見出し画像

マスターブレンダーとチーフブレンダー 《リージェント②》

■リージェントについての2話目

2024年11月にサントリーから日本国内向け(アメリカでは先行発売済)に発売となった革新的なアメリカンウイスキー「リージェント」についての2話目です。

LEGENT(リージェント)|サントリー

この商品は、

◇ジムビーム
7代目マスターディスティラー:フレッド・ノウ

◇サントリー
5代目チーフブレンダー:福與伸二

がコラボしてつくり上げました。

前回は、ジムビーム側のキーマン=マスターディスティラーが、

なんでビームという姓でないの?

と疑問に対して、

4代目マスターディスティラー:
ジェームズ・ボーリガード・ビーム
(通称ジムビーム)の娘が
ノウ家に嫁いだから!

ということをご紹介しました。

今回はもう日本側のキーマンについて確認してみたいと思います。


■5代目チーフブレンダー:福與伸二

福與さんは、サントリーにおける5代目のチーフブレンダーです。
4代目は、NHKのプロフェッショナルでも特集されたことのある輿水精一さん。
3代目は、響17年を開発したことで有名な稲富孝一さんです。

稲富博士のスコッチノート[Ballantine's]香るウイスキーバランタイン

つまり福輿さんは、国内サントリーウイスキーのブレンドを担うチームの現場トップということになります。


■マスターブレンダーとチーフブレンダー

ちょっとわかりづらい話なのですが、日本国内のウイスキーメーカーでは、

・マスターブレンダー(最高責任者)
・チーフブレンダー (ブレンダーの長)

を別々に置いていることが多いです。
「ブレンダー」とはどのような人ですか? サントリーお客様センター

例えば、サントリーでは以下の通りです。

◇サントリー(2024年1月現在)
▼マスターブレンダー(3代目)
 鳥井信吾(サントリー創業家/サントリーHD副会長)

▼チーフブレンダー(5代目)
 福與伸二

ちなみに、日本のウイスキー草創期には、役割分担がまだ進んでいなかったので「創業者=マスターブレンダー=最高責任者(経営も品質も)」となっています。

◇サントリー初代マスターブレンダー
  鳥井信治郎(創業者)

◇ニッカウヰスキー初代マスターブレンダー
  竹鶴政孝(創業者)


■大手の著名ブレンダーの肩書

ウイスキーフェスなどでは、各社のブレンダーのトップが来場していることが多いです。

例えば、2023年に「サントリー、ニッカ、キリン、ベンチャー、マルス」の原酒をブレンドした特別なウイスキー(非売品/イベントなどで提供)が発表された時のことです。

日本のトップブレンダーたちが手を組んだ夢のウイスキー | WHISKY Magazine Japan

【日本のウイスキー100周年】 『究極のコラボウイスキー』5品が爆誕!|チャーリー / ウイスキー日記

その発表会見に出席した各社のトップブレンダーは以下の通りです。

◆サントリー
 福與伸二氏 (チーフブレンダー)

◆ニッカ
 尾崎裕美氏 (チーフブレンダー)

◆キリン
 田中城太氏 (マスターブレンダー)

◆ベンチャーウイスキー
 肥土伊知郎氏(マスターブレンダー)

◆マルス本坊酒造
 久内一氏  (チーフブレンダー)


■何が言いたいかというと

リージェントは、「米国のマスターディスティラーと、日本のマスターブレンダーがコラボした商品」とご紹介しました。

でも、福輿さんはマスターブランダーでなく、サントリー社内ではチーフブレンダーです。

では、なぜマスターブレンダーと言っているのか?

答えは

著名な国際ウイスキーコンクールにおいて、
福輿さんが
「マスターブレンダー・オブ・ザ・イヤー」に
選出されているから!

です!


■ウイスキーコンクールでのトップ表彰

リージェントを開発した「ジムビーム:フレッド・ノウ」「サントリー:福與伸二」は、以下の通り、国際的なコンクールで、No.1に選出されている傑出した「つくり手」です。

◇ジムビーム:フレッド・ノウ
2020年 ISC 
マスターディスティラー・オブ・ザ・イヤー受賞

◇サントリー:福與伸二
2024年 ISC 
マスターブレンダー・オブ・ザ・イヤー受賞

※ISC=International Spirits Challenge
(イギリスで毎年開催される世界的な酒類コンペティション)

また、それぞれが手がけたビームとサントリーのウイスキーは、同じく国際コンクールで、出品された全品目の中で、No.1に選出されています!

◇ブッカーズ ライ(日本では未発売)
2017年 Whisky Bible 
World Whisky of the Year受賞
(全世界のウイスキーカテゴリー1240点の中の頂点

◇山崎12年
2024年 ISC
Supreme Champion Spirit受賞
シュプリーム チャンピオン スピリット
(出品された900点以上の全ウイスキーの中の頂点
(ジャパニーズウイスキー部門最高賞「トロフィー/Trophy」も同時受賞) 

山崎蒸溜所100周年17/次の100年に向けて朗報「山崎12年」ISC2024シュプリーム受賞[ウイスキー&バー] All About

世界的な酒類コンペティション「ISC」で「山崎12年」が全部門での最高賞「シュプリームチャンピオンスピリット」を初受賞 2024927日ニュースリリースサントリー


■次回は

このように日米ウイスキー界のプットのつくり手が、コラボしてつくり上げた商品、「リージェント」。

その中身スペックについて、ご紹介したいと思います!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集