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❅ユールログの髪飾り❅ Bûche de Noël perlée ビュシュ ドゥ ノエル ペルレ

♢♢テーマイメージ♢♢
ひらひらと風に舞う粉雪は灰のよう。
一片(ひとひら)が熱を奪い、降り積もり、
いつしか全てを覆い白銀に染める。

クリスマスローズが真白く雪化粧をする。
さぁ、ユール(冬至祭)の時が来たれり。
常緑の葉とリボンで彩る薪を焼(く)べよ。

ひらひらと舞い散る灰は雪花のよう。
祈りと共に赤く燃え盛る火が捧げられ、
再生を待つ太陽の欠片が冬の街を暖める。

穏やかな夕べを。安らかな明日を。
隣人と幸せを共にすることを。
光輝く揺らめく炎に願いを込めて──。

ブッシュドノエル(クリスマスの丸太)からイメージした作品です。

今はクリスマスの定番ケーキとして定着しているブッシュドノエルは、元々は本来の言葉 “Bûche de Noël” の通り、本当の丸太だったと言われています。

由来は諸説あるそうですが、一説では北欧の古来の祭事ユール(冬至祭)で使われた丸太「ユールログ」なのだとか。

昼の時間が最も短くなり、その日以降は段々と昼の時間が伸びていく冬至。このことから、冬至は太陽が再誕する・力を取り戻すという縁起の良い日として、世界各地で祝う習慣があります。
特に北欧では地域によって、冬至の頃に極夜となり太陽が一日中昇らない期間になるため、太陽の再生を願う気持ちは強そうですね。

ユールログの丸太は大きく、常緑樹の葉やリボンで飾り付けてその薪をクリスマス当日から12日間も燃やし続けるそうです。
ユールログの薪とその灰には特別な力があるとされています。薪には魔力があり燃やすことで太陽の輝きを助けるとされたり、その炎は未来の災禍を占う力があるとされます。また灰も病や災害の厄を祓い豊穣を齎すとされました。

花の少ない冬に咲くクリスマスローズにも、同じように悪魔や悪霊を祓う力があると言われます。
日本でクリスマスローズと呼ぶ花の多くは実は1月以降に開花しますが、元々海外でクリスマスローズと呼ばれているヘレボルス・ニゲルという品種は12月に開花します。
この品種の名前「ヘレボルス」は「死の食べ物」を意味します。茎や根に毒性を持ち、時には薬としても使われたことから、特別な力を持つと言われたのかもしれません。

またクリスマスローズの逸話では、キリストの誕生に贈り物を用意できなかった貧しい少女マデロンの涙が真っ白な花となり、その花束をマリアとキリストへ捧げたという話があります。

クリスマスや冬至には、様々な伝承があるのも面白いですね(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)⁠✧⁠*⁠。

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