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【お客様は神様論】 ~そもそも神様って??~
オーストラリアに移住してきて、13年目。日本人美容師夫妻と8歳、6歳、1歳の3人の男の子を持つママこと、モンブランです。
今日もメルボルンは肌寒い。
ホームスクールもあと3日。頑張ろう!!
メルボルンの美容室は、すべて閉まっています。お店を開けてはいけません。そのせいでメルボルンの流行の髪型は、ボサボサヘアー&伸びっぱなしヘアーです。
しかし昨日、私は髪を切った。
プライベートお風呂場サロン。
もちろん旦那が美容師。お客さんは私と長男たっつーと次男スネ夫の3人。
私はお金を払っていないのでお客さんじゃない??
【お客様は神様】その教えは本当に正しいのか?
私が美容師だった頃、先輩に言われた覚えがあるような…
確かにお客さんが来なかったらビジネスが成立しない。だれもお客さんがいないと、仕事がない。
そう考えればお客さんは神様かもしれない。
しかし、もし、ビジネスが成立していたら、それは、需要と供給があっている証拠だと私は思う。
東京の一等地になくても、お店が狭くても、有名じゃなくても、安くなくても、お客さんが来てくれる。そのお客さんは、きっと自分は神様だとは思っていない。
「いつも髪を切ってくれてありがとう。」って言ってくれるお客さんには、こちらこそ、「いつも来ていただいてありがとうございます。」そして、そのお客さんをいつまでも大事にしたいし、値段以上のサービスをしてあげたい。
過去にフランスに行ったことがある。
フランス語しゃべれないけど、スーパーに入った。とりあえず、マカロンを買うためにレジに並んだ。
私は、3~4番目だった。
レジのおば様は、目の前のお客さんと長々と話をしていて、バーコードをスキャンするのもめちゃくちゃ遅かった。
そのお客さんが終わって、私の前に並んでいた人の順番になった。すると、またレジのおば様と話をしている。フランス語なので、何を言っているのかわからないが、私はただ、遅いなーと自分の順番が来るのを待っていた。
私の番になった。私はマカロンだけだったが、レジのおば様は私にもボンジョールと話しかけてきた。私はボンジョールと返した。それ以上話は進まなかったが、私が終わった後、そのおば様はお客さんを待たせて、水分補給をしていた。
その時、私は、フランスはなんてすごい国なんだろうと思った。
これで仕事が成り立つ。きっと日本だったら、舌打ちが聞こえてきそうな気配なのに…
お客さん(私)が買い物できるのは、レジで働いてくれている人がいるから。逆もまた、お客さんが買い物をしてくれるから、(私)はこの仕事でお金を稼ぐことができる。という上下関係のない世界がそこに存在していた。
お金を払ってくれるお客様は神様論がここにはなかった。
当時18歳の私はこの文化に衝撃を受けた。
そして、外国に行ってみたいと本気で思ったのは、これがきっかけかもしれない。
日本のレジ打ちをしている人は笑顔で礼儀正しくて、仕事が早い。
すごい。プロフェショナル!
もしフランスで同じことをすると、めちゃめちゃ出世しそう。
しかし、日本で接客業(夜の接客業は除く)につきたい人はどれほどいるのか?
子どもの憧れの仕事1位はユーチューバー。
接客業なんて誰が好んで「やりたい!!」と目をキラキラさせていうのだろうか?
それはなぜだろう?
給料が低いから?誰でもなれるから?ストレスがたまるから?嫌なお客さんの対応しないといけないから?言われない言葉をあびさせられるから?
残念ながら、すべてだ。
しかし、私は接客業の良いところもたくさん知っている。
そして、最近は少しづつ改善されつつあるのも現実。少しづつだが、接客業が働きやすくなってきているように思う。(コロナショックでまた変わってしまったが… )
オーストラリアもどちらかと言うと、フランス寄りだと思う。
お客さんはお金を払っているから、偉そうな態度にはならない。むしろ、あなたが働いてくれるから、私はサービスを受けることができている。という風にお金を払ってくれる。中には偉そうな態度の人もいるし、クレームをいうお客さんもいるが、数は少ない。もしそのお店が嫌なら、他の店に行く。ただそれだけのこと。
そして、店側にもお客さんを選ぶ権利はある。
働き出して間もない頃は、お客様が全てあり、お客様のいうことは全て正しい。そして、お客様は神様だと思っていたが、もうそろそろ、卒業しても良い頃だと思う。
スタイリストになりたての頃はお客さんがなかなか自分につかなくて、落ち込んだこともあるし、自分を犠牲にしてもお客さんに尽くす、それが私が習った接客業だった。もし、今何かを始めた初心者なら、お客様は神様論の信者でも大丈夫だろう。実際何かを始めたばかりの人はお客さんがいないのだから、必死になってお客さんを集めて、大事にしなければならない。
しかし、もし、この記事を読んでいる人が初心者でなければ、お客様は神様ではない人間だ。人間なのだから、奉らなくてもあがめなくても大丈夫。自分のスキルと経験を武器にあなたの仕事をすればいい。決して傲慢になれとは言っていない、謙虚さも感謝の気持ちも忘れてはならない。
もし、それでお客さんが来なくなったら?
転職をしよう。神様のようにお客様に接しなければならない仕事はかなり精神を削っていると思う。傲慢にならずに、謙虚と感謝の心を持っていてもお客さんが来ないのなら、次に進もう。
社会は、国はなかなか変わらない。
でも、まず、自分が神様にならないこと。
何かを買うとき、サービスを受けるとき、神様と人ではなく、人と人として向き合う。お客の立場だとしてもそこで働いてくれている人に感謝をする。
お客さんも店員さんもみんな同じ人。ただ、お金を払う人か、受け取る人。
そうすれば、全然変わらない社会もゆっくりと変わっていく気がします。
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