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30年目のポケモンは家族をつなぐ。(Pokémon Trading Card Game Pocket)

正月に実家に帰ったとき、ひさしぶりに妹の子供、つまりは甥に会った。会うのは3年ぶりくらいで、もう高校生と中学生になっててさ。早いなあ。

家族全員で大きな机に座り、映画『サマーウォーズ』のような昼食をとったあと、スマホを触っているふたりに声をかけた。「なんのゲームやってるの?」。こちらを振り向いた兄のほうから返事をもらう。「『ポケポケ』です!」。

『ポケポケ』、つまりは『Pokémon Trading Card Game Pocket』のことだ。画面を見せてもらうと、レベルは30。「相当やってるねー。俺も30だよ」と、自分の画面を見せる。

中高生のあいだでも流行っているのだろうか。聞くと「みんな、けっこうやってますね」とのこと。クラスにかなり浸透していて、Switchでゲームをやらないような子もプレイしていると。ふむふむ。

「小学生はポケモン大好き。中高生は恥ずかしくって遠ざかる、大学生になったら戻ってくる」。少し前はそんな言説をよく見たし、僕が実際に見てきた感覚とも合致する。そりゃあ、僕は中学や高校でもポケモンを追う学生だったけれど、まわりの「ポケモン熱」が冷めていくのを肌で感じていた。

休み時間の『ポケモン』談義も、中学からは少なくなっていった。

でも、いまはそう感じる中高生が少なくなっているのかもしれないな。先週、『ポケモンフレンダ』のハッピーセットを買いにマクドナルドに行ったのだけど、地元の高校生が何人かで席を囲んで、ポテト片手に『ポケポケ』を楽しんでいるではないか。

「カスミでフリーザーが……」とか、「ダークライにエネルギーを……」とか話してるし、間違いない。とくにここ数年は、全世代向けのIPとして『ポケモン』が広く受け入れられている気がする。

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にぎやかな食事が終わって、甥くんを「フレンドになろうよ!」と誘うと、「ウス!」と言ってはにかむ。いいね、そのワカモノらしい返事。笑顔が妹によく似ている。

すると、「見せて見せて!」と、iPadでプレイしているムスメがやってくる。「お前は小さいころからポケモンが好きやったねえ」と、母親も会話に入ってきた。大切な人たちと、大好きなゲームの話ができる。これが幸せでなくってなんだろう。奇跡のような時間だと思う。

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きょう、『ポケットモンスター 赤・緑』の発売から29周年を迎えた。家族を強くつないでくれる『ポケモン』に、心から感謝を。30年目のこれからも、どうかよろしく!

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