【展覧会】РОССИЯ ロシアの刺繍地図
今回の記事は、写真たっぷり、文字数も3600字超えとなっています。お時間のある時にご覧ください。
11月4日から4月12日までモスクワのВДНХで開催中の展覧会『РОССИЯ』で、一番見たかったもの、それは、『ロシアの刺繍地図』でした。
この展覧会、無料で開催されています。
無料となると、喜んで出かけるロシア人たちと私。
11月4日の初日は19万人が来て、4日から6日までの3連休中は45万人も来場したという展覧会です。
11月16日には、100万人目が来場し、その人は、年末年始のボリショイ劇場の『くるみ割り人形』のチケットをプレゼントされたようです。
しかも、モスクワの人でなく、ペンザ(モスクワから642㎞離れたところ)から誕生日の旅行でモスクワで来ている人でした。ボリショイ劇場でバレエを観るのが夢だったようで、嬉しそうでした。
ロシアだけで万博をやっているようなそんな感じの規模の展覧会です。ВДНХは、1939年につくられ、国民経済達成博覧会の頭文字を取りました。そんな会場でやっているので、特別な建物をたくさんつくらなくても、できてしまう大規模な展覧会場です。
3連休は混むのが分かっていたから、その後の平日に行こうと思っていたけれども、とにかく、雨、雨…天気が悪いので、くもりの平日(11月15日)の昼間に出かけてきました。
この展覧会は、月曜日は休みで、10時から22時まで開催中です。すべて無料です。
最寄り駅のВДНХ駅のエスカレーターも2つ稼働していました。しかも、平日の昼間はたいてい1つしか稼働していないのに、展覧会の開催中は、2つのエスカレーターが稼働していて、さらに、結構混んでいました。
ВДНХにつくと、大行列ができているほどではなかったけれども、入り口の荷物検査は混みあっていました。
パビリオン内の展示を順番に見て行きます。
クロークがどこにあるかも分からなかったので、コートを手に持って、見学をスタートしました。
ロシアの地域からの展示で、どこに何があるかの館内地図もないので、片っ端から順にみて行きます。
1回目は、館内地図の場所が分かりませんでしたが、2回目で館内地図の場所が分かりました。しかし、大雑把すぎて、各州の場所を知らないと、正確には分かりにくい図でした。
私が一番見たいロシアの刺繍地図が見つかりません。
建物の反対側かなあ?と思って、移動して見たけれども、ありません。
人の動きを見ていると、地下に降りていく人がいるから、地下にも展示があるのかな?とエスカレーターを下りたら、そこにクロークがありました。
でも、絶対にこのパビリオンの中にあるはずだからと思い、ボランティアに夫が質問しました。
ところが、このボランティアもまだ慣れていなくて、全く話が通じませんでした。もう1人のボランティアは、ずっと関係ないスマホを見ているだけでした。
この人と話しても埒が明かないと思い、エスカレーターを上ったら、そこに、やっと案内所がありました。
案内所で訊くと、私たちが始めに見た方のパビリオンにあることが分かり、そこに行ったら、ボランティアに訊いてと言われました。
案内所の人もすべてを把握していないようです。
それで、言われた場所に行くも、今度は、赤い服を着たボランティアさんがいなくて、それを探すのに一苦労。
やっといたと思って訊いたら、「今はリハーサル中だから、3時に来て」と言われました。その時1時45分。そんなに待っていられません。
カーテンがひらひらめくれて、ステージと反対側の壁に目当てのロシアの地図の刺繍がありました。
リハーサルはステージ上で、その反対の壁に刺繍があるので、中に入って、「リハーサル中だから駄目です」とか、「何をしている?」などと言われたら、「刺繍の写真を撮りたくて」と言おうと思って入りました。それでも、ダメと言われれば、別日に諦めるつもりで入りました。
ところが、誰も声をかけてきません。なんなら、刺繍の前には、管理している女性が椅子に座っているけれども、何も言いません。そのため、写真を撮りました。
しかし、ガラスが反射して、きれいな写真は撮れませんでした。
ステージでリハーサル中なので、全体がおさまるところまで行くこともできず、斜めから中途半端になりました。
それでも、各地域の写真も部分的に撮りました。
ロシアの地図の形になっているのもすごいけれども、各州、各共和国、各自治区に昔から伝わる、伝統的な模様の刺繍でできています。
その昔、母から娘へ伝えられた伝統の刺繍です。
