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〇変わりゆく新宿駅周辺を歩く:②京王線新宿駅付近の地下を見てみると

5月14日に予定している「まいまい東京」さんのツアーガイドに先立ち、舞台となる新宿駅周辺を色々と理解しようと歩き回りました。前回は、工事によって閉鎖されたり変貌を遂げ始めた場所をフォーカスしました。
(前回の記事はこちら)

今回は、京王線新宿駅周辺の地下を歩きます。地上も複雑ですが、地下も色々と複雑です。

■まずは、地図を見てみましょう。

複雑な地下を持つ新宿、まずは地上と地下の状況を見てみることにしましょう。新宿駅付近の地図であれば、最近は各鉄道会社や新宿区などが共同して、「新宿ターミナルマップ」というものを整理していて、こんな感じの地図がいろんなところに極力統一された書式で掲示されています。これは京王HPから拝借しました。

新宿駅付近の地上・地下の地図。
一見整然としているように見えますが、実はかなりややこしい。。

駅周辺まで入れた地図、こんな感じになります。

駅周辺の地下の地図。かなり広範囲に広がる地下空間。

ただ、これは実は京王線の改札内の通路や、京王線の地下の線路、地下駐車場などのアイテムが描かれていません。この地図の中に、それらの構造物が「実は隠れている」のです。それは、立体的にB2Fに存在したりすることもあるのですが、微妙に高低差があったりするのです。それをほんの少しですが紐解いてみたいと思います。

■新宿駅の地下を歩く

まず最初に、京王線の新宿駅構内から。

駅の1・2番線ホームから。この先で90°右にカーブします。
少し別角度から。よく見ると大きな門型のラーメン構造が見えます。
奥には、京王新線につながる通路が見えます。
その柱に書かれた文字があります。

柱には、「貸付財産票 使用者:京王帝都電鉄 契約:昭和63年 使用者:京王帝都電鉄 使用目的:乗降場 東日本旅客鉄道」の文字が。ということは、ここは

京王の土地ではなく、JR東日本の土地を京王が借りている

ということのようです。この直上には、「新宿ルミネ LUMINE1」が建っています。京王の真上なのに、なぜルミネが?と思いますが、どうやら過去に国鉄が新宿駅南口の駅ビルとして建てたものだそうです。

今度は3番ホーム側から見たところ。正面の柱がルミネの柱のようで、
隣の丸い柱は、上階のコンコースを支えているものです。
少し別角度から。上階にはコンコースがあります。
かなり絶妙な柱配置です。
京王新線に向かう通路。途中に少し階段を登りますが・・
何故登るかというと・・。

京王線が駅のすぐ南側で急カーブして西方向を向く形になるので、上の写真の連絡通路の先のコンコースは、京王線の線路が干渉されるので、少し高い位置に作らざるを得ませんでした。なので京王線の線路を交わすために、階段を登るのですね。

連絡通路の階段。目に見えないですが、この奥に京王線が
カーブして通っている様子を想像してみてください。
連絡通路を抜けて、すぐ左のコンコースは、1段高い位置にあります。
この下に京王線が交差しています。

京王線の線路は、微妙な高さで通過する形になっているため、京王新線のコンコースも、京王線と交差する部分だけ少し高くなっている構造です。

では、新線新宿駅の改札を出てみましょう。

改札の外。階段上がって左のエスカレータは、ルミネを通って南口に通じる階段。
右側のスペースは、ルミネ1の地下2階。ということは・・

この写真の右半分が階段が高くなっている理由、もうお分かりですよね。そう、京王線の線路が通っているからです。

そうやって見ると妙に納得できるこのスペース。
つい食べたくなって、昼食にここのC&Cのカレー屋さんで腹ごしらえ。
実は会社入った頃からちょくちょく行っているお店です(笑)。

■新宿の地下迷宮には、もう一つの登場人物が(笑)

新宿の地下、ここまで見ていても、とても複雑だということがわかります。90度曲がるように敷設された京王線の線路に絡むように作られた連絡通路やコンコース。だから微妙なところに階段などが付いているのですね。

