ギバーとテイカー 最後に勝利するのは与え続ける人だよ
よく成功した人たちの要因を集めて分析した本てあるよね。いわゆる成功論だよ。
有名なのはナポレオンヒルの「富の福音」と言うやつだけれども、最近面白い方を見つけたんだ。
「与える人」こそ、成功する時代と言うやつだよ。
アメリカのビジネススクールでとても人気のある人が書いているんだけれども、ビジネス書と言うよりは、どんなタイプの人間が成功するか、とてもよくできた成功論になっているよ。
日本ではあまり知られてないけれども、アメリカのアニメで「シンプソンズ」というのがあるんだけれども、この脚本家がアメリカではエンタメ業界で最高レベルの収入を得ているそうだよ。
それでこの人を調べたところ、徹底的に与えるタイプの人なんだよ。仲間が困っていると、自分のネタをどんどん提供したりして、とにかく人の喜ぶ姿を見るのが大好きだと言うことなんだね。
それで短期的にはこういう人たちは損をするそうだよ。ちょっとぼんやりしたところもあるし、がめつい人たちから取られたりして、初期の頃はなかなか収入が上がらないんだね。
この中にはベンチャーキャピタリストのこともたくさん書いてあるけれども、最終的に大きな成功するベンチャーキャピタリストと言うのは、おいしい投資の話を惜しげもなく、ライバルにシェアするところが共通してると書いてあるのには驚いたよ。
それで最終的にアメリカで1番与え続けた人は、アメリカ大統領のリンカン大統領だと言うふうに書いてあったね。
自分が当選する見込みがあるのに、仲間に辞退して仲間に譲ってあげると言うことが何度もあったそうだよ。
日本にも同じような成功論で、幸田露伴の「努力論」というのがあるよ。この中に植福と言う考え方があるんだよ。
それは自分の手に入った幸福を、遥か未来のために取っておいて、木を植えるように数十年先のために寄付すると言う発想なんだね。
そういう人が増えてくると、社会そのものがどんどん幸福に満ち溢れてると幸田露伴は言ってるよ。
例えば、川の堤防を強くするのにお金を寄付したりすれば、洪水も減るからね。そして、災害が少なくなると言う社会は、多くの人がこの植福と言うことをやっているんだと言っているよ。
植福と言うのは全く聞かないけれども、これはもともと仏教にある幸福論なんだね。
長い間年月を耐え抜いて、人に人から人へと伝えられてきた幸福論や、成功論は大切にしないといけないね。