□土木仲間と街歩き□府中市→稲城市を歩く(前編:府中市内)
少しマニアックな街歩きをすることをいつも週末の至福の時間だと思っているのですが、普段は寡黙に歩くことが多く、新しい発見をしたときも、静かに写真を撮っていることがほとんどです。今回は、土木関係の仲間と一緒に街歩きをできる機会ができましたので、その時のことを書きたいと思います。
歩く場所は、東京都の府中市から稲城市という、多摩川を境にした2つの隣り合った街です。メンバーは、土木系の学生・社会人が半々で、土木や街歩きが好きな人たちが揃い、時折ワイワイ話しながら歩きました。古いものから新しいものまで、様々な見どころのある街歩きコースとなりましたので、紹介したいと思います。
■1 府中市を歩く
街歩きは、京王線の東府中駅からスタート。京王線と競馬場線との分岐駅です。
旧・甲州街道は、東府中駅の西側で斜めに京王線と踏切で交差します。競馬場線がすぐ横を分岐していきます。
踏切の渡った先は、旧甲州街道の府中の宿場のうち、八幡宿と呼ばれた場所がありました。
八幡宿付近に、昔は京王線の「八幡前駅」がありました。
今昔マップで昭和初期頃の東府中駅周辺を見てみます。八幡前駅がありますが、東府中駅はまだありません。もう少し新しい時代の地図を見てみると、
南側に東京競馬場が開設されています。もともとは、この八幡前駅が最寄り駅で、まっすぐ競馬場まで道が伸びているのですが、この道は崖をまっすぐ下るので、勾配がきつく、車でアクセスすることができなかったことから、東側に東府中駅が開設され、車で競馬場にアクセスするように変更したということです。その後八幡前駅は廃止されてしまいました。
八幡宿には、八幡神社がありました。八幡神社の参道は、競馬場へのアクセスの主役となった京王競馬場線が開業した際、参道を線路が横切ることになってしまったようで、その代償としてか、踏切の場所に新たに鳥居が作られました。鳥居の寄進者は、京王帝都電鉄。鉄道建設と寺社との関係として、とても面白いものだと思います。
府中競馬正門前駅は、とても広いプラットホームを持つ駅です。普段は閑散としているので、とても広大な印象を受けます。
東京競馬場は、多摩川の河岸段丘の下側の低地に位置しています。府中競馬正門前駅は、段丘崖の上にあるので、ちょうどペデストリアンデッキの高さ(10mくらい)が、段丘崖の比高といえるのではないでしょうか。
大國魂神社の鳥居前にある、府中町道路元標のレプリカ。大國魂神社のすぐ前にあります。
街歩きをワイワイ歩きながらいろいろなスポットを回りましたが、マンホールは皆さん好物のようで、撮影会を楽しみました(笑)。
ここは、東京五輪の自転車ロードレースが開催された地でもあります。過去にここを訪れた際のレポートも併せてご覧ください。
さらにJR武蔵野線の直上から、少し西側を歩きます。
当日は比較的温暖な一日で、歩くのがとても気持ち良いひと時でした。
昔の貨物線や、東京競馬場前駅を結ぶ鉄道路線の廃線跡を利用した緑道。実に沢山の人が利用していて、とても賑やかな廃線跡でした。
東京競馬場前駅から競馬場に向かう動線。今は人があまり多くないですが、一時期はここがメインルートだった時代もあったのかもしれません。
東京競馬場前駅跡からガードをくぐった先にある、府中街道沿いに、「競馬場」バス停を見つけました。バスの本数は、何と週1本のみ。競馬場アクセスとしては最もマイナーな路線かもしれません。
矢崎架道橋をくぐって再び線路の西側へ。
このあたりは、中央自動車道が走り、サントリービールの工場が建つエリアです。ビール工場は、見学すると試飲が楽しめる人気スポットです。ふと現れた誘惑に、一行は一瞬飲みに行く?みたいな会話を楽しみましたが(笑)、気を取り直して歩くことにしました。
もう少し歩き続けると、西武多摩川線の是政駅前を通り、是政橋の近くへ。ここには、多摩川の昔の渡船である、是政の渡しを記念するモニュメントがありました。
多摩川の是政橋では、左右の橋の構造が微妙に違っています。この写真でいうと、左側には奥の中間橋脚が省略されていて、橋の上部の形状も微妙に異なっています。なぜ、そんな変化をつけたのか?みたいなことをワイワイしゃべりながら歩いていました(笑)。
前半戦、府中市内のウォーキングは、このへんでおしまい。
次回は、後半戦、稲城市内を歩いた模様をお伝えします(笑)。
■終わりに
土木関係の仲間と歩いた街歩き。いろんなお話をしながら、別な角度で同じものを眺めると、さらに見えていなかった世界が広がる感じがしました。
後半戦、稲城市に入ると、また味わい深いウォーキングとなりました。そちらについてもお楽しみに(笑)。
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