■丹沢・大山を歩く■⑦伊勢原駅周辺の大山道
前回の投稿までで、大山阿夫利神社、大山寺並びに、大山の街並みを歩いてきました。見どころ満載のとても興味深い道中でした。
(前回の記事はこちら)
今回は、前回探索した子易(こやす)バス停からバスに乗り、伊勢原駅の一つ手前の「本町(ほんちょう)」バス停で降りて、少し散策しました。
今昔マップで小田急線が開業した昭和初期の頃の伊勢原駅から、左上の大山の手前・子易までの部分の古い地図を示します。子易集落付近から、大山を流れる鈴川が作る扇状地が広がっており、まっすぐ街道がつながっています。扇状地を越えて平坦になってきた場所に、伊勢原の宿場町があったようです。伊勢原の宿場町の一番南東側に、「下宿」と言う名前の地名があり、そこで道が3方向に分かれています。これが、それぞれ平塚、藤沢、江戸を結ぶ大山道が合流する場所になるといえそうです。3方向に分かれる場所、それが今案内する本町バス停付近、ということになります。
今は道路自体は車の往来が多い幹線道路になっており、当時の面影はあまりありませんが・・。
伊勢原市のカラーマンホールを見つけました。やはり地域のシンボルは、何と言っても大山のようです。
伊勢原火伏不動尊は、本町交差点のすぐそばにあります。知水山大尊院という、無くなったお寺の本尊である不動明王を遷座させたと伝えられる不動尊だとか。伊勢原の大火の際もこの場所で延焼が防がれたということです。
本町交差点のすぐ東に、もう1本古くて細い道が交差しています。この道は南の方向に進むと、寒川を経て藤沢のほうに向かう道につながっているようです。
伊勢原駅前や、その市街地も大山道とは切っても切れないような関係のようです。
再び伊勢原駅に戻りました。大山と伊勢原の街歩き。とても楽しいものであり、昔の大山講が往来した、大山街道が通っていた場所であることを感じることができたと思います。
【終わりに】
神奈川県伊勢原市の伊勢原駅付近を少し寄り道する形で歩きましたが、ここにも大山街道が通り、昔も今も、信仰の山につながる玄関口であり続ける場所であることを改めて認識しました。大山街道という道は、今の国道246号のルートを通る道や、伊勢原から戸塚や藤沢、平塚に向かう道、そして橋本を越えて八王子に向かう道など、様々な大山詣でのルートがあったようです。古い地図を片手に、そういった大山道を歩いて再発見することなどを、ゆるーく続けていければいいと思いました。