アパレル業界のメールマーケティングトレンド2024③:鉄板シナリオ編
こんにちは、Cheetah DigitalでCreative Consultantを務めている臼井です。
前回に引き続き、アパレル業界にターゲットを絞ったメールクリエイティブのトレンドをお伝えします。
今回のテーマは「アパレル業界の鉄板シナリオ」です。
BtoCのECシナリオメールには、効果が上がりやすく、多くの企業で実績のあるシナリオの種類がいくつかあります。「王道」や「定番」と言い換えてもいいかもしれません。
そうした普遍的に貢献が見込める「鉄板シナリオ」のラインナップを押さえられているか、がシナリオ設計の基本でもあります。
今回はアパレル業界における鉄板シナリオの主な種類を反応率と共に見ていきます。
アパレル業界の方も、そうでない方も、ぜひ自社のシナリオ施策と引き比べて見てください。
アパレル業界の鉄板シナリオ一覧(36種)
まずはアパレル業界の鉄板シナリオ36種を一覧化しました。
配信数や反応率の多さを★の数で表しています。
これ以外にも多くの施策がありますが、ベーシックなものを抜粋し、カテゴリごとにシナリオ例や特徴をご紹介します。
鉄板シナリオのカテゴリ
行動フォロー
顧客の行動に応じて配信されるメールです。顧客エンゲージメントの向上やリピート購入の促進が主な狙いになります。
起点となるのが顧客自身の行動のため、「身に覚えがある」状態で反応してもらいやすい施策群とも言えます。
例としてはカート放棄や購入後フォローなど、ECサイトのシナリオとして一般的なものが並びますが、アパレル業界の特徴としてはブランドやカテゴリーを横断した訴求を行う「クロスカテゴリー訴求」や、店舗での購入に対するフォローで配信する「店舗購入フォロー」等のOMO施策(※)が見られます。
※OMO:「Online Merges with Offline」の略。オンライン(EC)とオフライン(実店舗)の双方を持つブランドなどで顧客体験をシームレスにしていく手法として用いられる
日常接点
日常接点のためのシナリオメールは、顧客の行動や状況に応じて自動的に最適化され、パーソナライズされたコンテンツを適切なタイミングで配信します。
少ない工数で顧客との継続的な接点を維持し、顧客体験を向上させることができる、高効率なマーケティング手法とも言え、多くの企業が取り入れている代表的な施策が多く含まれます。
アパレル業界はシーズンごとにトレンドが入れ替わり、購入頻度も高いため、特に顧客の好みに合わせた内容をこまめに配信するケースが多く見られます。
ウエルカム
会員登録後のウエルカムメールは、ほとんどの企業が必ず取り入れているメールです。
最初の顧客接点として何を伝えるべきか、優先順位を定めてコンテンツを策定する必要があります。
アパレル業界では特に次回の購買を促すための初回購入クーポンや、会員特典の紹介を取り入れることがメジャーです。
顧客にとっては「第一印象を決めるメール」とも言える施策のため、ブランドの強みを強く押し出し、リッチなデザインを作りこむケースも見られます。
休眠顧客対策
休眠顧客掘り起しのための施策はバルクメールでも行うことが可能ですが、関心が離れている顧客に対しては大量に送られるバルクメールでは逆効果となることも。そうした場合はパーソナライズされたシナリオメールが効果を発揮します。
閲覧や購買の頻度が低下しそうな顧客、あるいは既に低下している顧客にはクーポンなどの金額メリットのある特典で振り向いてもらうのが定石。
アパレル業界では、すぐにクーポンを使用してもらえるように、キャンペーンや顧客属性や顧客行動に合ったアイテム訴求を掲載する例なども見られます。
クロスチャネル訴求
時には顧客に購買以外の何らかの行動を促したい場合もあります。
特に多いのはメール以外のSNSやアプリのチャネルを訴求するもの。
行動することのメリットを適切に伝え、よりシンプルな導線を設置することが鍵になります。
ECサイトを持つアパレルブランドでは多くがクロスチャネル化、OMO化を進めているため、メールをハブとして他のチャネルへの誘導を行うケースが多く見られます。
ポイント・ランク
ポイントシステムや会員ランク制度を持つ企業ではメジャーな施策です。
ランクアップのメリットや、ポイントの使用期限などを適切に訴求することで購買の促進を行うことができます。
アパレル業界では業態により特徴が異なりますが、単独ブランドではランク特典などロイヤルティ向上のための訴求を、ECモールではよりポイントの利用による金額的なメリットに重きを置く傾向が見られます。
ロイヤルティ向上
顧客のロイヤルティ向上のために送られるメールです。
バースデーやアニバーサリーなどのパーソナライズメールは定期接点ともなり、休眠抑止にも効果があります。
また、イベント需要やギフト需要にタイミングよく応えることは顧客からの信頼感を向上させます。
アパレル業界では「特別感」を醸成するため、ロイヤルティ向上のメールはよりクリエイティブを作りこみ、他社との差別化を意識しているケースが見られます。
まとめ
第3回の今回はシナリオメールを取り上げ、「鉄板」と呼ばれるシナリオ群の概要をご紹介しました。
前回ご紹介したようなバルク(一斉配信)メールと、パーソナライズされたシナリオメールとを組み合わせることで、より効果的なメールマーケティングを実践するヒントになれば幸いです。
次回は、より具体的なクリエイティブのトレンドと手法にフォーカスします。
施策やコンテンツももちろん重要ですが、それを如何に顧客に魅力的にわかりやすく伝えるか、メールの効果を発揮させる最後の仕上げとしてデザイン的なテクニックは重要になります。
すぐに取り入れられるヒントも得られるかと思いますので、次回もお楽しみに。
弊社クリエイティブチームでは、日々ユーザーとして受け取っている様々な企業のメールを観察・分析しています。
内容についてもっと詳しく知りたい点や、ブログ化してほしい内容などがあれば、ぜひお問い合わせください。
▼このシリーズの過去回はこちら
> アパレル業界のメールマーケティングトレンド2024①:デザイン編
> アパレル業界のメールマーケティングトレンド2024②:メール施策編
Author
臼井雅遊(Mayu Usui)
Creative Consultant / CX Consulting Service
メールクリエイティブの制作ディレクションを主に担当しています。
デザインリニューアルや、施策に合わせたコンテンツのご提案、実績を分析しての施策改善など、ご要望に合わせてサポートいたします。
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