家に帰ってきてから、ネットでいろいろ調べていたら、このロシアの刺繍地図の素晴らしいサイトを見つけました。日本からも見られるといいなと思います。
https://вышитаякартароссии.рф/
ロシアの地図上にある青い矢印のところにカーソルをもってきて、クリックすると、地域ごとに詳しい刺繍の写真と説明(ロシア語)が出てきます。これが、ものすごい優れものです。
http://вышитаякартароссии.рф/#kartakarta
中央ロシア
http://вышитаякартароссии.рф/centr
そして、いつもは、チュヴァシ共和国にこの刺繍が飾られていますが、今は、5か月間だけモスクワに持ってきています。モスクワからチュヴァシ共和国まで、673㎞離れています。
そして、前回満足に写真を撮ることができなかったので、11月17日にもう一度行きました。
今度もリハーサルっぽいことをしていたけれども、カーテンが開いていたので、堂々と入れました。
ラッキーなことに、誰も刺繍を見ている人がいないし、チュヴァシ共和国にあり、簡単に実物を見ることができないものだと分かったので、じっくり見てきました。
ロシア文化庁のマークも刺繍でできています。
ロシアの飛び地のカリーニングラードです。
クリミアと4つの州です。
蓮の花の刺繍がありますが、仏教徒が多い、カルムィク共和国です。
馬は、ロストフ州です。
ここにチェーホフが生まれたタガンローグという町があります。
黄色い刺繍が、チュヴァシ共和国です。この刺繍が普段展示されているところです。
真ん中の赤いのがモスクワです。そして、右下の黄色いのがチュヴァシ共和国です。
赤い真ん中がモスクワです。モスクワの上がトヴェリ州、そこから時計回りに、赤い刺繍がヤロスラヴリ州、その下の白い刺繍がイワノワ州、イワノワ州の隣の花の刺繍がウラジーミル州、イワノワ州と隣のКОСという文字が見える刺繍が、コストロマ州。そして、ウラジーミル州、イワノワ州、コストロマ州の下の白い刺繍が、ニジニ・ノヴゴロド州です。モスクワの下の赤と緑の刺繍がリャザン州、サモワールはトゥーラ州。サモワールの上がカルーガ州、三角屋根の建物があるのはスモレンスク州です。
真ん中の赤い刺繍がカレリア共和国です。カレリア共和国の隣の緑色が、レニングラード州。レニングラード州の隣の水色の刺繍がプスコフ州で、プスコフ州の隣の赤い刺繍がノヴォゴロド州です。
カレリア共和国の右隣の赤い刺繍がムールマンスク州。カレリア共和国の右下は、アルハンゲリスク州です。白い部分がありますが、そこは、ヴォログダ州です。
真ん中にあるのが、コミ共和国です。
ロシアの紋章も刺繍でできています。
茶色の刺繍が、ヤマロ=ネネツキー自治区です。
真ん中の大きい部分が、クラスナヤルスク地方です。光が反射しないように撮るのが大変でした。
猫がいる辺り一帯がイルクーツク州で、ブリヤート共和国にバイカル湖もあります。
真ん中の大きい部分がサハ共和国です。
サハリン州と、ウラジヴォストクがある沿海州と、その上は、ハバロフスク州です。ロケットがあるのは、アムール州です。
熊の刺繍があるのが、カムチャッカ地方で、その上の赤い部分は、チュコトカ自治区で、チュコトカ自治区の下は、マガダン州です。
レニングラード州。
カレリア共和国とムールマンスク州。
真ん中の花の刺繍は、ヴォロネジ州。
左のライオンの刺繍は、ベルゴロド州、その上の建物の刺繍は、クールスク州、そして、その右の鳥の刺繍はオリョール州、オリョール州の斜め下の花の刺繍はリぺツク州、リぺツク州の右下は、タンボフ州です。
左からモスクワ、ウラジーミル州、イワノワ州です。
この刺繍がいつもあるチュヴァシ共和国です。
サハリン州。
バイカル湖。
私の写真ではよく分からなかったと思うので、もっと詳しく、細かく見たいという方は、チュヴァシ共和国のこの刺繍を作っている団体のサイトをご覧ください。言語はロシア語ですが、自動翻訳などを使えば、だいたい意味が分かります。
http://вышитаякартароссии.рф/#kartakarta
もし4月12日までにモスクワにいることができる方は、生で実物をご覧ください。素晴らしい作品です。
11月のある日は、ジグソーパズルをすることができました。
このチュヴァシ共和国が作ったロシアの刺繍地図に関して、他にも記事にしました。
ご興味のある方は、ご覧ください。
【11月19日の過去記事】