クレーム対応6年の経験とコツ
経験
初めに:この記事はとても長く私の気持ちもあふれてますので
お目当ての目次に飛んでいただくことをお勧めします( ˘ω˘ )….
こんにちは。語学留学中の"しゃる"と申します。
外資系企業のテクニカルサポート部署に約6年半在籍していました。
先日元部下さんから「クレーム対応のコツって何かないですか?」と相談を受けました。
そこで私から言えることを伝えたところ「それネットで公開したりしてないんですか?」と暖かなお言葉をいただき、嬉しくなって元同僚にも話したところ「有料でもいいからそれ聞きたかった。書いてみたら?」と背中を押していただけました。
ので・・本記事がどこかの方の励ましになれば嬉しく思いタイピングをしています。
経験から言えること
正直「クレーム対応はしんどい!!!!」これにつきます。
それと同時に人助けです。
今クレーム対応をされてるあなた!!素晴らしいです。人を助けています。例えるならば、「困ったときに駆け付けるスーパーマン」
と私は思っています。
ただご認識してほしくないのはクレームの約98%は
「あなたに向けてのクレームでは無く会社の商品・会社のサービス」
に対する苦言です。
※残りの2%は、電話がすぐにつながらなかったなどの状況。
私が新卒の頃先輩方がよく口を揃えておっしゃっていました。
「対面じゃないから殴られるわけじゃない」
「我慢すればいいだけ」
・・・殴られないからってオペレータは傷ついたままでいいの?
・・・・・我慢?お客様が困って連絡してきてるのに?
”この教えられた対応は何かが違う”
そう思ったのが新卒1年目の秋でした。
何が一番辛かったか
いろんなクレームがあります。
以下が何年経験していても怖かった方々です。
・お電話を切らせてくださらないお客様
→納得されず上席に電話を替われ等。しかし上席は対応拒否。
・対応に関係ない心無い言葉をかける方
→お前の声が気に入らない。男性じゃないと信用できない等
・暴言をおっしゃる方
→今すぐ●ね""!!! お前の親なんてXXXXX, 本当に人間か!?等
ここで気づいてくださったかと思いますが
「お客様」と「方」という書き方をあえてしています。
オペレータとお客様は対等関係です。同じ人間です。
私が一番嫌いな言葉「お客様は神様!!!何でもしなきゃいけない!」
これは違います。
クレームの連絡をされる方も人間です。自分の大切な人に全く同じような言葉を投げかけるでしょうか? 投げかけないですよね。
ということは…極論"人と思われていない!?" と思っていました。
また公平というと..
企業ポリシー上どうしても解決できない案件があったとします。
本当に困って解決策が欲しくて連絡くださっているがポリシーだから仕方ないね。と納得し電話を置くお客様と暴言を吐いて自分の言うとおりに無理にさせようとする方。
もし暴言を吐く方を優先すると不公平ですよね。
また次回も「前はしてくれた!だから今回もしろ!!」と言われるとたまったものではありません。
お客様というより横暴な方ですよね….
そして何より怒鳴られると怖いですよね。
なので人格否定をされる方などの対応をするとき私はいつも
「とっても嫌なことが周りで起こって誰かに愚痴を聞いてもらいたい。どうしても誰かを攻撃してストレス発散したい人」と思い対応していました。
何が一番うれしかったのか
なぜ続けられたのか
お客様からの感謝のお言葉が活力
私がなぜオペレータを続けられたのか、なぜクレーム専属の上席対応ができたのか。それには訳がしっかりあります。
お客様からの感謝のお言葉。 これが私の何よりの活力でした。
・お礼にとわざわざお手紙やメッセージを送ってくださるお客様
・あなたの対応が1番だよ!
