【短歌連作】樹々を光らす
十二月はそういう時期で歌手の死や俳優の死をふたたび知らす
電流が樹々を光らす道にいて男女二人であれという呪い
暖冬はすぐ終わったし望まないことも次々叶ってくれる
僕たちを見たことのない誰だかが水を売り買いしてよいと言う
大切にされるのはいつも多数派で少し離れて眺める聖樹
大切にされない側で生きていく歩いても歩いても樹々が光る
乱反射せよ人々、石畳の坂で雨のしずくが白熱している
だとしてもわかりあえない僕たちがひとしく待たされる信号機
(2018年12月)
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