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アパレル業界のメールマーケティングトレンド2024①:デザイン編

こんにちは、Cheetah DigitalでCreative Consultantを務めている臼井です。

日々進化・変化しているマーケティングの世界で、メールマーケティングメールにも様々なトレンドがあります。また、業界ごとにメールのデザインや施策、コンテンツ内容には様々な特徴が現れます。

弊社はアパレル業界の企業様とのお取引が多くあり、「他社ではどんな取り組みをしているの?」「最新事例を教えてほしい」といったご要望をいただくことも多々あります。

ご要望にお応えする形で独自の調査を行いましたので、私からは今回、アパレル業界にターゲットを絞った、メールクリエイティブのトレンドをお伝えしていきます。
全6回にわたって、デザイン・施策・コンテンツ・データ実績など様々な角度から傾向を分析しますので、ご興味のある方はぜひ最後までお付き合いください。

第一回ではメールマーケティングにおけるデザインの大きな潮流と、その中でアパレル業界ではどのような特徴が見られるかを事例を交えてご紹介します。


メールマーケティングの全体的なデザイントレンド

Appleメールの変化から見る、デザイントレンドの変遷

アパレル業界のトレンド紹介に入る前に、まずはメールマーケティングにおける全体的なデザイントレンドの顕著な例として、Appleの事例をご紹介します。

こちらはAppleから「父の日」のギフト訴求として配信されたメールです。
2013年から2024年まで、Web業界でのデザイントレンドが顕著に表れている例としてご紹介します。

Appleのメールの変化から見る、デザインのトレンド

端的にメッセージが伝わるミニマルなデザインへ、少しずつ変遷していっているのが見て取れます。
見比べてみると、この10年間でデバイスやアプリの技術の進歩もありながら、メールのデザイントレンドにもかなり変化があったことがわかりますね。

近年のデザインでは以下のような特徴が見受けられ、読みやすさと視覚的な魅力を高めています。

● すっきりとしたレイアウト、十分な余白、簡潔なメッセージ
● メインメッセージが目立っており、視線誘導される
● ボタンが大きくなり、クリックしやすくなっている
● ボタンカラーはグラデーションからベタ塗りに変わり、よりシンプルに
● フォントが大きく、見やすくなっている
● SNSライクなUIで直感的なデザイン

また、これらの工夫により、以下のような効果を感じられます。

● ユーザーの視認性・操作性を向上させ、ストレスなくメールを閲覧してもらう
● トレンドを掴んだデザインで、ブランドの専門性や洗練された雰囲気を伝える

なんとなく「すっきりとシンプルに見やすくなった」というのを細かく言語化すると、こうした工夫を見つけることができます。

もちろん各社・各ブランドの個性によって様々なデザインが存在しますが、
近年の全体的な傾向としては普段目にする様々なロゴデザイン・広告デザインなどの流行も同様の変遷をたどっているので、何となく思い当っていただけたのではないでしょうか。


アパレル業界のデザイントレンド

テンプレートはモノトーン、アイテム画像もシンプルに

全体的な傾向を踏まえ、アパレル業界のトレンドを見ていきましょう。

CHARLES&KEITH、YOOX、GUの事例

アパレル業界では商材の性質上、特に商品を引き立たせるためにテンプレートをモノトーンに揃える傾向が顕著です。
以下の特徴がよく見られます。

●背景色は主にホワイト
●ロゴ、見出し、フォント、ボタンなども極力色数を抑えている
●ヘッダーの情報量は少な目
●商品画像の背景も白が多い

モデル着用画などではなく、商品単体の画像を表示する際には、メールの背景と同化して見える白背景の画像を使用することで商品をよりすっきりと見せているケースも。

特に、上図中央のYOOXの事例では商品画像の背景とメールの背景が同じ色になっています。
まるでカタログかお店の棚かのように、商品である靴がブランドごとに整然と同じ向きで並んでおり、見やすくインパクトのある見た目になっています。
白い背景は画像との境目がシームレスに見えるため、すっきりと余白を広く見せる効果もあります。

「ZARA」の画像で構成されたメール事例

トレンドを表す特に顕著な事例として、ZARAのメールもご紹介します。

ZARAの事例

テキスト要素を削減し、シンプルを突き詰めた結果、ボタンもなく、ほぼ画像のみで構成されているメールが見受けられるようになりました。

「画像内にテキストがありリンクが貼られている」という意味ではバナーと言えますが、画像のインパクトとしてはポスターや雑誌広告のような見栄えになっていますね。
メールを開いて即座に商品を印象付けるには、洗練され作りこまれたビジュアルが効果的です。

若年層向けのブランドにおいては、特にこのような 画像をメインにしたメールが増加しています。画像の大きさも、スマホでの閲覧時の1スクロールを単位として想定されているのがわかります。
SNSになじみ深い世代には、より直感的なCTAが効果を発揮します。


まとめ

今回は導入として、具体的な事例を交えながら、メールマーケティングにおける全体的なトレンドとアパレル業界のトレンドをご紹介しました。

アパレル業界をピックアップしていますが、全体的な傾向も併せて見ていくことで、大勢としてイメージを掴んでいただけましたでしょうか。
もちろん、クリエイティブには自社ユーザーの特性やニーズを反映することが大切ですが、他社と比べて時代遅れに見えていないか?トレンドを掴んでいるように見えているか?は意識していきたいものですよね。
少しでもヒントになれば幸いです。

次回は施策について深掘りします。
アパレル業界における「業界ごとのメール施策の特徴」と題し、3つの業態(単独ブランド/マルチブランド/モール型EC)ごとに独自の分析を行いました。たくさんの事例と一緒にご紹介していきますのでお楽しみに。

弊社クリエイティブチームでは、日々ユーザーとして受け取っている様々な企業のメールを観察・分析しています。
内容についてもっと詳しく知りたい点や、ブログ化してほしい内容などがあれば、ぜひお問い合わせください。

【続編】アパレル業界のメールマーケティングトレンド2024②:メール施策編


Author

臼井雅遊(Mayu Usui)
Creative Consultant / CX Consulting Service
メールクリエイティブの制作ディレクションを主に担当しています。
デザインリニューアルや、施策に合わせたコンテンツのご提案、実績を分析しての施策改善など、ご要望に合わせてサポートいたします。


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