やさしく左拳をおさえられる

たまたま引っ越した地域にそういった先生が多かったのか、80歳を越えた先生と稽古をさせてもらうことがここ最近増えてきた。

30代を越えて2倍以上歳の離れた方と稽古をすることは、フィジカル面で心配なことも多く、正直相手を気遣う時もある。
そんな時は皆様もないだろうか?

うちの先生方は、学生時代は剣道エリート大学出身であったようだが、どんなけ過去にすごい選手でも80歳を越えたら皆同じ方向に向かっていっている気もする。

自分で面をつけられなかったり、連続で稽古ができない中、どうして剣道をしているのかと疑問に思うこともよくあった。
でも、この前の稽古の時に大切なことを体感した気がする。

「優しく左拳を剣先で押さえられた」

もう少し詳細をお話しすると、稽古最後に一本勝負を指示された状況下、私は先生の攻めに攻め返しの練習を意識して足を使って勝負に挑んでいた。
その時は今までになく何も澱みもなく先生の動きの居着くところを面(技)を出せたと感覚がある。
正直、先生もそう感じていたと僕は思っている。
しかし、結果は本当に澱みのない(合気になっている)ところで寸分狂わずに、優しく左拳を先生の剣先で数ミリなのか数センチなのか気持ちよく打突できる位置(完璧な位置)に導かれた。
ほんまに一瞬の出来事であるし、気づかない可能性もあった。

その時に、私はいろいろと考えさせられた。
・表層で人を判断して自分の稽古機会を失っている
・合気の面白さ
・さまざまな導き方

いろいろとあるが、要は自分の知り得ることや、出来ることはまだまだ浅はかで小さなものであるし、もっと貪欲になってもいいと思った。

特に、合気を持って稽古をすればただフィジカルやスピードだけで剣道をせずに済み、80歳以上の先生とでも本気で稽古し合える。

逆に、そうやって人を導くこともできるように私も稽古に励んでまいりたい。

悩まされることばかり頂けることに感謝したい。

未来を夢みて

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