トゥルトー・フロマージェ
本日は山羊乳のフレッシュチーズを使って作る、表面が真っ黒焦げで見た目にインパクトのあるスフレチーズケーキ
トゥルトー・フロマージェと言う名前のフランス地方菓子を紹介します。
発祥は山羊のチーズで有名なフランス西部のシャラント県。
山羊のチーズの独特の香りをほのかに感じるしっとりとした口当たりと甘さも控えめで見た目に反して優しい味わいです。
このお菓子のもう一つの特徴はトゥルティエールという円盤型の焼き型を使用して焼き上げていることです。
トゥルティエールは私の住まいのある町から一番近い大きな街のラ・ロシェルという港町にあるブティックで見つけることができましたが、いくつかある調理道具を扱う専門店でも1件しかこのトゥルティエールを扱っているお店はありませんでした。
地方の限られた地域でしか作っていないお菓子なので、それに使う道具も珍しい道具です。しかしこのお菓子フランス国内の大型スーパーに行けば、実は容易に購入可能なお菓子です。よく売れているかは別として。
またトゥルトー・フロマージェの誕生はタルト・タタンと同様に、とある女性料理人の失敗から生まれたお菓子と言われています。
彼女は山羊の乳を使ったチーズのタルトをいつも通りに準備したのですが、オーブンに入れた事をすっかり忘れてしまい、タルトを取り出した時には、しっかりと膨らんだが真っ黒焦げ。
失敗したと思い、このタルトを隣人にあげところ、切ってみたら中はしっとりふんわり、風味も良くて素晴らしいお菓子・・・っというのがこのトゥルトー・フロマジェの起源だということです。
名前の由来は大西洋に面するポワトゥー・シャラント地方で獲れる西洋イチョウガニ、【トゥルトー】の甲羅の形に似ていることからという説。
もう一つはこの地方の方言でお菓子を指す言葉の【トゥルトー】から由来するとのことです。
焦げた表面の部分は食べても気にならずに一緒に食べられますが、取り除いて食べることもあります。コンフィチュールと一緒に食べるのが一般的です。
今回動画内では同じ地方で造られているコニャックを加えて伝統的なレシピを再現しています。
他にも同地方で造られているピノ・デ・シャラント(ブドウ果汁にコニャックをブレンドして熟成させた甘い味のワインのようなもの)を加えて作るレシピもあります。
山羊乳のフレッシュチーズの代わりに牛乳のフレッシュチーズを使用して作っているトゥルトーフロマージュは、山羊乳チーズの香りや味が苦手な方向け。
本式のレシピがそもそも甘さ控えめのレシピなので、山羊乳のフレッシュチーズの風味がないのレシピでは物足りなさは否めません。
レシピを理解して味わうことは、地域の特色や人々の暮らしに興味を持つきっかけになると信じています。そしてその根本にある物語に触れると、きっと新しい発見や生きぬくためのヒントに気づくことだってあるのかもしれません。
【材料と分量】(16cmのトゥルティエール2台分)
パートブリゼ(卵を入れないレシピです)
薄力粉 100g
バター 50g
水 25g
塩 2g
【アパレイユ】
山羊乳のフレッシュチーズ 125g
砂糖 45g
卵黄 3個分
小麦粉 30g
コーンスターチ 10g
牛乳 25g
コニャック(入れなくても可) 5g
【メレンゲ】
卵白 3個分
砂糖 45g
動画内では250度のオーブンで20分間焼き、そのまま180度にオーブンの扉を開けずに温度を下げながら20分間焼きました。
調理工程はYoutube動画内で紹介しております。
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Chef ichi