・あなたのような方がいるから安心して問い合わせができる
等励ましてくださるお客様
退職をしているためお客様から頂いたお手紙やメッセージは社外に持ち出せないですが、いただいたお言葉は今でもしっかり覚えています。
クレーム対応で凹んだ時、回復する方法は
いつだってお客様からのお言葉でした。
ある一本のクレーム対応
私は部署の中でも人一倍"お客様に感情移入"をしてしまい”すべてのクレームをすべて受けて解決しなければならない”と思い込んでいました。
そんな時ある1本のクレームの連絡が入りました。
上席対応希望のお客様からでした。
電話を受けて初っ端から暴言苦言の雨霰。発狂しておりこちらが話をする隙間もない。何をおっしゃってるかもわからず、ただただ恐怖を感じ
部下さんに見られたら恥ずかしいと思いながらも
何度も何度もミュートにしてすすり泣きました。
ただ、ふっと「この方は何にお怒りなのか。」と疑問に思い何か拾えそうな単語はないか..何かヒントになる言葉はないか。とその方の暴言に耳を傾けました。そこで「すぐ欲しいのに」という単語と「買えない」という言葉がなんとか聞き取れました。
叫ぶお客様は数分後、徐々に疲れてこられる方が多いです。
そのためタイミングを見計らい勇気を出して伺いました。
「お客様…恐れ入りますがお客様の力になりたいんです。理解不足で大変申し訳ないのですが、商品が購入できないということでお間違いないですか?」
お客様は声を荒げおっしゃいました「そうだよ!!!さっきから言ってるだろ!!この画面から!!!!画面が動かないんだよ!!!!!お前は馬鹿か!!」
暴言はありますが、初めてここで意思疎通ができたのです。
何度も何度も伝えました「お客様の力になりたい」「困る気持ちはわかるから今どんな画面にいるか協力してほしい」
結果3時間半対応していました。
途中からだんだんお客様も落ち着いてこられ最終的には購入完了までたどり着きました。
結果、高齢のお客様でお孫さんの誕生日プレゼントを買いたいが1日かけてPCを操作してるが購入画面に進めない。何回もサポートセンターに電話しているが案内がわからない。近くのお店には売ってないためどうしても今購入しなければ間に合わない。と焦りと頑張っているのに買えないという悲しさからくる怒りだったのです。
電話を置かれる最後にお客様はおっしゃられました。
”しゃるさん。本当にごめんなさいね。こんな歳になって当たり散らして恥ずかしいです。孫のためにどうしても欲しくて娘に聞いたらパソコンのサイトで売ってるときいたんだけど、娘と喧嘩したから操作方法聞けないし昨日からしてるのに買えなくて、何回もサポートセンターに電話したけどほかの人何言ってるかわからなくて..
次から一人で購入できます。ありがとうございました。ごめんなさい。ありがとうありがとう"
そして数日後、あの時のお客様からメールが部署に届きました。
”しゃるさんへ
無事孫にプレゼントが届けられました。教えてもらった方法で今は買い物をしていてとても楽しい。重くて店に行くのが億劫だった緑茶パックをこの歳で購入できました。これからも貴社を使いますよ。謙虚に聞いてくれる姿に心を打たれこの歳になって学ばされました。ありがとう”
・・・いただいたメッセージを何度も見返し嬉しさと今は不安なく購入できていると聞き嬉しく泣きました。
今思い出し書いていてもまた泣けてきます。
<本題>
クレーム対応中に気を付けていたこと
私が経験したお客様は3パターンに分けられます。
1: とりあえず話をとことん聞いてほしい系
2: 解決策を早く提示してほしい系
3: その他(揚げ足を取られる,発狂されるなど)
そして案件も2パターンに分けることができます。
・解決ができる案件
・解決ができない案件
まず初めに"このお客様はどんなお客様か"を知るところからが勝負です。
以下私の経験上のお話をさせていただきますが、
絶対決まってこうなってる!!! というわけではありません。
元部下さんの中には覚えようとしてくださった方もいましたが、
覚えると逆に大変になってしまうので、「へーそうなんだー・・そんなかんがえもあるのかー」くらいの気持ちでご覧ください。
"このお客様はどんなお客様か"を知るとは?
