【行ってみたいウォーキングコース】日本橋→常盤橋→東京駅をめぐる
「土木で街歩き」、ということをするのが大好きです。そういう人にとって、ある意味「聖地」とも呼べる場所が、この「日本橋」や「東京駅」と言う場所の界隈です。この付近を歩くと、様々な「土木スポット」が出現しますので、それを紹介しながら歩いてみたいと思います。
■コース
今回のコースは、およそ3km。日本橋からスタート。首都高の日本橋地下化に向けた準備工事の様子を見学し、歴史的な橋、常盤橋を見つつ、下水道のポンプ所に関連するものを眺めながら、JRの鉄道構造物を見て、東京駅に至るというルートです。
地図上の13箇所の見どころポイントを簡単にご案内しましょう。
さて、散策する前に、このあたりの戦前の古地図を見てみましょう。目につくのは、東京駅八重洲口から南北に伸びる水路。日本橋川から分岐して、そんな水路があったのですね。それが昔の江戸城外堀でした。
■コースの紹介
①日本橋(スタート)
日本橋は、言わずと知れた昔の五街道の起点であり、今での国道の起点となっていて、日本国道路元標がある場所です。
昭和39年に開催された東京五輪に間に合わせるべく作られた首都高速道路都心環状線が、この橋の真上を通り、景観については様々な議論もありました。それらの議論などを受けた結果、首都高速道路は地下化されることとなりました。今ではその準備工事が進んでいるところです。
②西河岸橋
③一石橋
呉服橋ランプは、高速道路の地下化に先立って工事を行い、河川の水位を下げることが目的だとか。河川水位は、治水上の理由で下げていくとのことです。
④日本銀行
日本橋のすぐ近くのこの地にあるのが、日本銀行です。言わずと知れた、日本経済を支える銀行です。まだ潜入したことがありませんが、ここに入ると、また異次元の日本橋観光が楽しめそうです(笑)。バーチャル見学ツアーも楽しめます。
⑤渋沢栄一像
日銀本店のすぐ近くに建つのが、1万円札の肖像にもなる、渋沢栄一像。
⑥常盤橋
そして、旧常盤橋の美しいアーチ橋を見ることができます。ここは昔の江戸城の常盤橋門があった場所。江戸城への玄関口だった場所に、近代化の象徴として明治時代に作られたアーチ橋です。東日本大震災で被災しましたが、解体・修理を経て今は元の姿になっています。
⑦新常盤橋
実は新常盤橋の脇に、首都高八重洲線が地下を走っています。新しい地下の日本橋地区の首都高速は、この換気所付近から新しいトンネルが分岐する計画となっています。想像するだけでとても難工事ですね。
⑧銭瓶町ポンプ所跡
こちらは、JR線に沿った道路に出現する、変わった標示です。
ここは、再開発が進む地区で、元々ビル内にあった下水道のポンプ所を、最近再開発の一環で移設した跡にあります。ということで、この標示ももう無くなる運命なのかもしれません。
⑨常盤橋架道橋
常盤橋架道橋は、東京駅が開業した大正時代からあったものと思われますが、東北本線の列車が東京駅に乗り入れた際、さらには東北新幹線が東京駅に乗り入れた際に増設を繰り返しました。
⑩竜閑さくら橋
少し小高い場所から眺められる絶景スポット。
⑪中央線の高架橋
この付近のJR中央線は、1990年に東北新幹線の東京駅を建設する際に、東京駅に新たなホームを構築するスペースが無かったために、中央線を2階に移設し、重層化してホームのスペースを確保した際にできた高架橋です。
⑫丸の内北口駅舎
⑬東京駅(ゴール)
東京駅は、言わずと知れた、日本の鉄道の象徴ともいえる駅舎です。最近は行幸道路にも広場ができたので、いつも多数の写真撮影する人たちで賑わっています。
■終わりに
日本橋から常盤橋を経て東京駅に至るルート。ここには短い区間ながら、土木ウォーキングのエッセンスが沢山詰まっており、様々な時代の構造物を眺めることができるので、とても楽しい散策コースです。じっくり訪れてみると、新たな発見がありそうな場所でもありますので、何回か訪れながらそういう場所を探していければと思います。