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映画レビュー

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見た映画の感想です。ミニシアター系が中心です。
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2021年8月の記事一覧

映画『恋の病~潔癖なふたりのビフォーアフター~』

※2021年8月28日にCherlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  極度の潔癖症で、決まった行動をとらなければ不安に駆られる青年ボーチン(リン・ボーホン〈林柏宏〉)は、月1回と決めている外出日、地下鉄の車内で、自分と同じようにレインコートとマスクの防護スタイルに身を包んだ女性ジン(ニッキー・シエ〈謝欣穎〉)と偶然出会う。彼女もまた極度の潔癖症であり、かつ万引きをやめることができない窃盗症をも抱えていた。  ボーチンは翻訳で生計を立ててい

映画『わたしはダフネ』

※2021年8月9日にCherlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  夏の休暇に訪ねたキャンプ場で母親が急死するという喪失体験に直面したのは、30代の娘ダフネと、父ルイジである。  ダフネはスーパーマーケットの店員として働き、職場を「全部好き」というほど仕事を愛しているダウン症の女性。母の死の直後こそ、泣き叫び、父に八つ当たりもしたが、仕事に復帰すれば同僚たちの助けや温かさに囲まれ快活さを取り戻す。一方のルイジは狼狽する娘をなだめ、安心させ

映画『サマーフィルムにのって』

※2021年8月8日にCharlieInTheFogで公開した記事(元リンク)を転載したものです。  時代劇マニアの高校3年生・ハダシ(伊藤万理華)は、所属する映画部が文化祭で上映するために『武士の青春』という企画を作るが、ライバルの花鈴(甲田まひる)によるキラキラなラブコメにあっけなく投票で敗れてしまう。親友の天文部員・ビート板(河合優実)、剣道部員・ブルーハワイ(祷キララ)に愚痴を吐きつつ、部活とは別で撮るのを勧められても踏み出せない。そんなルサンチマンを抱きながら訪ね