オープニンング
お電話ありがとうございます。XXXXXです。
そのあとお客様の第一声と声のトーンでおおよそ目星がつきます。
共感してほしいお客様:
開口一番「この商品動かなくなったんだけど、これをこうしてあーして・・・」とお客様からご説明くださる場合は
共感してほしい方がほとんどでした。
困ってるからこそ親身になってほしいからこそ、お話しくださいます。
解決策を早く提示してほしい系:
オープニング後、「何から話せばいいですか」「注文した時の番号はXXX」など淡々と情報を挙げてくださるお客様は
解決策を早く提示してほしい方が多かったです。
仕事のお昼休みにお電話をくださる方やとにかく早くお電話を置きたいという方、解決策はメールで送ってほしい。という方が多かった気がします。
このタイプのお客様は「共感してほしいお客様」よりも少ない気がします。
その他(揚げ足を取られる,発狂されるなど):
揚げ足を取られる方:
不安だからこそ色々今聞いておきたくなる心理から
でもこの場合は?あの場合は? と「もしも」のまだ起こっていない未来の心配をされる方が多かった記憶です。
暴言や発狂される方:
痺れを切らしお怒りになる方と初めからお怒りになる方と様々です。
怒りになることは案外にも体力も使いとても疲れます。
泣くお客様も同様にお疲れになります。
対応流れの大まかな基礎
どのお客様でも以下の流れが必要です。
また大前提としていかがあります。
・お客様の言葉を遮らない
・予想の回答をしない
(調べず不明のまま"多分そうと思う"という状態での案内はNG)
・お礼お詫びを忘れない
※会社としてお礼・お詫びです。
①とりあえず話をとことん聞いてほしい系
以下のように対応をしていました。
・相槌をコロコロ変える
→「はい」の他「えぇ」「さようでしたか」
淡々と回答しているとロボットのような固い印象になります。
・合間合間で共感を入れる
→「そうですよね」「そうだったんですか」「それは困りますよね」
・不明点は何を確認するのかを伝える
→「XXXについて確認しますため、保留にてお待ちください」
正しい情報をお伝えしなければ温厚な雰囲気でもお怒りになります。
・最後はお礼をしっかり添える
→「ご協力いただいたおかげで解決できました。ありがとうございます!」
② 解決策を早く提示してほしい系
・保留前に他の確認したい点を聞き出す。
→淡々と質問される方やお急ぎの場合、次から次へと深い質問されると度々保留となり時間がかかるため
「確認します。ほかに確認されたいことがあれば合わせて確認いたしますため、お教えいただけますか?」初めに不明点や確認したい点を聞き出してしまってから保留にて確認します。
・保留を解除して状況を説明する
→もし3分以上時間がかかりそうな場合は、保留を開け時間がかかってること伝えます。またメールができる環境であればメールの提案も喜ばれます。
「XXに関しまして確認しておりますが、お時間擁しておりまして、あと2分おまちいただけますでしょうか?もしご希望でしたらお時間少々かかりますが追ってメールでの案内もできますがいかがされますか?」
③その他(揚げ足を取られる,発狂されるなど) と注意点
・声のトーンを落とし、声のスピードを落とす
・慌てず落ち着いて対応しましょう。
→こちらが慌てるとお客様に通じさらに火に油になることがあります。
・正しい情報だけをしっかり伝える
→怖いからと言って「はいはい」と何でも聞いていて後から実はできないことでした。となると・・・お客様さらにお怒りになります。
「今すぐ着て土下座しろ!!!」と言われた同僚は怖さのあまり「はい」と言ってしまい「できないことの約束」をしてしまったが故、お客様がさらにヒートアップしてしまったことがありました。
※お客様宅に行き土下座はできません。そのため数日かけ別上席が対応いたしました。
別の箇所でも記載したように”怒ることは体力を使います”
そのため、相槌を打ちながら落ち着かれるのを待ちます。
落ち着いたタイミングで「何をお困りか」のすり合わせを行い
「お客様のために何ができるのか」をお伝えしましょう。
※注意点※
環境にもよりますが、上席対応や別人対応を希望される場合
「最後まで責任もって対応したい旨」を伝えてもご納得されない場合は、対応を代わってもらった方がよいです。
というのも、あなたの対応が悪いのではなく「人が代わるだけでお客様が落ち着く」こともあるからです。
お客様の中には人格否定を持ち出してこられます。
しかしそれは「本当のことではない」と思ってください。
とにかく当たりたいお客様も多くいらっしゃいます。
ミュートを使い深呼吸をしてください。
私の同僚の中には「はい・・はい・・」と言いながら机のお掃除をされてる方もいました。
※落ち着かれるまで全部聞いてしまうと凹んでしまい、お客様が落ち着いた後にソリューションを出すエネルギーがなくなるためとのことでした。
最後に
ここにかいたのは私が6年半在籍していた中で大事にしていた点のみを書きだしました。
本当はもっと書きたいことや需要があるか不明ですが
初めてのテクニカルサポート・ヘルプデスク業務でフレーズが出てこない!!!という方のために
私がよく使っていたフレーズなどまとめようか考えています。
(需要があるかはわからないのですが..)
もしよろしければ♡を押していただければ嬉しいです。
最後に
きっとご覧くださってる方は、"クレーム対応って?"という方から
"まさに今オペレータをしているという方"など様々かと思います。
オペレータの皆さまは、スーパーマンのように
きっと今日も困ったお客様を救っているのだと思います。
少しでも誰かに届けますとうれしく思います。
どうか無理せず、しっかり息抜きをしながら
つかれた時は暖かいお風呂に肩まで使って、おいしいものを食べてください。
ここまでご覧いただきましてありがとうございます。
それでは、また。