これだけでも複雑な地下空間ですが、実はもう御一方、紹介しないといけないお方がいらっしゃいます(笑)。その方は、人が歩いているスペースのもう1段下にいらっしゃいますので、ご紹介します。

その名も、「京王地下駐車場」という方です(笑)。
京王線に沿って広がる、広大な地下空間。
車に乗り人しかあまり知らない、新宿の穴場空間ともいえるでしょう。
排気や排煙、消火用などのダクトも、なかなか豪快に配置されています。
駐車場内に、突然ルミネが(笑)。
これは、ルミネの商品搬入口。業務ゾーンとしての機能も持っています。
そして、機械式駐車場がある場所も。
恐らくこの下に駐車場も作っちゃったのでしょうね。
エレベータがあったので、行ってみましたが・・。
この場所、ずっとガンガンなっているアナウンスが気になってしょうがない(笑)・・。

アナウンスの内容は・・、

(機械音声)
 今度の3番線の列車は、特急 京王八王子行きです。
(駅員さん)
 3番線に到着する、特急京王八王子行き、10両で参りまーす。お待ちの方は、先発乗車口にお並びくださーい。
(機械音声)
 まもなく、3番線に、特急 京王八王子行きが参ります。停車駅は、笹塚、明大前・・・

ということで、お隣に何があるか、お分かりですね。

このエレベータ、こんな行き止まりのドアにも繋がっています。
駅への荷物搬入口になっているようです。
恐らく、この扉の裏側は、この、京王線の3番ホームなのでしょうね。
地下2階の立体駐車場と京王線は、同じフロア、なのですね。。
B1階は、京王線の改札脇の、とても混雑する空間に到着します。
京王線新宿駅の中央改札付近。ここもいつでも人で大混雑する場所。
京王百貨店の躯体の一部で、この豪快なXの形をした柱が特徴的です。

この場所、コンコースのために極力大スパンの空間が広がりますが、ビルの直下なので、こんな不思議な柱が鎮座しているのですね。奥のコンビニの上に、細長い通路(店舗付き)があり、京王百貨店と西口改札を結びます。少々せせこましい感じがしますが、狭い土地を極力有効活用する工夫が施されています。

■ちょっと地上からも

南口のデッキから見た写真。右側のルミネから出た京王線の地下躯体は、甲州街道を横断しながら右にカーブします。交差点の南東隅にあるビルだけ、少し背が低い建物ですが、その地下を京王線は通っています。そこは京王の地下躯体があるので、高い建物が建てられないのですね。

道路の青看板の後ろにある、屋上に赤い看板があるビルが、低い建物です。

甲州街道の左側手前のビル、よく見ると既に仮囲いがされて退去済みになっています。ここは、新宿駅西南口地区の再開発のための解体工事が始まったようです。ここにも高層ビルが作られますが、地下に京王線や、京王新線などを背負った状態であることは変わらないので、恐らく難工事となることでしょう。

このエリアのことを詳しく書かれているブログを発見しました。地上権設定のことなど、とても貴重な資料を丁寧に調べられています。

こちらのページもとても古くて貴重な写真が多く、参考になります。昔はまだそこまで過密じゃなかった新宿駅です。それを無理やり10両編成対応にするなど、改造を重ねて現在の姿になったのですね。

実は、過去に新宿駅には、「4番ホーム」が存在していました。何と、今も3番ホームの下に古い4番線の線路の一部が眠っています。降車ホームから眺めることができます。

現在も残る、「4番ホーム」に向かう廃レール

昭和38年に京王線の新宿駅が地下化されてからも、10両編成の電車を入れるための改良などがどんどん続けられた結果が今の駅なのですね。

■終わりに

新宿を調べる中で、ちょっと京王線の新宿駅の地下を・・と歩いてみると、興味深いことばかりでした(笑)。まだ理解できていないことも多いです。そんな感じなので、迷路のように感じてしまう場所なのでしょうね。その場所が、さらに再開発で再び激変の時代を迎えることになるのでしょうか。そういう意味では、新宿と言う街は、やはり変化(進化)し続けているといえるのではないでしょうか。

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