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ひととしてさいてい

サルは社会を作った。そのサルはヒトと自称した。
社会こそがヒトなのならヒトとして一番してはいけないこととはなんなのか。
社会は約束と信用で成り立っている。
その関係で禁忌なのは「約束を守らないこと」だ。
しかし、生物としての人間には生存のための感情があるため、必ず約束が守られるとは限らない。

だから社会はシステムになった。すべては約束を守らせるために。
現代社会の息苦しさはすべてこのシステムによるものだと言っても過言ではない。
ヒトはシステムを作った。システムに感情は必要ない。
そしてここで問いがレベルアップする。システムが一番してはいけないことはなんなのだろうか。
それは「約束を守らせられないこと」になるだろう。
十分条件が必要条件になってしまった。
ヒトに約束を守らせる方法はたくさんある。
例えば、報酬。同調。負債。

ここで記事人の話になる。
彼は実家暮らしのフリーターだ。将来に不安はない。
彼は心の底から渇望するものがなく、満たされている。
彼は孤独戦士なので、他人を頻繁に摂取する必要がない。
だから、彼は最低なのだ。ヒトとして最低となる。
サルに、ヒトに、社会に、システムに。
いったい何が彼に約束を守らせられるのだろうか。
通信手段を持たない彼は余裕でバイトをバックレる。
システムが求めることをできない。
何の疑問も持たずに生きていたかった。


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