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ほん その⑦「ウソをつく生きものたち」

 森由民先生著の「ウソをつく生きものたち」を読んだ。わたしの卒論テーマは「動物園の展示と教育」ということで、生物にも興味がある。生物が「ウソをつく」とはどういうことなのか気になり、手に取ってみた。


 本書では生物の生存戦略の一つである「擬態」がテーマであるが、まず様々な擬態の種類があることに驚いた。中でも面白いなと思ったのはアリの化学擬態だ。読んでいて、3年生を担任していた時、「アリの行列」でアリが化学物質(道しるべフェロモンだったっけ?)を出すことで食べ物の在り処を示すこと子どもと読み取ったのを思い出した。でもそれだけではなく、化学物質を用いて他種の巣を乗っ取ってしまうアリがいることや、巣に侵入するために化学物質をアリから奪い身に纏うアブラバチなどを知り、どれも長い時間をかけて進化してきた生き物の神秘のようなものを感じた。


 擬態をするのは生き物の卵もそうだ。カッコウの托卵についても本書は触れているが、見破られないように卵のサイズを似せるよう進化してきたことや、数を合わせるために元あった卵は巣から捨ててしまうなど、「鳥なのによく考えられているなぁ、ずる賢いなぁ」と感じた。しかし、それはあくまでも人目線での考え方であり、カッコウはあくまでも子孫を残すために進化してきただけである。わたしのこの人目線での考え方も、他の生物に対する驕りなんだなぁと読み終わって感じた。


 他にも、チンパンジーの社会性に関する研究など、読んでいてつくづく生き物の生態って奥深いなぁと感じる一冊だった。最近動物園に行けてないが、また行ってのんびり動物の観察をしたいなぁ。

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