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【南大沢土木構造物めぐり】No.50 尾根を克服する道路たち

この「南大沢土木構造物めぐり」の連載も50回目を迎えました。地元・多摩ニュータウン、南大沢を少々マニアックな目線で歩いて発見したことを記録しています。歩くたびにいつも新しい発見があり、こんなことを記録しておきたいという構想がまだまだたくさんあります。これからもいろんな目線で連載を続けていきたいと思います。訪問した場所を、地図に記録するのも楽しい作業です。紹介できる場所がどんどん増えていますので、是非ご覧になってください。

今回は、多摩ニュータウン・南大沢エリアの一番奥、No.35で紹介した、「尾根緑道」のある尾根を越える道路に焦点を当てたいと思います。尾根緑道は、下記のリンクに詳細を記載していますが、八王子市と町田市の境界にある、昔は陸軍の戦車テストコースがあった「戦車みち」で、現在は多くの区間が遊歩道となっており、ジョギングやサイクリングも楽しめる場所になっています。この尾根は、八王子市と町田市の境界部となっており、この尾根が多摩川と境川の流域の分水嶺にもなっている場所です。多摩ニュータウンに南側(町田市側)からアクセスするには、必ずこの尾根を越える必要があるため、様々なトンネルなどの構造物があります。今回はそれぞれの道路がどのようにこの尾根を克服しているかを、南側から順に簡単に紹介したいと思います。

【①斎場のある近くを通るアーチカルバート】~星谷戸トンネル

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最初は、星谷戸トンネルを紹介します。正面にトンネルが見えていますが、これは山を掘削したものではなく、一度尾根の土を掘削して取り除き、アーチ状のカルバートを設置して埋め戻したものと思われます。プレキャストコンクリートでアーチの構造物を作るので、トンネルのように見えますが、カルバートの一種です。

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星谷戸トンネルのすぐ隣に、No.48で紹介した、南多摩尾根幹線道路の小山長池トンネルがあります。星谷戸トンネルより、道路線形をよくするために、トンネルの長さが長く、規模もはるかに大きなものになっています。

【②小山内裏公園の中を通るカルバート】~津島下トンネル~
この道路も、尾根を何とか登り詰めたところで、一番てっぺんだけカルバートが設置されている形です。トンネルというよりは、尾根緑道をまたぐ立体交差のイメージです。やはりこの尾根が町田市と八王子市の境界に位置しています。

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小山内裏公園の中を貫くトンネルとしては、多摩ニュータウン通りの「小山内裏トンネル」があります。この連載の一番最初に紹介した、土木学会賞を受賞したトンネルです。これは、津島下トンネルとは違い、山の中をトンネル掘削する形で作られました。

もう一つ、尾根を貫通するトンネルとして、忘れてはいけない存在があります。京王線の南大沢トンネルです。鉄道は勾配に弱く、しかも高速で通過する必要があるので、最も深いところを長いトンネルで抜けています。

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【③尾根まで登り詰める道】
次は、尾根のてっぺんまで車道が登ったところを通過する道路です。道路にトンネルなどは無く、その代わり、東京都水道局の鑓水小山給水所(No.16で紹介)があります。尾根緑道も、ここだけは車道と平面交差をする形になります。

構造物が何もなしで尾根を通り過ぎると思いきや、町田市側にある幹線道路、多摩境通りの下をカルバートで越えていきます。

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【④尾根を越える大型カルバート】
尾根緑道をアーチカルバートで越えるタイプの道路がもう1か所あります。ここのカルバートは、特にトンネル名などは付いていません。(No.18でも紹介しました。)町田市と八王子市の境界をなす大切なカルバートです。

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【⑤尾根緑道だけが歩道橋で跨ぐ】~細谷戸橋~

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最後に紹介するのが、多摩美術大近くにある、細谷戸橋。ここは、道路自体は切通しで抜けますが、尾根緑道は歩道橋で立体交差する形です。

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【2003年3月 東京都建造 下部施工 (株)町田建設】
【2003年9月 東京都建造 上部施工 ドーピー建設工業(株)】

【終わりに】
尾根緑道が通る尾根は、町田市と八王子市の境界をなす峠のようになっており、様々な道路がそれをいろんな形で克服しています。ニュータウンの市街化も進んでいるため、狭隘な道路も改良されているものも多く、尾根緑道自体も遊歩道として多く利用されているため、立体交差が実現している部分が多いです。峠を克服する方法は、道路や鉄道、その役割、できた時代等によっても異なります。この尾根はそこまで山深くないため、すごい山越えをしている感じはあまりしませんが、それでもいろいろな山の越え方をしているのが分かって興味深いと思います。


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