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【古事記】神生み ~ヒノカグツチ編~

ここまで、イザナギと共に国を生み、神を生み、順調だったのに、突然の瀕死状態になるイザナミ。
はたして、イザナミはどうなるのか!!?

前回のあらすじ

・水の神、山の神、土の神、風の神などが生まれた
・イザナギとイザナミの孫が生まれた
・火の神 ヒノカグツチが生まれた
・イザナミが大火傷を負い瀕死状態となる

前回のあらすじの詳細はコチラ。


火の神様 火之迦具土神ひのかぐつちのかみ(ヒノカグツチ) を生んだ時にイザナミは大火傷を負いました。
イザナミは、あまりの痛みや苦しみにより、嘔吐し糞尿を垂れ流します。
この吐いたものやオシッコなどから6柱の神が生まれました。

  • 金山毘古神かなやまひこのかみ(鉱山の神)

  • 金山毘売神かなやまひめのかみ(鉱山の神)

  • 波邇夜須毘古神はにやすひこのかみ(土の神)

  • 波邇夜須毘売神はにやすひめのかみ(土の神)

  • 弥都波能売神みずはのめのかみ(水の神)

  • 和久産巣日神わくむすびのかみ(生成の神)

 # 日本の神は、どこからでも生まれてくる
 # 古事記の取扱説明書で説明したとおり

生成の神である和久産巣日神わくむすびのかみ は、
後に豊宇気毘売神とようけびめのかみを生みます。
 # 豊宇気毘売神とようけびめのかみは、天照大御神あまてらすおおみかみの食事を司る神として、伊勢神宮の外宮げくう祭られてる重要な神様

豊宇気毘売神とようけびめのかみ


しかし、イザナギの懸命な看病もむなしく、イザナミは亡くなってしまいます。
イザナギは、
「愛しい妻の命を1人の子のために失わなければならないとは………」と、
とても悲しみ、イザナミの枕もとで腹ばいになって泣き続けました。


すると、その涙から香山かぐやま畝尾うねお木本このもとに 泣沢女神なきさわめのかみ の神が生まれました。
 # 香山の畝尾の木本:奈良県橿原市木之本町の香具山

イザナギは悲しみに暮れながら、イザナミの亡骸を出雲国いずもくに(島根県)と伯伎国ははきのくに(鳥取県) の間にある 比婆山ひばやま に葬りました。

比婆山


しかし、イザナギは、イザナミの死の悲しみが、まったく癒えません。
それだけではなく、いつしかイザナミの死因となった、ヒノカグツチに対する怒りがドンドン大きくなっていきます。


……そして、イザナギはヒノカグツチに対する怒りに耐えられず、腰に付けていた 十拳剣とつかのつるぎ でヒノカグツチの首を斬り、殺しました。
 # 子ども殺しでもあり、神殺しでもある
 # 十拳剣:拳10個分の長さの剣


ヒノカグツチの首からは、物凄い勢いで血が吹き出します。
ヒノカグツチを斬った十拳剣からは、ヒノカグツチの血が滴り落ちます。

その血から8柱の神が生まれます。

  • 石拆神いわさくのかみ

  • 根拆神ねさくのかみ

  • 石筒之男神いわつつのおのかみ

  • 甕速日神みかはやひのかみ

  • 樋速日神ひはやひのかみ

  • 建御雷之男神たけみかづちのおのかみ 別名:建布都神たけふつのかみ 又は 豊布都神とよふつのかみ

  • 闇淤加美神くらおかみのかみ

  • 闇御津羽神くらみつはのかみ



さらに、首をねられたヒノカグツチの身体からも8柱の神が生まれました。

  • 正鹿山津見神まさかやまつみのかみ

  • 淤縢山津見神おどやまつみのかみ

  • 奥山津見神おくやまつみのかみ

  • 闇山津見神くらやまつみのかみ

  • 志芸山津見神しぎやまつみのかみ

  • 羽山津見神はやまつみのかみ

  • 原山津見神はらやまつみのかみ

  • 戸山津見神とやまつみのかみ

ちなみに、ヒノカグツチの首を刎ねた十拳剣とつかのつるぎには、特別な名前 天之尾羽張あめのおはばりが名付けられ、別名 伊都之尾羽張いつのおはばとも言います。



たくさんの神々が生まれてお祝いムードの中、イザナミが亡くなり、ヒノカグツチも殺されました……

神生みの後半は悲しいことが多かったですが、イザナミは瀕死の状態でも色んな神々を生みました。
イザナミが瀕死状態で生まれた神は、鉱山の神、土の神、水の神、生成の神です。

勘のいい人は気付いたかもしれません。


この時、生まれた神は、全て「鉄を作るときに必要なもの」です。
イザナミは、瀕死の状態でも国をつくるために、最後の最後まで神を生んでくれたんですね。

もちろん、ヒノカグツチの血や身体から生まれた神も「鉄」に関わる神ですが、それはまた別の機会に紹介します。


次回は、死んだイザナミを復活させようとイザナギが奮闘する「黄泉の国」です。
お楽しみに!


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