやげにいただきました。
嬉しい!