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【南大沢土木構造物めぐり】No.103 多摩丘陵の隠れ里・町田市小野路地区を歩く(①小野路に向かう道)

今回は、多摩丘陵の真ん中に位置する、町田市小野路地区を紹介します。ここは、昔ながらの宿場町の面影を残す町並みが残っています。多摩ニュータウンに隣接するエリアに、こんな場所が残っているのかと驚かされます。そのあたりを紹介したいと思います。

今昔マップで見た、小野路宿。
丘陵の真ん中に現れる、街道沿いの宿場町です。

小野路地区は、多摩丘陵の真ん中に位置しており、北側にある当時の主要都市である、布田(調布)、府中、八王子から小野路に向かう街道がありました。南側は、鎌倉や大山詣でに向かう道が繋がっていたようです。

八王子から小野路につながる道は、今では「野猿街道」と呼ばれていますが、当時は「小野路街道」と呼ばれていたようです。それだけ昔は小野路という場所が重要だったと物語っていると思います。八王子市内の小野路街道は、下記のレポートで探索しているので参照ください。

今回は、南大沢周辺から、小野路街道のルートと思われるルートを通り、小野路を目指したいと思います。

スタートは、尾根幹線道路と都道155号との交差点。
多摩ニュータウン内の整備された道が行きあたると、
途端に「険道」として有名な都道となります。

この交差点を右に曲がると、都道155号線がとても狭い「険道」になるという、道路マニアにはちょっとした有名な場所です。(下記リンク参照)今回は、この交差点を「直進」できる道があるので、そちらを進みます。

見えにくいですが、直進できる道は、「巡礼古道の代官坂」という古い道です。
代官坂は、上の「唐木田(三)」から南東に尾根伝いに進む道。
目指すは地図の下部にある「大泉寺」だったようです。
代官坂の入口。
途中には、本当の「かさじぞう」がありました。
多摩ニュータウンのすぐ横とは思えない、人気の無い道を行きます。
人気が無いとはいえ、耕作地もあるようです。
人里に降りてきました。民家の周りは、何だかとても美しいです。
着いたところは、町田市小山田地区。のどかな農村風景が続きます。
整備された道路ですが、河川に架かる橋は古びた狭いものが一部残っています。
少し交通量の多い道に出たところに、祠がありました。
祠の中には、道祖神がありました。
小川に架かる橋がありました。橋の名前は・・・、
「山の端橋」と言う名の橋。何だか風流な名前です。
そして、近くにあるバス停の名前も、「山の端」です。
とても古そうなお店がある街角がありました。
そんな町に、河川改修工事が進んでいるようです。細くて蛇行した河川を
直線的な大きな川に付け替える工事が進みます。
河川改修により新しくなった橋のようです。
道路改修工事に伴う河川付替工事とあります。
新しい水路を掘削し、古い水路を埋め立てる工事のようです。
工事現場のすぐそばにある、大泉寺バス停。
バス停のすぐ近くにある、大泉寺の参道。
結構立派なお寺のようです。
武相四十八観音霊場巡りの11番目の札所のようです。
小野路街道は、この霊場巡りの道でもあったようです。
参道を歩いていくと、立派な山門があります。
種々の石仏などが鎮座しています。昔からのお寺だったのでしょう。
本堂は比較的新しい建物のようですが、立派な建物でした。
ここは墓地として整備されていますが、昔は「小山田城跡」だったようです。
大泉寺の参道入口にある、八石地蔵尊御堂改築記念の石碑。
そのお堂がこちらのようです。隣に立派な石碑があります。
しばらく歩くと、小山田緑地のサービスセンターに到着。
サービスセンターに展示されている、埋蔵文化財の一覧。
ここは多摩丘陵の特性を生かし、昔から人が住んでいたようです。
小山田地区の風景。やはりとてものどかな農村が広がっています。
扇橋バス停。京王バスと神奈中バスのバス停が並んでいます。
町田から来る神奈中バスと、多摩センターから来る京王バス。
仲が良いのか悪いのか(笑)。
扇橋バス停から、谷戸に分け入ります。これを越えると小野路の宿場に着きます。
谷戸では稲の収穫作業が続きます。天日干しした稲、何だか懐かしい光景です。
谷戸の頂上から山を越えて小野路の集落に向かう途中の風景。
次の谷戸の景観がぱっと開ける美しい場所。
丘の中にある、戦時中に戦車を隠していた場所、だそうです。
この場所に戦車がいたとは、驚きです。
こんな道が続く道中です。
小野路バス停に到着。その場所に広がるのは・・、
このような宿場町の景観です。

■終わりに
小野路街道と名前の付いた道を歩くミッションを遂行してみましたが、事前情報がとても有用でした。小野路の宿場町に至る道、八王子以外にも府中や布田などからもアプローチルートがありました。次回はそんなところも紹介しつつ、街歩きを楽しんだ結果を掲載しますので、どうぞお楽しみに!

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