シェア
瀬戸 夏樹
2017年6月25日 08:01
前回、第81話「リン、家屋を破壊する」各話リスト「リン。これなに?」 テオがこめかみにに青筋を立てながら、請求書をヒラヒラさせて言った。 凱旋式の時の空き家購入代の請求書だった。 リンは会社の金を勝手に使ったのがテオにバレて、事務所で正座させられていた。「空き家の購入費しめて1000万レギカ。会社宛で君のサインがある。凄いねー君。いつの間にこんな金持ちになったの?」「い
2017年6月18日 08:01
前回、第80話「ウィンガルドの貴公子」各話リスト 凱旋式当日、ヘルドの言う通り、アルフルドの街は人混みでごった返した。 この日は魔導師の階級のいかんにかかわらず闘技場とパレードが通るであろう道々の軒先に魔導師達が殺到した。 赤や水色、紫や黄色のローブでアルフルドの道路はカラフルに彩られる。 おかげで交通機関はすっかり麻痺して付近は人っ子一人通れない有様だった。 ラディアット
2017年6月11日 08:01
前回、第79話「新学期」各話リスト 青く染まった空間。 目の前を人魚が通り過ぎて微笑んでくる。 リンとユヴェンはイリーウィアの王室茶会に参加していた。 王室茶会のうちでは今年度初めてウィンガルド人以外の者も参加できるパーティーで、ウィンガルドの編入生達を塔内にいる外国の実力者達に紹介するのがその目的だった。 この日は深海をイメージした装飾が部屋に施されていた。 部屋の中
2017年6月4日 07:27
前回、第78話「三大国の編入生」各話リスト 新学期が始まった。 リンは加速魔法の授業を受けるため、演習場に来ていた。 チラリと集まっている生徒たちの顔ぶれを見る。 初等クラスから進級した顔なじみの者もいれば、見ない顔の生徒もいる。 その中にはスピルナやウィンガルド、ラドスからの編入生達もいた。 彼らは新しく学院に来た生徒達特有の場慣れしない雰囲気を備えていたため、誰の目