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相続の基本5(相続人⑤ 手続き前に相続人が亡くなった!)

 前回まで相続人について紹介してきましたが、今回はその少し特殊な例についてお話します。

 被相続人(亡くなった方)の相続手続きを開始するのに時間がかかってしまい、その間に相続人が亡くなってしまったらどうなるのでしょうか?

 例えば相続人が子供3人の場合、そのうちの1人が相続手続き中に亡くなってしまったら相続はどうなるか?その方を除いて他の2人が相続人となるのか?そうはなりません。

 相続人の相続人が新たに相続人として加わります。(この場合亡くなった相続人が受けるはずだった相続分を相続人の相続人が分けます。)

 具体的な例で言うと、被相続人Xの子、A、B、Cの3人が相続人だったとして、3人の相続分は1/3ずつです。Cが相続手続き中に亡くなると、Cの相続人である配偶者C1と子C2、C3がCの相続人である地位を受け継ぎます。相続分はCから受ける相続割合で被相続人の相続財産を相続します。ちなみにC1〜C3が受ける被相続人Xの相続分は、配偶者C1は1/3✖️1/2、
C2とC3は1/3✖️1/2✖️1/2ずつです。

 だから何が言いたいのかというと、被相続人が亡くなった後に相続手続き前に相続人が亡くなってしまうと、相続財産を受ける人が増えてしまうのです。分割する対象が被相続人の財産なので、人数が増えると新たに加わった方の相続分は少なめにはなりますが、手続きは必要です。

 何年も手続きを行わず放置していた結果、対象者が何十人にも増えてしまう場合もあります。相続財産が小さな家だけの場合でもその何十人の合意を得なければならなくなります。

 遺産分割に時効というものはありません。何十年も放置しておくと、どんどん手続きが面倒になり更に放置されるという悪循環。国に引き取ってもらうのも容易ではないです。不動産登記法が改正され、相続登記を怠ると過料が課されるようになりました。放置された相続財産はどうなるのでしょうか?


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