【3話】トキシックワーカーは存在した,同調圧力が生んだ悲劇を乗り越えた話
*この作品は2年間知人から相談を受けていた内容を本人了承の上
多少の脚色をし作成したものです
この作品はフィクションであり
実在の人物や団体とは一切関係ありませんのでご了承ください
〜今の店舗に配属される少し前の話〜
私は三国志にすごく夢中になっていた
店舗部門運営と国をおさめることは大なり小なり似ていると感じてていたからだ
さらに店長が劉備ならば
部門をまとめる私は諸葛亮孔明かなと
なぞられることもしばしばあった
それが曹操孟徳や、孫権、周瑜でなかったのは
私自身の価値観の部分であったと思う。
年代的にも勤続年的にも
安定的な店舗よりは不安定な店舗や問題点のある店舗
ダメな店舗をクリーニングして戦う力を蓄える役割を担う配属が増えた。
そんな時に、私はある選択を強いられた。
それは内輪揉めが起きたときに忖度をするか否か
2人の人物AとBを紹介しよう
A:ものすごく優秀だけれども他人と協調もなく
自分が1番だと思い込んでいる。
手段は選ばない。
彼がいると職場環境がピリピリとした感じになる
上司である私にはある程度媚びへつらうので私自身は迷惑ではないし、信頼もできる
しかしながら私以外が皆疲弊しているのが伺える
B:能力は人並みかそれ以下だけども、協調性は強く、職場の空気はピリピリしない
私は目を掛けなければいけないが
人間関係では上手くやっていけそう。
正直Aなら私の代わりを託すことができるが
人間関係のトラブルが多すぎる
Bだと休み明けがとても大変なことになっているが困るのは私のみで、人間関係のトラブルは特にない感じであった
どちらも一長一短があるが
当時の私はAを重宝していた
Aの鼻はどんどん高くなり傲慢な態度を取るようになっていった
Aが中心で独裁的な環境が構築されるようになった
パートも皆が彼に気を使うようになった
ミスをしないように萎縮し
作り笑顔が増えて
雑談は減ったが
それでもミスは起きるし
作業効率が悪いこともしばしばあった
Aの行動に誰も意見が言えなくなるような環境ができた
営業成績のためにサービス残業が強要されたり
本来取るはずの休憩をきちんととれず
早めに帰ってくるのが当たり前という環境が
構築されていった
このとき私は学校のクラスや部活の支配や上下関係がフラッシュバックしたように思えた
閉鎖された環境の中でのヒエラルキーは
部外者からの視線では、なぜ?行動にうつさないのか?なぜ声をあげないのか?
と思うことが多いのだけれども
環境の中では恐怖と目をつけられたくないという麻痺した感覚がヒエラルキーをより強固なものとしていく
そしてその環境を作り上げることに対してなにもできなかった自分に無力さを感じることと
営業成績もそこまで落ちていないので、
誰かがその環境を無理に変える必要もないと
どんどん拍車がかかるようにエスカレートしていった