見出し画像

■大阪駅とその周辺を歩く(その4:西中島南方駅と新御堂筋)

大阪駅付近は、最近梅田貨物駅跡地の再開発(うめきたエリア)が進み、新たな街ができていますが、そのすぐ横は古い町もあるという、なかなか面白いエリアを前回までで歩きました。(前回までの記事はこちら)

今回は、その続きで、地下鉄御堂筋線に乗り、2つ北側にある、「西中島南方駅」から歩きましたので、紹介したいと思います。

■1 西中島南方駅とは?

西中島南方駅って、関西在住の方はご存知な方も少なくないかもしれませんが、正直なところ、どこにあるのか知らないという人もいるかもしれません。大阪の地下鉄のメインルートである、地下鉄御堂筋線に乗り、梅田駅から2駅目、新大阪駅の一つ手前の駅になります。

大阪メトロの路線図より。梅田駅からも近く、アクセスのよい駅ですが・・
正直なところ、あまり知名度は高くないかも(笑)。

恐らく、「何でこんなに長い名前なのか?」ということが気になる方も少なくないかと思いますが、「西中島」と「南方」という2つの地名を合わせてできた駅名です。

今昔マップで昔の地名を見てみると・・
「西中島村」が広域な村の名前。その中の集落に、「南方」があります。
地下鉄が開通したころの地図には、
「西中島町」「南方町」があるので、恐らくそれが駅名の由来かと。

今の地名は、「西中島●丁目」になっています。「南方」という地名は、もう無くなってしまったようです。

■2 西中島南方駅周辺を歩く

地下鉄御堂筋線の駅です。淀川から北は地上を走る地下鉄。
中津駅と新大阪駅の間にある駅です。
新御堂筋の高架道路に挟まれた高架の線路。
高架下の駅舎。
上下線の高架道路と、鉄道の線路の高架下。
結構ダイナミックな風景です。
高架下には側道があり、お店も色々あります。
そんな側道沿いを進むと・・、
こちらは、阪急京都線の南方駅。
そう、この駅は、阪急京都線と地下鉄御堂筋線の乗換駅。

ちなみに、阪急電車は、「みなみかた」駅ですが、地下鉄は、「にしなかじまみなみがた」と濁った読み方をする違いがあります。

側道の踏切は、「御堂筋東踏切道」です。
駅の南側には大きな交差点。その南は、淀川に架かる橋です。
高架道路の真ん中の地下鉄駅舎まで、横断歩道を渡って乗り換えです。

■3 阪急京都線とJR線の意外な関係

さて、阪急京都線沿いに少し歩いてみたいと思います。

上下線別々の改札がある駅。利用客は結構多いです。
みなみ東改札口は、とても小さな改札口。
バリアフリー施設を作るための出口、なのでしょうかね?
側道とホームが結構近い駅です。
狭い敷地に無理やり長編成用ホームを作った感じ。
駅のすぐ東側にある、「南方東踏切道」。
阪急電車が通過。
少し歩くと、JR京都線との立体交差の橋に差し掛かります。
何だか古そうな橋です。
橋の名前は、「南方用水路橋りょう」とあります。
昭和初期の地図では、確かに阪急電車のすぐ南は、用水路がありそうな感じです。
レンガ積みの橋脚には、何だか嵩上げした跡が?
大きくカーブしてJRと交差する阪急電車。
その横には、「宮筋西踏切道」があります。
道路の立体交差を越えると、柴島浄水場が南側に迫ってきます。
そして、阪急電車と浄水場の間に空地が・・。

阪急電車と柴島浄水場との間にある空地なのですが、実はちょっと面白い過去があります。

阪急電車から枝分かれして、線状に空地が続きます。
その先は緩くカーブして、淀川を渡るJRの線路に続く道。

実は、このカーブは、「かつてのJR東海道本線跡」なのです。東海道本線跡になぜ阪急電車?というと、実は、南方駅を過ぎたあたりから、淡路駅から吹田駅付近までの阪急京都線・千里線の線路は、明治時代の東海道本線の旧線跡を払い下げられたものを流用しているのです。そしてこの場所は、かつての東海道本線旧線の廃線跡、ということです。

