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【南大沢土木構造物めぐり】No.86 御殿峠から片倉へ向かう

南大沢から歩いて散策をしていますが、どこまで歩く?と考えた時に、限界点と思う場所の一つは、国道16号の御殿峠があります。御殿峠を越えると、戻りたくなっても峠を越えないといけないし、御殿峠から南大沢もそこそこ距離が離れているので、なかなか御殿峠の向こう側に行ったことがありませんでした。

御殿峠の向こう側から、電車に乗って帰ってくれば良い!

確かにね。ということで、御殿峠から片倉を目掛けて少し探索してみました。

御殿峠といえば、喫茶店のパペルブルグ。
落ち着いた店内でパスタを食べてコーヒーを飲んでくつろぐことができます。

御殿峠の名物と言えば、パペルブルグという喫茶店でしょう。お城のような外観の店内。峠のてっぺんにある、ちょっと古びた外観なので、大丈夫かな?と一瞬不安になりますが、中に入るとこだわりの店内で美味しい食事とコーヒーが楽しめて、満足できる場所です。

「自然公園前」バス停の目の前にある、素敵なお店です。

結婚式場、日本閣の前を通り、少し脇道にそれます。
ここで今昔マップで、1900年頃の御殿峠周辺を見てみましょう。

実は、その脇道こそが、御殿峠を越える旧道だったのです。

脇道が、昔の御殿峠を越える旧道でした。今の国道16号の御殿峠は、まっすぐ切土して作られた道だったのです。

御殿峠付近は、町田市が半島のように伸びている範囲。
雨水側溝が町田市の紋章です。
旧道にひっそりと建つ石碑
都立多摩丘陵自然公園と記載されています。

その旧道を進むと、都立多摩丘陵自然公園と書かれた石碑がひっそりと残されています。ここは、御殿峠の尾根沿いのハイキングコースと、昔の国道16号の旧道が交わる場所、いわば御殿峠付近のハイキングの拠点だった場所なのです。御殿峠の頂上は、日本閣の駐車場のてっぺんにひっそりと三角点が残されています。

日本閣駐車場の片隅に残る三角点

御殿峠は、尾根伝いのルートは相原からのルートと、絹の道の道了堂からのルートが今でも楽しめます。どちらも八王子バイパスに架かる跨道橋を通る不思議な散策が楽しめます。興味あれば、このルートも面白いです。

昔の国道の峠越えを思わせる道。
国道16号の渋滞を避けてみなみ野方面へ抜ける裏道になっています。

旧道は、しょっちゅう渋滞する国道16号を避け、みなみ野方面に行く裏道としてよく使われています。

旧道とみなみ野方面の道路の合流点。

国道16号の旧道は、この交差点を左に曲がり、現道との交差点を左折して現道に合流しますが、今日はこの道をまっすぐ進んでみます。

尾根の上の道は、工業団地のような場所に。
坂の下には、みなみ野の街が見えます。舗装道路で無くなってしまいました。

尾根の上の道は、工場などの施設がいくつか並ぶ場所を越えていき、やがて舗装道路で無くなります。

この先行き止まりの標示が。
車は通れませんが、はっきりと踏み跡の残る小径。

やがて車道は尽きて、山道になりました。山林は富士急が持っているとのこと。斜面の下に富士急系列のバスの車庫があるのもそのせいなのでしょうか。この地域の山林は、西武や京王などの私鉄が所有している場所が多くみられます。将来の宅地開発や観光開発などを見越して土地を所有していたのでしょうか。

看板が出現。「ガケちゅうい 住宅・都市整備公団」

さらにしばらく歩いていると、「ガケちゅうい 住宅・都市整備公団」という表示が。このあたりは、みなみ野のニュータウンを造成するにあたり、当時の住都公団が管理していたようです。住都公団が解散したのは1999年なので、この看板はそれ以前に作られたもののようです。この街がまちびらきをして、JRの八王子みなみ野駅が開業したのが1997年。この看板は、造成工事をしていた頃の名残のようです。みなみ野の街の歴史は、こちらのサイトが詳しいです。

尾根を貫く大きな道路。この道路で、この尾根が分断されています。

尾根を横断する道路。尾根を大規模に切土して作られたようです。掘削した土の量は膨大だったでしょう。少し離れたところに、みなみ野大橋が見えています。この橋も訪れてみたいですが、また別な機会に行ってみたいと思います。

土工事が大規模だったことを認識できる長い階段。

のどかな尾根道は、みなみ野の街に向かう大動脈の出現であっけなく終了です。ここから少しこの大通りを国道16号まで歩き、片倉方向に歩きましたが、今回はここまで。

【終わりに】
御殿峠から片倉方面に歩きましたが、国道16号の旧道の名残を見て、その後工業地帯を通りぬけて人気のない尾根を歩くと、みなみ野のニュータウン建設の名残を発見し、大規模切土の大通りに出会いました。様々な時代に観光誘致や宅地や様々な施設の開発などがされてきた地域。街歩きをすることにより、地域の顔は一つではなく、人知れず異なる顔をしている場所があることを改めて実感しました。
次回は国道16号沿いにJR片倉駅まで歩きたいと思います。
(続きはこちら)


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