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報道記録

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各社によって微妙に異なるニュースの内容や用語・表現を比較し、記録したものです。
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記事一覧

安倍元首相銃撃死 翌朝新聞紙面の写真取り扱い

 7月8日、奈良市の近鉄大和西大寺駅前の路上で、参院選候補の応援演説をしていた安倍晋三元首相が男に銃撃され亡くなりました。67歳でした。  通算の首相在職期間歴代最長をほこり、現在も自民党最大派閥のトップである大物政治家が選挙期間中に殺害されるという、極めてショッキングなニュースとなりました。  現場には多くの記者が居合わせたこともあり、9日付の朝刊紙面には銃撃直後の安倍氏の写真が掲載されていますが、どの面に掲載したか、画像にモザイクをかけたかどうかなどの取り扱いに違いが

火は「チャッカマン」でつけたのか――京アニ事件、報道各社は商品名含む発言をどう文字起こししたか

 京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告の裁判員裁判が、9月5日から京都地方裁判所で始まっています。  各社の報道によると、事件直後に現場で被告と警察官がやりとりした様子を記録した約3分間の音声を検察側が公開し、審理2日目の6日、法廷で再生されました。報道各社は文字に起こして伝えていますが、火を付けた道具について答えた被告の発言をどう伝えるかが、社によって分かれています。 今回の各社報道 再生された音声に含まれる事実関係自体は、事件直後からす

2021衆院選新聞調査(7)山口新聞

※2021年12月22日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  第49回衆院選の翌日付の朝刊版建てを記録する連載。第7回は山口新聞です。 甘利氏辞意の一報突っ込む 山口新聞は下関市のみなと山口合同新聞が発行する山口県内をエリアとする日刊紙です。水産専門紙『みなと新聞』の夕刊が源流というユニークな経緯を持つ新聞です。共同通信には加盟していないものの、記事の配信を受ける契約は結んでおり、県外ニュースはほとんどを共同通信の配信記事を掲載

2021衆院選新聞調査(6)中国新聞

※2021年11月23日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  第49回衆院選の翌日付の朝刊版建てを記録する連載。第6回は中国新聞です。 3本社各紙面で見出しに立った当選者は 中国新聞は、広島県内ではトップシェアを持ち、岡山、島根、山口各県でも一定の読者を獲得しています。そのためブロック紙や準ブロック紙として扱われることがある一方、地元広島県と、有力県紙がない山口県以外では、取材・営業網の縮小傾向がみられることから以前よりも県紙的

2021衆院選新聞調査(5)産経新聞

※2021年11月11日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  第49回衆院選の翌日付の朝刊版建てを記録する連載。第5回は産経新聞です。 議席数グラフィクス自体が違う 産経新聞は大阪本社発行の13版B、14版、14版☆に加え、西部本部発行の九州・山口版11版の計4個版を入手しました。  福岡にある西部本部は、組織上は大阪本社の傘下ですが紙面は東京本社版をベースに編集しています。そのため、九州・山口版に掲載されている問い合わせ先は

2021衆院選新聞調査(4)日本経済新聞

※2021年11月8日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  第49回衆院選の翌日付の朝刊版建てを記録する連載。第4回は日本経済新聞です。 「注目候補」に載ったり載らなかったり 日本経済新聞は大阪本社が12版、13版、14版、17版、西部支社が12版、13版、14版、15版の計8個版を入手しました。  その日の紙面のダイジェストを紹介する1面のコーナー「NEWS&VIEWS」には、注目の候補の当落が載りました。15版までは「当選

2021衆院選新聞調査(3)読売新聞

※2021年11月6日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  第49回衆院選の翌日付の朝刊版建てを記録する連載。第3回は読売新聞です。 あくまで「自民 単独過半数」 読売新聞は大阪本社版が17版◎、17版、16版、15版、西部本社版が17版、16版、15版、14版の計8個版を入手しました。他紙と違い、開票の進捗に応じて主見出しを変えることはなく、あくまでも「自民 単独過半数」で貫きました。岸田政権の事実上の勝敗ラインと報じられてき

2021衆院選新聞調査(2)毎日新聞

※2021年11月3日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  第49回衆院選の翌日付の朝刊版建てを記録する連載。第2回は毎日新聞です。 安定多数で岸田首相が笑顔に 毎日新聞で入手したのは大阪本社の12版、12●版、13版、15版、16版と西部本社の12●版、13版、16版の計8個版です。  大阪本社版で最も象徴的な差し替えは岸田首相の顔写真でした。13版までは口元を真一文字にした表情の午後10時撮影の写真でしたが、自民党が単独で

2021衆院選新聞調査(1)朝日新聞

※2021年11月2日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  第49回衆院選は10月31日投開票され、自民党は選挙前から議席を減らしつつも、追加公認を含めると絶対安定多数を単独で確保する261議席となり、一方野党は、立憲民主党が野党共闘で候補者を一本化した小選挙区では善戦しつつも比例代表で議席を伸ばせず、合計議席数が選挙前割れという結果になりました。また日本維新の会が選挙前の4倍近くへと躍進する結果となりました。  新聞は印刷拠点

福島・宮城震度6強、堺市内の全国紙掲載状況

※2021年2月14日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  2月13日午後11時8分ごろ、福島県と宮城県で震度6強を観測する強い地震がありました。執筆時点でこの地震により死者が出ていないこと、津波が発生しなかったことが不幸中の幸いですが、負傷された方、被害が出た方にお見舞い申し上げます。  深夜の地震だったため、14日付朝刊は版によって地震のニュースを収録できたものと、できなかったものがあります。今回は速報版として、大阪府堺市内

大阪都構想、再び否決──11月2日の在阪朝刊

※2020年11月2日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  大阪市を廃止して4特別区に再編する大阪都構想の住民投票が11月1日、投開票され、約1万7千票差という僅差で2015年に続いて再び反対多数となりました。住民投票の結果を伝えるため、各在阪一般紙は2日付朝刊で臨時の版を製作しました。 朝日新聞 朝日新聞は「14版△◎」で確定結果を掲載。「◎」は取り直し(一度作った版を破棄して、新たに作り直した版)を意味する記号で、通常の最終