カーブする道を辿ると、今の東海道本線の淀川橋りょうに達します。
今昔マップを改めて見ると、なるほどそうですね。

■4 淀川を渡る

伊丹空港の着陸機が多く飛ぶ、この付近。
新御堂筋の歩道を歩いて淀川を渡ります。
新御堂筋は、信号のほとんど無い自動車道路です。
中央分離帯部分に、御堂筋線が通ります。梅田の町が南側に見えます。
真ん中を電車が通過する姿は、なかなか興味深いです。
東側に見える、JR京都線の橋と、河川敷のグラウンド。
複雑な分岐をする道路と、御堂筋線の橋です。

■5 万博に向けて暫定開通する、淀川左岸線

さて、新御堂筋といえば、実はホットなスポットがあります。それは、

新御堂筋の歩道脇にできている、目新しい橋脚と橋桁。
新淀川大橋、という名前なのですね。ここからが新設の歩道。

歩道が新設され・・ているのではなく、新設されているのは、歩道の右横の新しい車線。実はここは、新御堂筋から新たに分岐する、阪神高速道路淀川左岸線のランプ部で、「暫定的に」完成する直前の様子です。高速道路が開通・・までにはまだ少し時間がかかるのですが、工事中の高速道路を「大阪・関西万博のシャトルバスなどのアクセス道路として」暫定的に開通させる工事が大詰めを迎えているのです。

淀川左岸線は、阪神高速道路の湾岸線から神戸線までが既に開通済みで、現在、神戸線から新御堂筋までの区間が2期工事、さらにそこから近畿自動車道までが延伸部として整備中です。

その2期工事の区間は、まだ工事は終わっていないのですが、シャトルバスが走るための整備が完成しつつあります。

暫定整備のイメージ(大阪市HPより)
既に舗装工事が進んでいるランプの車線。
歩道の先には、ループするランプの高架橋が見えます。
なかなか楽しい歩道です。
工事現場が一望できる歩道です。施工は清水・東亜・大豊JVです。

やはり万博に向けた現場、色々と工夫して工事されているようです。

ぐるっとまわって地下に降りていくランプ。
なかなか眺めるのが楽しい空間です。
新御堂筋のほうが下り勾配が急なのか、新設ランプが上を走ります。
歩道からはここでもなかなか楽しい角度で眺めることができますね。
見ているのが楽しい、ランプ橋のぐるぐる感。
地上部はこんな感じ。暫定的にシャトルバスは走らせますが、
まだまだ工事は続くのです・・。
つかの間のお正月休み。暫定開通に向けて、ご安全に・・。

■6 豊崎地区を歩く

淀川を渡った先は、豊崎地区です。こちらは古いものが見られる場所です。

新御堂筋の歩道は、高架下に降りてきます。
少し歩くと、JR東海道本線の淀川の橋りょうがあります。
淀川左岸線の現場を眺めます。ここは延伸部なので将来工事が本格化しそうですが・・。
このゲートが、2期工事の末端ともいえる感じです。
JRの淀川の橋です。東海道貨物支線と、東海道本線の新旧様々な橋です。
レンガ橋台の上にコンクリート。
古い構造物を補修しながら使い続ける感じでしょうか。
淀川左岸線延伸部工事に向けた、支障物の撤去工事が進んでいます。
これからこのあたりも工事が本格化していくことでしょう。
こちらは、JR東海道本線 樋口架道橋。古いアーチ、いいですね。
古いアーチの奥に、箱型断面も。
奥は複々線化工事で線増された部分でしょうね。
箱型断面の部分も、なかなか古そうです。
少し歩くと、豊崎神社へ。
なかなか大きそうな神社ですが、先を急ぎます。
東海道貨物支線が東海道線から分岐したところにある架道橋。
東海道貨物支線沿いを歩きます。だんだん地上に降りてくる線路。
低い架道橋。活躍するのは、大阪メトロのオンデマンドバス。

こちらのオンデマンドバスは、行きたい場所と目的地を予約したら来てくれる乗り合い交通。古い町に新しい交通手段が活躍中です。


そして、頭上には新御堂筋が。そしてカーブした空地と
この換気塔は、地下鉄御堂筋線が地下に入る場所、です。
そして、先ほど歩いていた、中津駅付近に到着。
線路切換工事に伴う、通行止め看板。
古い町のエリアで工事が進んでいますね。

■7 終わりに

大阪駅前をお正月休みに色々な角度で眺めてきました。西中島南方駅付近は、昔のJR線と阪急電車のことが眺められるスポットであり、新御堂筋からは、大阪・関西万博に向けた工事の状況が見られ、そしてまたさらに古い豊崎エリアと、とても面白い街歩きになりました。

いいなと思ったら応援しよう!