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【多摩ニュータウン近隣街歩き】聖蹟桜ケ丘駅付近を歩く
前回の記事までに、京王永山駅から歩き始め、多摩市の諏訪地区や乞田川沿い、旧鎌倉街道沿いをめぐりました。今回は聖蹟桜ヶ丘駅周辺を少しご紹介したいと思います。
(前回の記事は、こちら)
では、前回の投稿の最終地点、大栗橋からスタートしたいと思います。
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■今昔マップで聖蹟桜ヶ丘駅付近を確認
下に、今昔マップで、明治時代末期ごろと現在の聖蹟桜ヶ丘駅周辺の地図を示します。歩き始めの大栗橋を起点に、Y字に道が分岐しています。まっすぐ進む道は、関戸橋に向かいますが、関戸橋はまだなく、「関戸渡」という渡船が描かれています。昔の鎌倉街道です。そして、もう1本左に分岐する道があり、関戸渡から西に向かう道に交わります。交わった地点が聖蹟桜ヶ丘駅前です。明治時代はほとんど民家もなく、田の間に小さな川が流れる場所だったようです。関戸渡に向かう道の途中には、水車の記号も見えます。
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■大栗橋から川崎街道を目指す
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お隣の今の鎌倉街道は、新大栗橋から関戸橋に向け、大きな交差点にたくさんの車が行き交います。
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先ほどマップにあった、大栗橋から聖蹟桜ヶ丘に向かう斜めの道を歩きます。古くからの果物屋さんがありました。
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駅前付近のバス通りとは思えないくらい、レトロなお店でした。
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路地裏に小水路。ここは元々水田が広がっていた低地なので、排水を確実に行うことが昔から重要だったと思われます。
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古い道は、今川崎街道として聖蹟桜ヶ丘駅前のメイン通りになっている大通りに斜めに交わります。さらにまっすぐ古い道が続いていることがわかります。
■九頭竜公園を歩く
古い道を歩く途中に少し寄り道します。九頭竜公園という名前の公園が、すぐ近くにあるので立ち寄ってみたいと思います。
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地元の人にとっては、九頭竜公園内にある、多摩市立健康センターや、関戸・一の宮コミュニティセンターのほうがおなじみかもしれません。
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公園の中には、健康センターがあり、公園の名前通り、九頭竜を模した竜の形の吐出口があり、竜の形の川が流れています。少し立派な都市公園と言った感じの素敵な公園です。
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市民センターと一緒に整備されている施設だからか、パブリックアートも多く設置されていて、とても美しい感じの公園です。
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公園に、記念碑が建っていました。せっかくなので、碑文を転記します。
かつて、この付近一帯は、多摩川と大栗川に挟まれた水田で、春は蓮華の花、夏は牛馬の田起こし、秋は黄金に輝く稲穂が道往く人の目を楽しませてくれた。
昭和20年代には東京の人口集中化とともに駅至近の地は住宅地として開発が始まり、昭和40年代には、多摩ニュータウン建設と相まってビルの高層化が進み、都市化著しい様相となった。
そこで、この地区に土地を所有する者は、昭和56年多摩市の「桜ケ丘駅周辺開発基本計画」発表を期に一致協力した開発を決定し、昭和59年9月29日には、東京都知事より「桜ケ丘駅南第一土地区画整理組合」設立認可を得、以来二年間余事業に邁進し、昭和62年3月事業竣功をみた。
ここに事業完成と当地の繁栄を祈念し、これを建立する。
昭和62年5月吉日
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区画整理事業が進む前は、駅前に低湿地が広がり、建物もまばらだったようです。聖蹟桜ヶ丘は、駅周辺を何度かにわたり区画整理事業を行った末にできた新しい町のようです。
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九頭竜公園の端に、九頭竜神社という神社があります。由来を見ると、洪水の際に上流から九つの竜の形をしたご神体が流れてきたのを祀ったとか。その社殿が洪水の際にも浸水しない場所だということです。昭和50年代に区画整理事業により、元々あった北側約150mのところから移設されたようです。
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区画整理事業区域に、小さな川があり、下流にポンプ場があります。古茂川雨水排水ポンプ場と言う名前が付いています。低地なので、このポンプ場が冠水しないための大切な施設ということになるのでしょう。
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下流には大栗川が流れています。こちらは多摩ニュータウンから流れてくる大きな河川です。
■駅付近を歩く
聖蹟桜ヶ丘の駅前に来ました。京王線の高架駅の周りに、京王百貨店をはじめとした商業施設が建ち並ぶ駅ですが、どこか周辺はのどかな雰囲気も残しています。
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聖蹟桜ヶ丘駅前。大きなバスターミナルと、京王百貨店がある駅です。
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こちらは、京王電鉄の本社ビル。聖蹟桜ヶ丘は、京王の駅前開発により発展した街でもあります。
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聖蹟桜ヶ丘は、大きなバスターミナル。ひときわたくさんの本数が走っているのは、鎌倉街道を経由して永山駅方面に向かうバス。早くて本数も多いです。
■終わりに
聖蹟桜ヶ丘駅前を歩きました。駅前は、古くからの細道もありますが、区画整理で水田ばかりだった低湿地を商業施設に変えていった歴史があるようです。そういう町の成り立ちを眺めるのも、またとても興味深いものと思いました。