見出し画像

お守りみたいな本に出逢った


私は社会福祉士として、福祉の現場で働いている。

今日は、たくさんの人に読んでほしいと思った福祉の本のこと、思っていることを書こうと思う。

「15歳からの社会保障」

上記が本のタイトル。
社会福祉士で、NPO法人「Social Change Agency」代表理事を務めている横山北斗さんという方が書かれたらしい。

今の日本の社会保障制度について、時代背景を踏まえつつ紹介されている。
紹介の仕方はストーリー調。児童福祉や介護福祉、障害福祉、出産育児やDVなど、盛り沢山の内容で、さまざまな登場人物が出てくる。それぞれが悩みや問題を抱えており、福祉関係者や家族・友人などの支援のもと、自身の問題に向き合っていく。その中で重要となるのが社会保障制度。これをうまく活用しつつ、生活を立て直していく。

まず、物語になっているので頭に入ってきやすいし、短編なので読みやすい。話の中で出てきた制度の概要が表などでまとめられているのもありがたい。子どもから大人まで使えると思う。

そして、それぞれの主人公を支える人たちが皆あたたかく優しくて泣ける。
現実社会もみーんなこうだったらいいのに。
たくさんの子どもたちがこういう本を読んで、そういうマインドが当たり前になることを願う。
思いやりと想像力、大切。

知れて、不安が軽減されて、あたたかな気持ちになれる。
そんな本でした。おすすめ。

社会保障制度、どこで知る?

社会保障制度は申請主義が基本となっているため、利用したいと思っている本人自らが申し出をしないと事が進まない。となると、自分でその情報を知っておかなければならない。

でも…でもなんです。
これまでの人生の中で、社会保障制度を教えてもらう機会、あったっけ?

私は福祉系の大学に行ったから、そこでさまざまな社会保障制度が存在することを知ったけれど、そうでなければ果たして…?

少なくとも、義務教育中にそのようなことを教えてもらった記憶はない。私が義務教育を受けていた頃から時代は進み、多少は学ぶ機会が取り入れられているのかな?とも思ったけれど、この本によるといまだに乏しいらしい。

知っていないと使えないのに、知る機会がない。悲しいことだと思う。
生きづらさを抱える人が絶えず、そしてそのまま生きていくことになるかもしれないなんて。

不安だった子ども時代

一人っ子の私。高齢出産で生まれた子どもだった。小さな頃から「もしお父さんやお母さんが突然いなくなってしまったら自分はどうなるのだろう」ということをよく考え、不安になっていた。
その時に、助けがたくさんあるということを少しでも知っていたら不安は軽くなっていたかもしれない。

そして私自身子どもを産み、親となってからは、子どもたちに権利や制度を適切に伝えていくことの重要性や必要性を今まで以上に感じるようになった。


目の前のクライアントの支援でいっぱいいっぱいになりがちだけど、本当はもっと広い範囲に働きかけていくことができればいいんだろうなぁ。

人知れず悩んでいる人も多いだろうから、そういう人たちにも届くといい。

できることを考えたい

生きづらさは人それぞれ。周りから見れば順調に見える人も、本人からすれば生きづらさだらけかもしれない。今までの型には当てはまらない生きづらさだってきっと存在している。
学生時代に論文でも取り上げたくらい、私の中のテーマ。
この本を読んで、今日は久しぶりに色々考えた。

微々たることでもできることを考えよう。

仕事とは関係なく、興味のあったデザイン分野ついて勉強中だけど、何か生かせるかな。
漠然としすぎているけれど、デザイン×福祉 で何か発信できるくらいの力も身につけたいなと思う今日この頃。

ひとまず、よき本との出会いに感謝。
持っているだけで心が少し安心できるような、お守りみたいな本でした。

いいなと思ったら応援しよう!