【西新宿プチ散歩】マンホール越しに眺めた新都心(その1)
職場の昼休みを中心に西新宿を中心に散歩を続けています。その中でちょっと気になる存在なのが、マンホールたち。マンホールって、各自治体ごとに柄が違っていて、カラーマンホールや、特別なキャラクターマンホール、そしてマンホールカードを各自治体が配布していて、ご当地マンホールを集める人などが増加中で、密かなブームになっています。
写真のマンホールは、私の住んでいる近所の、多摩市にある、キティちゃんのデザインマンホール。多摩市は、市内にサンリオピューロランドというテーマパークがあり、「ハローキティに会える街」というキーワードで町おこしをしていて、ゆるキャラの代わりに町中にキティちゃんを登場させるというすごい町です(笑)。
そういう街とは対照的に、東京・新宿のマンホールは・・、
こんな柄のマンホールをよく見ている人は、少なくないのではないでしょうか。このマンホールは、中央にソメイヨシノの花の柄が描かれ、花びらの外側に描かれているのがイチョウの葉、さらに外周部にユリカモメが飛んでいるという柄だそうです。よく見かけるマンホールの柄を見て楽しむのも悪くないですが・・。
新宿周辺は、いつものマンホールだらけで、ご当地とかデザインマンホールを見かけることはありません。東京都はとにかく大きな自治体なので、ご当地感があまりないことが影響しているのか、都内ではマンホールを見て歩く楽しみがあまりないのでは・・と思っていたのですが・・・。
ところが、日々散歩している中で、新宿でちょっと楽しいマンホールを見つけました。そのきっかけは・・、
西新宿の副都心で初期に出来上がったKDDIビルの近くで、昔のKDD(国際電信電話)のマンホールを見つけました。国際電話回線の事業者が本社ビルに引き込むための海外通信用のケーブルを敷設したマンホール。そんなものがあるのか・・。
実は、新宿には、これ以外にも新旧たくさんの企業者が地下埋設物を敷設しまくったので(笑)、たくさんの企業者のマンホールを見ることができます。それも、敷設当時の会社名で残っていることがほとんどなのです。という不思議なマンホールの旅をお届けします。
■新宿で見られる、珍しい(!?)マンホールたち
まずは、1985年に電電公社が自由化され、通信自由化でできた新電電3社のマンホールそろい踏みです(笑)。
①日本テレコム
まずは、日本テレコムのマンホールから。日本テレコムは、今でいうソフトバンクに吸収された会社です。創立は1984年。ソフトバンクテレコムに名前を変えたのは、2006年のことのようです。マンホールは、設置当時の社章や会社名を残してくれることが面白いのです(笑)。
②DDI
次は、DDIのマンホール。KDDとIDOとDDIが合併してKDDIになったのは、2000年のこと。DDIは、1984年に京セラの会長だった稲盛氏が作った会社です。
③日本高速通信
日本高速通信については、社章を見ても、どの会社かをイメージすることすらできませんでした(笑)。今ではDDIと同様にKDDIに合流しているのですね。
この3社は、比較的大きな会社だったので、自身も含めて通信会社の存在をよく覚えている会社かと思います。以降に、もう少しレアな企業者のマンホールを紹介したいと思います。
④グローバルアクセス
マンホールに見慣れない「GAL」の文字が。これは、「グローバルアクセス」という、1990年代に設立された新しい通信会社。どこの、何の会社か、ぱっと見て想像ができないものがあります。
⑤MCI WORLDCOM
社章の周りに小さい字で、「MCI WORLDCOM」の文字が。こちらは、アメリカの通信会社、ワールドコムが日本に進出して敷設した通信線のマンホールのようです。MCI WORLDCOMを名乗っていた期間は、1997年~2000年の限られた期間で、2002年にワールドコムは破綻したので、非常にレアなマンホールなのかもしれません。
⑥WORLDCOM
こちらは、ワールドコムを名乗っていた頃のマンホールのようです。短命に終わった外資系通信事業者のマンホールが、今でも残っています。
⑦POWEREDCOM
こちらは、パワードコムと言う名前の通信事業者。東京電力系の通信会社ということで、一時期光回線等を敷設していたようですが、KDDIに吸収された会社です。通信会社といっても、いくつもあるのですね。
新宿周辺のマンホールめぐり、とても楽しいです。いったんここまで。また次回は別の視点から楽しみたいと思います。
■終わりに
新宿周辺で見かけたマンホール。見慣れないマークのマンホールを調べてみると、過去に存在した通信企業者などの通信網の整備をした痕跡であることがわかりました。通信自由化などで一時的に存在した会社の痕跡。最先端の町、新宿ならではの隠れた産業遺産ともいえるのではないでしょうか。
次回は、新都心やその周辺でマンホールをさらに探索し、古い社章などをもう少し見ていきたいと思います(笑)。
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