【両国でまちあるき】①両国駅と国技館へ
今回は、近日開催予定のあるイベントに先立ち、それに関連する下見ということで、両国駅周辺にやって来ました。両国駅と言えば、何と言っても、「両国国技館」をイメージされる方も多そうですが、鉄道のことに少し詳しい方や、年配の方などは、「総武本線」のかつてのターミナル駅、という印象を持つ方がいらっしゃるかもしれません。そういう両国駅と国技館を歩いてきましたので、ご紹介したいと思います。
■両国駅とは?
両国駅とは、総武本線の前身である、総武鉄道が1904年に「両国橋駅」として開通させた駅です。東京の東側を走っていた総武鉄道は、隅田川を越えて都心に進出するのが夢だったようですが、既に市街化が進む隅田川の西側に進出することは難しいと判断し、両国の地をターミナルに選んだようです。
両国橋駅ができたころ、一時的には東武線の列車も亀戸線を経由し、ここが始発駅となったことがあり、両国橋駅は、ある意味隅田川左岸側の一大ターミナルとなっていました。当時は、右岸に渡る鉄道といえば、常磐線や東北本線(日本鉄道が建設)くらいしか無かった時代です。
その後、関東大震災が起き、両国駅の北側にあった被服工廠の跡地は、震災当時空地になっていて、震災直後に発生した火災から逃げる避難民が密集しているところに熱風が押し寄せ、多数の方が無くなった悲劇の場所になります。そのへんは、次回以降に紹介したいと思います。
震災の後に、総武本線を都心と結ぶ線路が建設され、御茶ノ水駅と両国駅が昭和に入って線路で結ばれ、中央・総武緩行線の電車が走り始めました。ただし、房総方面の列車は依然として両国駅始発で、戦後はターミナル駅としてにぎわいました。変化が訪れたのは、総武快速線が錦糸町から東京へ結ぶルートで開業した、昭和40年代で、それ以降は総武線の列車のターミナルは東京駅が中心となり、両国駅は次第に始発列車のターミナルとしての機能を失い、とうとう今は昔の話となってしまいました。
そんな両国駅をご案内したいと思います。
■両国駅を歩く
■コンコースに降りてみましょう
■両国駅旧駅舎を眺める
両国駅旧駅舎。両国駅が6番線まであったターミナル駅の頃は、さぞかし賑わっていたのでしょう。
■両国国技館へ
こちらはご縁あって、5月場所を見させていただいた際の国技館内の模様です。
■終わりに
総武本線の元ターミナル駅であり、国技館のおひざ元である両国駅は、とても風格漂う場所でした。大相撲の聖地である国技館も含め、独特な雰囲気があり、他の場所には無い魅力が満載のスポットでした。次回は駅付近を散策しますのでお楽しみに。