■八王子・小仏を歩く:③蛇滝口から小仏バス停まで
八王子市内の高尾から小仏までのウォーキング。旧街道と中央本線、中央自動車道、南浅川(小仏川)が平行する、土木街歩きという視点ではとてもディープで楽しすぎる街歩きスポットです。前回は、八王子ジャンクション周辺を歩きました。今回は、さらに奥へ、小仏バス停を目指します。
(前回の記事はこちら)
この近くに、昔は単線時代に列車のすれ違う場所として、「小仏信号場」が設置されていました。一時期は旅客列車も停車し、「小仏駅」と読んだこともあったようです。複線化されて利用客もわずかだったので廃止されたようです。今でも駅を「復活」させて、電車を停めたら、ハイキング客には人気が出る(平日の夜は「秘境駅」ムードたっぷりでしょうが・・)かもしれないですね。
坑口の上部には、古びた鉄塔が。そして、近くにあるのが、JR東日本の「高尾変電所」です。この区間(浅川(高尾)駅から甲府駅まで)の電化は昭和6年で、そのころから電気機関車を使った運転がされていたそうです。おそらく蒸気機関車で運転するにはよほど過酷だったのでしょう。排煙設備や古い変電所が物語っています。
中央本線の当時の旅の様子を描いた新聞記事を発見。小仏トンネルは勾配が40分の1(25パーミル)と他のトンネルより急勾配で、機関車のばい煙や車輪の空転などに悩まされていたそうです。電気機関車の採用は悲願だったのでしょうね。
この区間は、非電化の断面で作られたトンネルを無理やり電化したため、車両限界が他より厳しくなっています。昔はこの区間を通過するために低い屋根の電車が作られていました。今も、この区間が通過できる車両の形式番号に「◆」が付くなど、工夫がされているようです。
■終わりに
高尾駅から小仏バス停までの街歩き、とても興味深い場所がたくさんあり、楽しいコースでした。いつも軽装で地図も持たず、ブラブラ歩くスタイルで楽しみたいので、あまり山道には入らないのですが、この場所まで来たら、旧街道を巡って相模湖に抜けたり、日影沢林道や蛇滝のような、高尾山登山で楽しまれるコースを歩いてみたいとも思います。いつかはそんなコースを楽しむこともしてみたいと思います。
明治の中央本線や、昭和の中央道、平成の圏央道なども見て楽しめ、歴史溢れる甲州街道に、自然豊かな浅川の流れなど、本当に魅力いっぱいです。またゆっくり再訪したいと思います。