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🎵雨の日に聴きたい歌⑧-3 哀愁にひたる雨ソング(4曲)💙


「雨の日に聴きたい歌・哀愁にひたる雨」のテーマでお送りする、第3弾。

今回は前回にも増して、悲哀の色合いが濃い歌を集めてみました。

思う存分せつない気分に酔ってみたい雨の日。

そんな日に聴いていただきたい4曲を集めてみました ♪


✅前回記事はこちら👇




①雨の中の二人
歌:五輪真弓
作詞・作曲:五輪真弓

1983年5月リリース。

雨の街を背景に、素直な想いを言葉にできない女心が切実に描き出された、ドラマ性の高い一曲。

サンダルを履いている女性主人公のつま先に、傘を差しても避けきれない、つめたい雨が降り注ぐ。

この描写はちょうど、今の季節の雨とリンクする。

しかし、つめたい雨がしみるのは つま先だけではない。

心にもしみるからこそ、この歌の主人公は
「もっとそばにいてほしいのよ」
と、肩を並べて歩く恋人に言いたいのだ。

ただ、素直にそう口にできない事情がある。

大人の恋の哀愁たっぷりの詞が、五輪真弓さんの憂いを帯びた美声とあいまって、よりせつなく、ほろ苦く伝わってくる。




②アカシアの雨がやむとき
歌:西田佐知子
作詞:水木かおる
作曲:藤原秀行

1960年4月リリース。
3年後の1963年には、日活で同タイトルの歌謡映画が制作・発表された。

当時の日米安保闘争(日米安保条約抗議デモで死亡した樺美智子の件)とリンクするかのような悲壮な歌詞と、その悲壮な世界をどこか突き離すかのようにクールに歌い上げる、西田佐知子さんの美しい歌声。

それがこの時代の若者の心を魅了し、人気を博した。

なお、この歌に出てくる「アカシア」は、ハリエンジュ属の「ニセアカシア」(白い花)のこと。

本来の「アカシア」は、マメ科アカシア属の総称であり、黄色い花をつける。

鑑賞時、その違いに留意願いたい。



③雨に咲く花
歌:井上ひろし
作詞:高橋掬太郎
作曲:池田不二男

1935年、関種子さんが歌ったこの曲を、1960年7月、井上ひろしさんがカバー。ミリオンセラーとなった。

この歌の詞を手掛けた高橋掬太郎さんといえば、戦前、藤山一郎さんが歌って大ヒットした『酒は涙か溜息か』(作曲は古賀政男さん)で名を上げた。

個人的には、「ままになるなら 今一度」の、半音部分で哀愁がマックスになる感覚がして、目頭が熱くなる。

雨に打たれながら、未練たっぷりの失恋の涙を流す。

どんなに時代が変わろうと、悲恋の歌はせつなく美しく、人の心に寄り添ってくれる。




④そぞろ雨
歌:香西かおり
作詞:麻こよみ
作曲:弦哲也
編曲:高田弘

2024年6月発売の新曲。

「酒」「ため息」そして「雨」……

この3つのキーワードが並ぶと、古典的な失恋演歌の世界が広がる。

しかし、この歌はけして古臭くない。
「そぞろ雨」という新鮮な響きをまとった造語に、主人公の未練や哀愁が託されているから。

「雨」「空」「雲」といった自然の風物を、人間心理の悲喜交々を写す鏡と捉え、作詞者独自の感性で描写する、これは日本の詩歌創作における伝統的手法。

いつの時代もこの手法を用いることによって、日本の歌には豊かな抒情性が宿る。

私自身このところ、過去に書き溜めてあった歌詞を見つめ直す作業をしているが、やはりこの手法を取り入れて書いた作品が多い。

リリースされたばかりの「そぞろ雨」を聴き、改めてそのことに気づかされた。




本日の記事は以上です。
ここまでご覧くださり、ありがとうございました m(__)m




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