映画にもなった”星の子”の感想
映画にもなった”星の子”を何気なく、本屋でとって読んでみた。
巷でカルトや宗教の話が日本では珍しく報じられており、身近になかった宗教をより近いものとして考えるきっかけになればと思い、読み進めた。
読後の感想は率直に言うと、「ふーん」って感じで、カルトに浸る親を持つ子どもの気持ちに思いをはせた。これまで読んだ本とは違って、「自分なら・・」みたいな思慮に耽るには至らず、読者としての浅はかさを痛感した。おそらく本自体が簡潔で、短編であったこともあるかもしれないが。
あらすじはこんな感じ。
カルト教に傾倒する両親を持つ主人公のちーちゃんが、自らの信念と家族との葛藤を描いた物語。物語は、ちーちゃんが幼少期から青春期にかけて成長していく中で、家族や信仰について考えるようになる。彼女は、家族との関係や、信仰を通じて得られるものと失われるものについて、様々な経験を通じ成長していく。物語は、感情的な描写と緻密なキャラクター描写によって、読者に感銘を与える。『星の子』は、家族と信仰についての関係性を通じて、心の内面に向き合うことの重要性を伝える、思慮深い作品。
関係ない話だが、こと宗教に関して非常に印象に残った話は、ユヴァル・ノア・ハラリ先生の”ホモ・サピエンス”での話である。我々現生人類が生き残ってきたのは一重にも”想像力”という類まれなるスキルである点。空想の理想郷や怪物、未来について思いはせるといったことからこれをしたらこうなるみたいな日常的な考えさえ、すべて想像の産物である。これこそが、われわれ人間が唯一生き延びてこられたユニークさであり、我々を我々たらしめる点であると思った。
考えてみれば、見たこともないキリストを神としてすがり、精神的支えにしているのは改めて感慨深い。宗教とは人間の原点ともいえるのかもしれない。
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