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カンボジアで教えるということ

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カンボジアでの美術教育やデザイナーを育てる仕事で得た知見を元にした教育論(?)
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#クリエイティブ思考

観察脳の鍛え方。 [ おまけ ] - 鉛筆デッサン3

観察脳の鍛え方。 [ おまけ ] - 鉛筆デッサン3

鉛筆デッサン - 水の入ったプラスチックコップ本編の16回はどのクラスでも行える最低限の内容であるため、実は16回以上あるクラスもある。そんなときに行ってたのがコップのデッサン。

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目的

今までは自然物だけをデッサンしてきたが、コップというシンプルな工業製品を観察することで、コップという道具にこめられた作者の意図を理解する。

透明の

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 観察脳の鍛え方。 [ 16 ] - デザイン演習3

観察脳の鍛え方。 [ 16 ] - デザイン演習3

デザイン演習 - グラフィカルマインドマップタームの最後は今まで学習したきたことの総仕上げとして、グラフィカルマインドマップの作成を行う。テーマは「My favorite」。

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目的

いままで学んできたことを応用の仕方を学ぶ

自分の思考を整理しつつグラフィカルに表現することで、自分らしいデザインを発見する

マインドマップについて

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 観察脳の鍛え方。 [ 15 ] - コラージュ

観察脳の鍛え方。 [ 15 ] - コラージュ

コラージュ - 自画像大きい課題は前回で終わりなので、今回はデザイン・アートのメジャーな手法の一つであるコラージュに挑戦する。題材は今までの学びを応用しやすいということで「自画像」にした。

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目的

デザインに有効な手法の中でも一般的なコラージュの制作を体験する。

今まで学んできたことを応用しつつ、新しい表現と組み合わせる練習をする。

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観察脳の鍛え方。 [ 14 ] - 平面構成2

観察脳の鍛え方。 [ 14 ] - 平面構成2

平面構成 - 実制作前回作成した構成案をもとに実制作をする。

必要なもの
・画用紙(B4程度)
・水彩絵の具(赤・青・黄・白の4色)
・前回作成した構成案

目的

・構成案をもとに再構成する応用力を身につける
・形容詞のデザインを行うことで、自分なりの感覚や色の表現を身につける

前回の構成案

クラスによっては時間的な余裕がなく、案を一つしか考えることがでなかったりもするが、その分丁寧に指導

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 観察脳の鍛え方。 [ 13 ] - 平面構成1

観察脳の鍛え方。 [ 13 ] - 平面構成1

平面構成 - 構成案の作成複数回に分けてポスターカラーによる平面構成の基礎を学ぶ。

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目的

・実際のデザインのプロセスを通じて、創造的なイメージには小さなアイデアの組み合わせで成り立っていることを体験する。

平面構成に先立ってVTS

今回の課題は初見ではどのようなことをするのかイメージしずらいため、あらかじめVTS(対話型芸術鑑賞

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観察脳の鍛え方。 [ 12 ] - 着彩デッサン2

観察脳の鍛え方。 [ 12 ] - 着彩デッサン2

着彩デッサン - ココナッツ今まで習ったことをフルに応用して、ココナッツの着彩デッサンを体験する。

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目的

・今まで習ってきたことを応用する練習。
・よく観察してオブジェクトの特徴を知り、3原色を使用してオブジェクト固有の色を作ってみる。

まずはココナッツの基本形を考える

最初によく観察して、以前のように基本構造を調べる。

そう

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 観察脳の鍛え方。 [ 11 ] - デザイン演習2

観察脳の鍛え方。 [ 11 ] - デザイン演習2

デザイン演習 - 手のデッサンをもとに迷路をデザインする前回行ったデッサンをもとに迷路をデザインする。昨今では迷路を作るのはコンピュータでも簡単にできるが、物の形の特徴を捉えた感覚的なデザインはまだ人間にしかできない。また、生徒によってどこを特徴と捉えるかで個性も出てくる。

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目的

・前回のデッサンを通して観察で得られた情報を、適切な

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 観察脳の鍛え方。 [ 10 ] - デザイン演習1

観察脳の鍛え方。 [ 10 ] - デザイン演習1

デザイン演習 - 自分の手の鉛筆デッサンデザインの練習として手の迷路を作る課題に先立ち、手をよく観察する目的で鉛筆デッサンを行う。

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目的

・デザインをする前にまずは良く観察して対象の特性を知る。
・鉛筆デッサンを通して観察したことの表現の仕方を学ぶ。

手のポーズを決める

手のポーズを決める際に、以前説明した3Dに関する説明を再度

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観察脳の鍛え方。 [ 9 ]  - 形の構造理解2

観察脳の鍛え方。 [ 9 ] - 形の構造理解2

形の構造理解 - 人物のクロッキーデッサンクラスでかわりばんこに一人ずつモデルをやり、他の生徒はそれをクレヨンを使って描く。

目的・短時間で描く訓練をすることで、細かいディテールに惑わされずに大きな形をみる訓練する。

始める前の肩慣らし

いきなり人物そのものをクロッキーしようとしても経験がない生徒たちには無理なので、ちょっとした肩慣らしを行う。

7頭身モデル

最初に紙に7頭身の棒人間モデ

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 観察脳の鍛え方。 [ 4 ]  - 形の構造理解1

観察脳の鍛え方。 [ 4 ] - 形の構造理解1

形の構造理解 - 果物や野菜のデフォルメオブジェクトを3DCGのローポリゴン表示のように単純化(ローポリゴン化)してみる。

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目的

・現実のオブジェクトを単純化するために、オブジェクトのもつ特性をどのように発見するかを考える。
・観察により得た多くの情報を、取捨選択することによって特性を絞り込むことを体験する。

作業に関して

最初

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観察脳の鍛え方。 [ はじめに ]  - 10/8 update

観察脳の鍛え方。 [ はじめに ] - 10/8 update

私が以前、カンボジアでアートを教えていたこと、試行錯誤してきたことはこれまでにもずいぶん書いてきたが、実際にどのようなカリキュラムであったかを具体例を挙げて紹介するシリーズを書いていこうと思う。

このカリキュラムは、単なる情操教育としての美術教育というだけではなく、思考の基礎的な力である観察力の向上を目的としている。

昨今はアート思考やデザイン思考、クリティカル思考などの思考法が数多くあるが、

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