【南大沢土木構造物めぐり】No.20　ウォータースライダーのようなスロープ　～舞の橋歩道橋～

今回紹介するのは、南大沢駅近くの、アウトレットモールと東京都立大学との間にある道路を横切る歩道橋です。東京都立大学と駅を結ぶ動線上にあり、駅前のメインストリートの一部となっているので、おなじみの歩道橋かもしれません。この歩道橋、東京都立大のある丘の上と谷の中腹にある駅前との高低差を克服するために、大階段がついており、側方にあるスロープが非常にユニークな形をしているのが特徴的です。表紙の写真は、都立大学側のスロープを下から見上げた写真。大蛇のようだったり、プールのウォータースライダーのような線形をしているように見えます。

スロープは、道路を挟んで都立大側と駅側に2か所あり、歩道橋の対角線上にあります。とんがった形のループ形状を描いており、何となく「８の字」に展開して高低差をクリアする形になります。

都立大側からの歩道橋の全景。一段低いところで道路を横断し、さらに一段低いところに駅があります。大階段のように視界が開けます。

下から見上げると、東京都立大学のシンボルである時計台がひときわ高い塔に見えるような形になります。

道路から歩道橋を見上げたところ。中空床版橋に張り出し部分が付いたイメージという感じでしょうか。

【1990年3月　東京都建造　下部施工　日本海洋土木株式会社】
【1991年3月　東京都建造　上部施工　住友・日本海洋建設共同企業体】

「舞の橋歩道橋」という高欄。ガラス張りのような意匠になっています。ちょっと凝りすぎたせいか、残念ながら橋の名前が良く見えず、道行く人も気づく人が少数派なのではないでしょうか。

【終わりに】
東京都立大学とアウトレットモールを結ぶ歩道橋、いつもたくさんの人で賑わっています。ウォータースライダーのようなスロープも、ひっきりなしに通行があり、活気がある歩道橋です。この「変則的な8の字」の形になっているおかげで、普通の歩道橋によくありがちな、Uターンするような形のスロープよりは、視認性も良く、快適なのではないかと思われます。照明のデザインは、アウトレットモールのものと統一感を持たせており、洗練されたデザインで、供用後30年経っていますが、全然陳腐化している印象を受けません。街のランドマーク的な歩道橋、是非スロープに注目して眺めてみてください。

※読者からコメントをいただき、このスロープは「自転車の方は降りて通行する」ルールとのこと。下記の写真にもある通りです。マナーを守って通行するようにお願いします。