梅か桜か
ちょっと季節外れですが、今回は公任さんがやってた論争第二弾。※前は推し論争についての記事を書きました。
古今著聞集の逸話です。そして、いらすとやさん祭りです。
というわけで、春と秋の花って言ったら〜? という議論のハズが、梅vs桜という論争になってしまったお話。シンプルながら公任さんらしさが出ています。
公任さんは春の花といえば「梅」だそうです。
公任さんは頼通よりは30歳くらい年上ですが、上司の息子ですからね。強く「違う!」とは言えなかったようです。一応身分を弁える公任さん。
でもタダでは終わらずに、「ま、やっぱ春の曙に紅梅ってのは捨て難いですけどね!」と言っちゃうところが公任さんの公任さんらしさですよね。
(余談ですが、最後のコマの表情に結構悩みました。悔しそうな顔にするか迷いましたが、ドヤってて欲しかったので今の感じに。頼通は今後登場するかわかりませんが、スッキリした顔にしておきました笑)
ちなみに『江記』というのは大江匡衡の子孫、大江匡房が書いた日記のことで、和歌関係の記述も多いので古典にもよく引用されたりしてます。「立派だった」というのは、「身分差に負けずに意見を貫き通したんだね! さすが俺たちの四条大納言!」みたいな意味合いかと思われます。
春に桜を愛でる習慣というのは、嵯峨天皇が始めたとのことなので、平安時代的には新しめの風習なんですね。歴史的には梅を愛でる習慣の方が長かったわけです。
とはいえ、もちろん公任さんは別に桜が嫌いだったわけではなく、むしろお家は桜の名所でした。この話もまた後日書こうかなと思っているので今回詳細は割愛しますが、
「みんな私に会いにじゃなくて、私の家の桜を見にウチに来てんでしょ〜?」
というちょっと拗ねてる風の和歌を詠んでたりするのが可愛いです。
というわけで、今年最後の「公任さん」でした。
紹介するお話にはもう一つ候補があったのですが、漫画の方がうまくまとまらなかったので、年明けに描けたら良いなーと思っております。
来年もまたよろしくお願いいたします。