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ラストマイル
ブラックフライデー前夜、
届いた荷物は爆弾だった――
日本中を震撼させる4日間。
11 月、流通業界最大のイベントのひとつ“ブラックフライデー”の前夜、世界規模のショッピングサイトから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。
やがてそれは日本中を恐怖に陥れる謎の連続爆破事件へと発展していく――。
巨大物流倉庫のセンター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)と共に、未曾有の事態の収拾にあたる。
誰が、何のために爆弾を仕掛けたのか?
残りの爆弾は幾つで、今どこにあるのか?
決して止めることのできない現代社会の生命線
世界に張り巡らされたこの血管を止めずに、いかにして、連続爆破を止めることができるのか?
すべての謎が解き明かされるとき、この世界の隠された姿が浮かび上がる。
いやーーーーーーー!!!!!!
良かったです。ラストマイル。
ネタバレそこまでせずサクッと感想を。
脚本の野木亜紀子さんの作品は「空飛ぶ広報室」「アンナチュラル」「MIU404」あたりが大好きなので、今回のこのラストマイルも気になりつつ、1ヶ月あっためてやっとこさ見ました。
アンナチュラルやMIUとのコラボ(※既存のドラマなどから役柄等そのままで引っ張ってくることを「シェアード・ユニバース・ムービー」というらしいです。学び!)があるからといって、ぬるい話になることなく、物流テロベースで現代社会のあり方、悪しき経済形態全体について考えさせられる、良い作品だったと思います。
野木さんはインタビューで以下のようにおっしゃっていますが、まさに。
「現実にある企業の問題点を伝えているわけではなく、世界の構造を風刺しています。社会のしわ寄せで苦労しているのは末端の人々であって、物流に限らずどの業界でも起きている。そこに私たちも加担している。そんな構図が見せられたらと思いました」。届きにくい声を拾うことで、苦しさの連鎖までもが伝わってくる作品です。
ハラハラドキドキのテンポもすごく良かったです。私は退屈な映画は寝てしまうことがあるのですが、そういったことも全くなく、「次はどう来るの!?」と終始ワクワクで気づいたら2時間終わっていました。
初めはエレナのキャラドギツイな...と思ったのですが、外資系バリバリということがわかるとなるほど〜、うっまいと思ってしまった。あと不自然な感じが外資だからってだけじゃなくて、病んだ人間が復帰してきたというところからも引っ張ってきているんだな〜とわかり、演技力スッゴッ...となってしまいました。
孔は初めは「無」感が強いですが、事件やエレナに触れて次第に人間くささみたいなものが出てきたような気がします。最後の「あなたはどうする?」でぐちゃぐちゃに悩むところとかね。
サダヲ、お前はやってくれると思ってたよ(?)
ヒノモトォーーーーッッ!!!!!!お前ェーーーーーッ!!!!!!(?)
最後はハピエンなのか微妙なところですが、めちゃくちゃ後味悪いわけでも無く。ただ、見た人一人一人に問題提起がされています。
さて私は、あなたは、どうする。
どう生きる。
What do you want?
あなたが本当に欲しいものは。